少年漫画では珍しく、テニスをモチーフにして大ヒットとなった「テニスの王子様」(通称、テニプリ)。続編である「新テニスの王子様」のコミックスも発売され、テニプリ熱が再燃しているファンも多いことだろう。改めてテニプリの魅力に迫ってみたい。

 柿の木坂ジュニアテニストーナメントでは、16歳以下の部に12歳の少年がエントリーしているとの話題で持ちきりだった。噂の主は大会に出場することはなかったが、同会場で行われた草試合で高校生を手玉に取る少年の姿が。彼こそが「越前リョーマ」、アメリカのジュニア大会で連続優勝経験を持つ天才少年である。

 数週間後「青春学園」中等部に入学したリョーマは、持ち前の気の強さから早々に先輩たちに目をつけられる。しかし実力で次々とねじ伏せ、次第に周囲に認められていった。そんな中始まった、大会出場権を争う「校内ランキング戦」。1年生は9月まで参加できないのが通例であったが、リーグ表にはリョーマの名が記されていた。

 この作品がこれほどまでの人気を得たのはキャラクターの魅力によるところが大きい。中でも主人公であるリョーマは、“王子”の名にふさわしい輝きを放っている。

 漫画における王子といえば、長身痩躯で涼やかな顔立ちをしている優しい性格の持ち主が定番だった。ところがリョーマは身長150cm、中学1年生という年齢を考慮に入れても小柄であり、やや性悪な部分もある。それでも王子たりうるのは、市場としては小さいかもしれないが確実に存在するニーズに応えているからだ。

 男性にはピンと来ないかもしれないが、背の低い美少年がツボだという女子は意外と多い。いわゆるショタ属性である。

 女性から支持を得ている漫画やアニメには必ずといっていいほど1人はショタ風のキャラクターがいるものだが、そのほとんどは可愛らしい見た目に可愛らしい中身をつめ込んだひねりのないものでしかなかった。そこに突如現れたクールで生意気なリョーマは、このギャップで女子心を巧みに刺激し、新しい形の王子像を確立。上から目線で歪んだ口元から発せられる『まだまだだね』に、多くの女子がキュンキュンした。

 昨今ではちょっとばかり見栄えがよく一芸に秀でた男子に対し、○○王子と呼称することが当たり前となってしまった。この現象とテニプリを安易に結びつけることはしないが、我らがリョーマはもちろんテニス王子であり、テニスの実力は現実離れした凄まじいものとなっている。

 本来ならば1年生は参加権すらないランキング戦で当然のごとくリョーマは勝ち上がり、都大会への出場権を得る。リョーマを加えた青学テニス部は関東大会、全国大会と駒を進め、ライバル校と激闘に次ぐ激闘がくり広げるのだが、リョーマ個人は公式戦無敗である。さすが王子は格が違った。

 しかし今時、主人公が所属するチームがあっさりと全国優勝してしまうような荒唐無稽な漫画がなぜここまでヒットしたのか。その秘密はまさにその荒唐無稽さ、トンデモテイストにあるのだ。

【関連記事】
【3分でわかる】おおきく振りかぶって
【3分でわかる】バクマン。
【3分でわかる】咲-Saki-
【3分でわかる】とめはねっ!鈴里高校書道部
【3分でわかる】ちはやふる
-ITからセレブ、オタク、事件・事故まで。スルーできないニュース満載-
TechinsightJapan(テックインサイトジャパン)はコチラから!