【漢字トリビア】「処」の成り立ち物語
「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「対処する」「処理する」の「処」。「ところ」「おる」という訓読みでも使われる漢字です。

「処」の古い字体(處)は、動物の「虎」という漢字と、「机」という字の右半分にも使われている「キ(几)」という字でできています。
この「几(キ)」は脚つきの腰かけの形を描いた象形文字。
「処」という字はもともと、虎が腰かけに座っている様子を表した漢字なのです。
ただしこれは虎の皮を身に着けた人間が、戦に先立って勝利を祈る儀礼を行うために、腰かけている姿。
「処」とは、いかめしく装って腰かけているところで、そこから「おる」「おく」「すえる」「とどまる」という意味になりました。
さらに「あつかう」「決める」といった意味も派生していったのです。
暑さ極まる時期に訪れる「立秋」。
違和感を覚えたあの日から季節は進んで、今は「処暑」の候。
朝晩の風は思いがけず涼しく、窓をあければ遠く虫の声が聞こえてきます。
「処暑」は今日の漢字「処」に「暑さ」と書きますが、まさに、虎のような激しさで人々を追い立てていた夏が、役割を終えてそこへ腰かけて「とどまる」様子を表しているようです。
太陽の一年の周期をもとに古代中国で作られた暦、二十四節気。
農作業の節目や手順をわかりやすい言葉にして、後世に伝えました。
暑さがとどまったこの時期の風景にふと目をやれば、空にはうろこ雲がたなびき、案山子の影は長く伸びている。
陽が沈む時間も早まって、いつのまにかちかちかと瞬く星。
秋はゆっくりと確実に近づいてきて、私たちの心とからだをゆるめてくれるのです。
ではここで、もう一度「処」という字を感じてみてください。
遊びや勉強、就職活動、旅や趣味の時間、そして仕事。
心頭滅却すれば火もまた涼し、とばかり、「今、此処」に集中して暑さをのりきった日々も、ようやく終わりを告げようとしています。
夏らしいことや、自分を成長させるようなことなど、何ひとつ、できなかったと思うあなた。
厳しい季節を相手にしっかりと善処してきたことで、私たちはもうきっと、昨日とは違うところに立っているはずなのです。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
9月2日の放送では「寂」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
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【▷▷この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く◁◁】 http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7120
聴取期限 2017年9月3日 AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ http://www.tfm.co.jp/timefree_pr/)
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。
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<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/

「処」の古い字体(處)は、動物の「虎」という漢字と、「机」という字の右半分にも使われている「キ(几)」という字でできています。
「処」という字はもともと、虎が腰かけに座っている様子を表した漢字なのです。
ただしこれは虎の皮を身に着けた人間が、戦に先立って勝利を祈る儀礼を行うために、腰かけている姿。
「処」とは、いかめしく装って腰かけているところで、そこから「おる」「おく」「すえる」「とどまる」という意味になりました。
さらに「あつかう」「決める」といった意味も派生していったのです。
暑さ極まる時期に訪れる「立秋」。
違和感を覚えたあの日から季節は進んで、今は「処暑」の候。
朝晩の風は思いがけず涼しく、窓をあければ遠く虫の声が聞こえてきます。
「処暑」は今日の漢字「処」に「暑さ」と書きますが、まさに、虎のような激しさで人々を追い立てていた夏が、役割を終えてそこへ腰かけて「とどまる」様子を表しているようです。
太陽の一年の周期をもとに古代中国で作られた暦、二十四節気。
農作業の節目や手順をわかりやすい言葉にして、後世に伝えました。
暑さがとどまったこの時期の風景にふと目をやれば、空にはうろこ雲がたなびき、案山子の影は長く伸びている。
陽が沈む時間も早まって、いつのまにかちかちかと瞬く星。
秋はゆっくりと確実に近づいてきて、私たちの心とからだをゆるめてくれるのです。
ではここで、もう一度「処」という字を感じてみてください。
遊びや勉強、就職活動、旅や趣味の時間、そして仕事。
心頭滅却すれば火もまた涼し、とばかり、「今、此処」に集中して暑さをのりきった日々も、ようやく終わりを告げようとしています。
夏らしいことや、自分を成長させるようなことなど、何ひとつ、できなかったと思うあなた。
厳しい季節を相手にしっかりと善処してきたことで、私たちはもうきっと、昨日とは違うところに立っているはずなのです。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
9月2日の放送では「寂」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
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聴取期限 2017年9月3日 AM 4:59 まで
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放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/
