スマホの写真データをどのストレージサービスに同期するか?
今は、いろいろなサービスがありすぎて頭を悩ませている人も多いだろう。
筆者は、iCloud、Googleフォトを経てFlickrを使い始めた。
そのポイントは
・容量はできれば無制限がいい(あるいは使い切れないほどの大容量)
・写真データの圧縮・リサイズはされないほうがいい
・同期の手間がないほうがいい

の3つ。

Flickrは無料アカウントで1TBまで利用でき、基本、写真データの圧縮・リサイズもない。
Macに、Flickr Uploadrをインストールし、アップロード元としてiPhoneのカメラロールを設定しておけば、MacがiPhoneをマウントした時点で勝手にアップロードしてくれる。

自宅に帰ってMacを起動し、iPhoneを家のWi-Fiに接続する。
それだけで、その日新たに撮影した写真があれば、Flickr Uploadrが勝手にアップロードしてくれるというわけ。
Macを起動するのも、iPhoneを家のWi-Fiに接続するのも日常的に普通にすること。
使うユーザー側は、一切の負担なく、同期することが可能なのだ。これが決め手だった。

しかし、気がつくとある日、ベータ版で提供されていたFlickr Uploadrが正式にProアカウントの機能に組み込まれたのだ。試用期間は猶予はあったが、試用期間を過ぎるとUploadrは使えなくなる。いまのうちに「Proに移行しておきましょう」、という移行を促すメッセージが表示されるようになったのだ。

もちろん、無料アカウントもままでも、通常のWeb経由でのアップロードは可能だ。
しかし、前述のような"快適な写真の同期"に慣れてしまうと、手動でアップロードすることがすごく手間になる。

◎Flickrアカウントの変遷
あきらめきれず、「どういうことなの? Flickr……」という心境でいろいろ調べてみた。
すると、ここ数年Flickrアカウントの種類はいろいろ変遷していたことがわかった。

ソーシャルネットが登場する前、ウェブサービスがAPIでつながりだした頃、写真ストレージサービスとして人気だったのがFlickeだ。
特長は、写真データへタグを付与したこと。そして、著作権に利用に関する細かな設定ができることだ。それによって、API経由でサービスに組み込みやすく、当時、増えていたマッシュアップサービスでよく使われていた。

それがいま世の中はソーシャルネット全盛で、FacebookもTwitterもタイムラインでの写真・動画の扱いに対応してきている。
Instagramなど写真共有サービスとの競合だけでなく、写真ストレージ&共有サービスとしてiCloud、Google+、Amazon Prime Photosと、大手サービスも大容量ストレージをひっさげて参入してきている。

そうした中、Flickrは、2013年に従来の有償アカウントFlickr Proを廃止。
無料ユーザーの利用可能な容量を300MBから1TBに拡大した。
この時点でアカウントの種類は次のとおり。なお、既存のProアカウントの更新は可能だったという。

Free...ストレージ1TB
オリジナル解像度のまま写真と動画をアップロード・ダウンロード可能
Ad Free($49.99/年)...ストレージ1TB
オリジナル解像度のまま写真と動画をアップロード・ダウンロード可能
フォトストリーム中に広告が表示されない
doublr($499.99/年)...ストレージ2TB
オリジナル解像度のまま写真と動画をアップロード・ダウンロード可能
フォトストリーム中に広告が表示されない

それから2年足らずで、2015年7月にProアカウントの受付が復活している。
・ストレージ容量は1TB
・フォトストリーム中に広告は表示されない
・月額$5.99(年額$49.99)
という、ほぼAd Freeと同じサービス内容だ。
そのほか、
・Auto-Uploadr(前述のFlickr Uploadr)機能
・写真の閲覧ログ解析(統計やトラフィック解析など)
も使えたりする。

一般ユーザー向けというよりも、いわゆる法人や上級者など向け、プロ志向になっている感じなのだ。ちなみに、AdobeのCreative Cloud Photography planの利用料20%オフ(最初の1年)がついている。

◎どの写真ストレージがベストの選択なのか?
前回のProアカウント廃止時に改悪とも言われたFlickrだが、今回のProアカウント復活はどう評価されているのだろうか。

2015年7月の復活から半年、あまり大きな批判や悪い評判などが話題とはなっていないことがその結果ともいえる。
といっても、(日本にはカメラ好きが多いのに、もったいないことに)
・サイトも日本語化されていない
・iPhoneの公式アプリも日本からはインストールできない
ということからも、日本で利用されているユーザーは少ないと思われる。

筆者は背に腹は変えられず、この機会にProアカウントに移行した。
Dropboxの写真機能も使ってみたりもしたのだが、人から共有された写真と自分が撮った写真が同じように表示されるのに慣れなかったからだ。

ハードが進化し続け、スマホの写真データが大容量化する中、どのストレージサービスを選択するかは個人の嗜好によるところが大きいだろう。多くの場合、このサービスのここはいいが、他の機能は別のサービスがいい、ということになりがち。

現状、万人に支持されるサービスは。まだ出ていないともいえるだろう。
提供する側も試行錯誤をしているという印象だ。とはいえ、確実にその手のサービスを併用しないという生活はもう考えられない。

FlickrもGoogleフォトも、Amazon Prime Photosも、Dropboxも、iCloudもまだまだ、今後さらに展開していくだろうし、新しいサービスも生まれてくるだろう。

とすると、現状での正解とは、一箇所に集約しないこと、なのかもしれない。


大内孝子