秘書の秘め事:秘書=モテる、は本当?秘書的ホスピタリティを駆使した、モテテクの秘密
人は、「秘書」という仕事に、どんなイメージを持つだろうか。
社内を彩る女性らしい花形の職業、腰掛OLのような楽な仕事?もしくは単なる雑用係?それとも......?
女としての細やかな気遣いやホスピタリティが試される、秘書という仕事。そして、秘書たちの視点から見る、表舞台で活躍する男たちの裏側とは...?
丸の内OL「秘書」というオシャレな肩書きに多大な期待を抱き、転職を決意したミドリ。入社当初は先輩秘書の泰子から怒鳴られたり、慣れない秘書生活に戸惑っていたが、上司の村上が心を開き始めると共に、ミドリは秘書としても急激に成長を遂げ始めた。

「秘書」としての意識の高さは、同時に女っぷりも上げる?
「“秘書さん”って、やっぱり、華があってイイよね。しかもミドリちゃんは、あの村上さんの秘書さんだもんね。」
丸の内仲間である「丸の内会」のメンバーは、男女問わず、最近このようなセリフをよく口にする。「秘書」という響きは、外側から見ると、やはり華やかなイメージがあるようだ。
もちろん、他のメンバーたちも、商社やメガバンク、外資系企業などの大企業勤めで、立派な人種である。しかし、ミドリは最近、明らかに周囲から一目置かれるようになった。
というのも、秘書として成長するにつれて、ミドリは女っぷりまで上げてしまったようなのだ。先輩秘書・泰子の影響もあるのかも知れない。
「化粧品は何を使ってるの?その服、どこで買ったの?」
女友達は、洗練化が進むミドリに、口々に質問する。そのセリフは、入社当初、ミドリ自身が泰子に投げていたのと同じ質問だった。
「秘書=綺麗なイメージ」の秘密とは?
「秘書が会社の顔」は、真実である。イイ会社ほど、その秘書はデキる
ミドリは元々、美容やファッションへの興味は強かった。
だが、秘書としての意識が高まると、泰子を真似て、化粧や身だしなみには一層気を付けるようになった。清潔感のある髪型、メイク、口紅やネイルの色に、品の良いスーツ。
もっとも、「秘書は会社の顔だ」なんて言葉はよく聞くが、ミドリは、本当にその通りだと思う。
ミドリの知る限り、クライアント先などの他の企業でも、しっかりとした会社ほど、秘書たちは洗練されている。電話やメール1本にしても、その秘書は、言葉使いも文面も丁寧で美しく、思慮深さに溢れていて、ミドリはいちいち感心するのだ。

また、以前、一般的にポピュラーな“室内履きサンダル”をオフィス内で履いていたときは、村上に唯一苦い顔をされたことがある。
「それ...、あんまり良い絵とは言えないな...。」
社内ではヘラヘラとミドリに甘える村上は、ミドリに対して理不尽に怒ったり、余計な口出しをするようなことは滅多にない。しかし、スーツ姿に締まりのないサンダルを合わせるのは、どうしても気に食わないようだった。
エグゼクティブたちは、「良いモノ」に対する嗅覚が人より鋭い、とミドリは思う。
秘書は、そんな上司たちの眼鏡に適う身だしなみ・立ち振る舞いを、常に崩してはいけない。
たとえ誰も見ていないとしても、秘書たる者は、会社と上司の顔を立てるため、頭から爪の先まで、常に気を抜いてはならぬという事だ。
“秘書らしさ”は、プライベートの男性ウケも抜群?
そんなミドリの所作は、プライベートの変化にも及んだ。
自覚せずにはいられなかったのは、最近明らかに“モテる”ようになったことである。
「ミドリちゃんって、癒し系だよね。控えめで女らしいのに、しっかりしてて、頼りになる感じ。」
このように、最近ミドリは、「癒し系」にカテゴライズされることが多い。ミドリはここ1年程恋人はいないが、食事会にしても、友人たちと飲んでいても、男性からアプローチを受けることが、かなり増えた。
特段に意識している訳ではなかったが、丁寧な立ち振る舞いや、ちょっとした気遣いができるという“秘書らしさ”は、確かに男性ウケが良いのだ。
「癒し系女子」と、「秘書」の結びつきとは...?
男の生態を知り尽くすことが、「癒し」に繋がる

ミドリが「癒し系」と言われる所以は、村上や他のコンサルタントたちの相手をしているうちに、聞き上手、励まし上手になったことも大きいように思われる。
ミドリは、一日中子供のような村上の世話をしている結果、男の生態というものを、否応なく理解するようになってしまった。
自信満々で外で仕事をしている彼らのほとんどが、内心とても臆病で、多くのプレッシャーを抱えていること。人には言えないストレスの吐け口を探し、どれほど憩いの場を求めているか。そして何よりも、彼らは大人の仮面を被った子どもなのだ。
秘書として、そういった彼らの裏事情を知ったことにより、ミドリは男性に対して過度な期待を持たなくなった。そして同時に、ミドリはそんな彼らを「可愛い」とも思ってしまうのだ。
男性にとって、そういったミドリの姿勢は、どうやら「癒し」に繋がるようであった。
仕事と恋愛のバランス。アラサー女子ならば、誰もが一度は持つ悩み
さらには、「村上の秘書」というブランド力が、出世欲に燃える若者や、起業家を惹き寄せることもある。
「ミドリちゃん。僕のことも、厳しく優しく育てて欲しいな。」
「僕もミドリちゃんみたいな人と一緒にいたら、男として成長できる気がする。」
男性の口からこんな甘えたセリフを聞くと、ミドリは複雑な気分になった。
元々ミーハーなミドリは、秘書職が板についてきた自分を誇らしく思うことも多いのだが、「秘書」という肩書が、ミドリ自身を飛び越え、一人歩きしているような感覚に陥るのだ。
それに、仮に今恋人が出来たとしても、そこに秘書スキルを求められてしまったら、ミドリは休日も休むヒマがなくなってしまうではないか。
好いてくれる男性がいることは、もちろん女として、嬉しいに越したことはない。しかし、ここの所、ミドリの恋愛欲はめっきり低い。
「30歳までには必ず結婚する」と、つい最近までは思っていたはずだが、29歳という年齢と転職を境に、その願望は緩やかに減少していた。
―でも...このまま独身でいたい訳でもないし、私、これからどうするんだろう...。
仕事と恋愛のバランス。
アラサー女子が例外なく直面する悩みを持つようになったとき、ミドリの頭に浮かんだのは、美魔女的な美しさを保ちながらも独身を貫く、泰子の顔だった。
次週11月2日水曜更新
43歳・美人秘書泰子が独身である理由が、明らかに...?!
