拡大するラップ型投信、3年で残高4倍増となった「のむラップ・ファンド」の魅力
同ファンドは、国内外の株式及び債券に加え、日本を含めた世界のREIT(不動産投資信託)という計5資産に分散投資を行うが、経済情勢や市況見通し等に応じて投資配分比率を定期的に見直すという運用をしている。国内外株式と世界REITへの投資比率が50%以下に制限されている「保守型」、同75%以下の「普通型」、制限のない「積極型」の3つのコースがある。
モーニングスターの朝倉氏は、「資産運用の成否の約9割は投資配分比率で決まると言われています。当ファンドの投資比率配分の決定には、野村證券の専門家からの助言が活用されていますね」と、野村證券の投資助言が安定して高い運用成果につながっているとみている。
実際に同ファンドの運用実績は、2015年9月末までの3カ月間で上海総合指数が29%の急落、日経平均株価も14%下落するなど、非常に厳しい運用環境だった中にあっても、「保守型」は同期間のトータルリターンが2.02%の下落にとどまり、カテゴリー平均を3.22%上回った他、「普通型」、「積極型」がいずれもカテゴリー平均を上回った。
これに対し、野村證券投資顧問事業部の立山氏は、「野村證券は独自に開発したモデルを活用し、資産配分の見直しの助言を野村アセットマネジメントに提供しています。具体的には、毎月の見直しでは、中短期的にみて、相対的に大きく下落した資産については買い増す一方で、大きく上昇した資産については減らします。四半期ごとの見直しでは、各資産の期待リターン、リスク、価格連動性(相関係数)などについて評価を行い、投資配分を決めています」と助言の内容について解説した。
そして、2015年夏の相場下落時の対応については、「7月末の時点で、中短期的にはそれまで大きく値上がりしてきた国内株式などを基本配分比率よりも少な目とするのが妥当との判断を行っていました。一方、長期的には金利の低下により期待されるリターンが低下する国内債券よりも、海外株式、海外債券、世界REITなどのリターンの改善を期待していました」(立山氏)と、相場の下落を先読みした結果がうまくいったわけではなく、全体のポートフォリオを調整することで、結果的にリスク回避ができたと語っている。
実際に、中長期的なパフォーマンスも良好だ。「普通型」の暦年のトータルリターンをみると、2014年までは4年連続でモーニングスターカテゴリー「バランス」の平均を上回っている。また、リスク・リターンの関係でみても、「積極型」は海外REITや海外株式よりもリスクが低くとどまる一方で、リターンではいずれも上回るなど、効率的な運用ができている。
