英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」が、複数タイトル獲得に迫るも「無冠に終わった10クラブ」を選出した【写真:Getty Images】

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主力がカーニバルで帰国したクラブや、不名誉なあだ名を付けられたチームも…

 マンチェスター・シティは現地時間24日のリーグカップ決勝でチェルシーにPK戦の末に勝利し、今季一つ目のタイトルを手にした。

 プレミアリーグでも連覇を狙うシティにとっては、まずは1冠と幸先の良いスタートを切ったが、過去には複数のタイトルに王手をかけたものの、最終的には“無冠”で終わったチームも多数ある。そのなかから、英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」が10チームを選出した。

 まずは1998-99シーズンのフィオレンティーナだ。イタリアの名将ジョバンニ・トラパットーニ氏を監督に迎えたフィオレンティーナは、2月終盤の時点でセリエA首位に立っていた。ところが、開幕13試合で13 得点を記録していた元アルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータが故障に見舞われたうえに、バックアップストライカーでJリーグの東京ヴェルディと浦和レッズなどでもプレーした元ブラジル代表FWエジムンドが、「リオのカーニバルに参加するため」にまさかの無断帰国。結局、その後の11試合でわずか2勝しか挙げられなかったフィオレンティーナは、リーグ3位に終わってしまった。そして、コッパ・イタリアでもホームで迎えた決勝のパルマ戦の第2戦、最後の20分までリードしていたものの失点を喫して2-2の引き分けに。2戦合計3-3となり、アウェーゴールルールで敗れてタイトル獲得とはならなかった。

 続いて紹介された2001-02シーズンのレバークーゼンも悲運のクラブだ。ブンデスリーガ残り3試合で、ドルトムントに勝ち点5差の首位に立っていた。さらにDFBポカールと、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも決勝に進出。しかし、クラウス・トップメラー監督率いるレバークーゼンは、守備の要である元ドイツ代表DFイェンス・ノヴォトニーが負傷離脱してしまう。

 するとリーグ戦、最後の3試合で2敗を喫して、1ポイント差でドルトムントに優勝を譲る。さらにCL決勝(1-2)では、レアル・マドリードの元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンに決勝点を決められて準優勝。DFBポカールでも、シャルケとの決勝を2-4で敗れて“準三冠”に終わり、散々な結果に終わる。立て続けに3つのタイトルを逃したことで、「Neverkusen(ネバークーゼン)」と不名誉な呼び名を付けられてしまった。

マンUの“トレブル”の影で涙を呑んだアーセナル

 3番目は11-12シーズンのバイエルン・ミュンヘン。リーグ開幕7試合で6勝と幸先の良いスタートを切り、MF香川真司らを擁した王者ドルトムントとタイトルレースを繰り広げていた。バイエルンはリーグ首位で2月に突入したが、当時ユルゲン・クロップ監督が率いたドルトムントはリーグ戦28試合連続無敗という記録を残した。バイエルンは最後、勝ち点8差をつけられて2位フィニッシュとなった。そして、同じくドルトムントと対戦したDFBポカール決勝では、香川の開始3分のゴールを皮切りにポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキにもハットトリックを決められて、2-5と大敗。CL決勝でもチェルシーにPK戦の末に敗れて、無冠に終わった。

 そして1998-99シーズンのアーセナルも悲劇的な運命を辿った。同シーズンはサー・アレックス・ファーガソン監督率いるマンチェスター・ユナイテッドがトレブルを飾ったシーズンとして今も語り継がれているが、アーセナルもプレミアリーグとFAカップのタイトル獲得にあと一歩まで迫っていた。FAカップ準決勝でユナイテッドと対戦したアーセナルは、試合終了まで残り16分の場面でユナイテッドの元アイルランド代表MFロイ・キーンが退場になり、数的優位を得た。試合を支配していたアーセナルには多くのチャンスがあったがモノにできず。そのなかには、試合終了1分前に元オランダ代表FWデニス・ベルカンプが失敗したPKもあり、ゴールを奪えなかったアーセナルは敗退を喫した。リーグ戦では残り2試合でユナイテッドに勝ち点2差の首位に立っており、2勝で連覇が決まるはずだった。ところが、第37節のリーズ戦(1-2)でまさかの黒星。最終節は勝利したものの、2勝のユナイテッドに逆転でタイトルを譲ることとなった。

 英誌「フォー・フォー・トゥー」が選出した、複数タイトル獲得に迫るも、無冠に終わった10チームは以下のとおり。

フィオレンティーナ(1998-99):セリエA3位、コッパ・イタリア準優勝
レバークーゼン(2001-02):ブンデスリーガ2位、CL準優勝、DFBポカール準優勝
バイエルン・ミュンヘン(2011-12):ブンデスリーガ2位、CL準優勝、DFBポカール準優勝
アーセナル(1998-99):プレミアリーグ2位、FAカップ準決勝敗退
ユベントス(1991-92):セリエA2位、コッパ・イタリア準優勝
バルセロナ(1999-00):リーガ・エスパニョーラ2位、スーパーカップ準優勝、CL準決勝敗退敗退
ボルドー(2009-10):リーグ・アン6位(前年優勝)、リーグカップ準優勝
ベンフィカ(2012-13):ポルトガル1部リーグ2位、カップ戦準優勝、リーグカップ準決勝敗退、EL準優勝
アヤックス(2016-17):エール・ディビジ2位、EL準優勝
セルティック(2002-03):スコットランド1部2位、カップ戦準々決勝敗退、リーグカップ準優勝(Football ZONE web編集部)