2019年7月9日、アメリカの連邦控訴裁判所は「トランプ大統領がTwitterでユーザーをブロックすることはアメリカ合衆国憲法に違反している」と認める判決を下しました。法廷では、「トランプ大統領のアカウントは私的なものなのか、それとも公的なものなのか」「Twitterは議論の場として機能しているのか」という部分が論点となりました。

In the United States Court of Appeals For the Second Circuit

(PDF)https://knightcolumbia.org/sites/default/files/content/Cases/Twitter/2019.07.09_Opinion.pdf

Trump's blocking of Twitter critics unconstitutional: U.S. appeals court - Reuters

https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-twitter/trump-cannot-block-twitter-opponents-us-appeals-court-idUSKCN1U41NM

President Trump can’t block his critics on Twitter, appeals court rules - The Verge

https://www.theverge.com/2019/7/9/20687521/donald-trump-president-twitter-blocking-appeals-ruling

以前からトランプ大統領はTwitter上で、自身に対し批判的な書き込みをしたユーザーをブロックしていました。2017年、コロンビア大学のKnight First Amendment Instituteをはじめとするトランプ大統領のTwitterアカウントにブロックされたユーザーが「トランプ大統領がTwitterでブロックするのは、公的な場で役人を関わる憲法上の権利が侵害されている」として訴訟を起こしたのがきっかけでした。



裁判では、「トランプ大統領が、大統領に就任する前から運営していたアカウントは依然として個人アカウントなのか、それとも公的なアカウントなのか」と「Twitterのサイトデザインは言論を自由に交わすためのパブリックなフォーラムとして機能していたのか」という2点が論争の焦点となりました。

2018年5月、トランプ大統領によるTwitterのブロックは、アメリカ合衆国憲法修正第1条に記されている「連邦議会は、国教を樹立し、若しくは信教上の自由な行為を禁止する法律を制定してはならない。また、言論若しくは出版の自由、又は人民が平穏に集会し、また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない」という内容に違反しているという判決が下されました。つまり、大統領がソーシャルメディアで誰かをブロックするのは違憲だと判断されたわけです。



大統領行政府は「Twitterのブロックを行わなければ、トランプ大統領自身の言論の自由が脅かされる」として控訴を行いましたが、連邦控訴裁判所は、トランプ大統領のアカウントには「相当な広範囲にわたる政府の関与」があると認め、「トランプ大統領のアカウントは連邦政府が運営する公式アカウントである」「Twitterは国民の言論の場となっている」と判断。そして、2019年7月9日付けで下された判決の中で、地方裁判所での判決は適切だったと認定されました。

連邦控訴裁判所の判決はあくまでもトランプ大統領のアカウントに限った判定であり、「ソーシャルメディアでの政府高官の個人アカウントがどこまで今回の判決に拘束されるのか」「ソーシャルメディアのプラットフォームを憲法修正第1条に合わせて見直す必要があるのか」については決定していません。しかし、連邦控訴裁判所は「公的に使用されるソーシャルメディアのアカウントは常に対話のために開かれていなければならず、誰もその対話を妨げられてはならない」と判断しています。

判決文の中で連邦控訴裁判所は「この判決を下すにあたって、憲法修正第1条が意味するものとは、公共の関心事に対する好ましくない発言に対しては黙るのではなくより議論を行うことが最善の対応だということを、我々は訴訟の当事者や公衆に対して伝えるものである」と述べました。

アメリカ司法省の報道官であるケリー・ラコ氏は「裁判所の判決には失望しました」と述べ、上訴を行う構えを見せています。