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 ◇セ・リーグ 阪神6―3巨人(2026年5月24日 東京ドーム)

 阪神は24日の巨人戦(東京ドーム)に6―3で勝利し、今季初の5連勝で12日ぶり首位に返り咲いた。ドラフト1位・立石正広内野手(22)が今季初めて三塁で先発。1―0で迎えた5回2死一塁の第3打席に右翼席へプロ第1号を放った。デビューから5試合連続安打は、2リーグ制以降の阪神新人選手では単独最長。相手のドラ1左腕・竹丸を粉砕した。巨人3連戦はすべてマルチ安打と躍動。計14打数7安打5打点と宿敵をたたきのめし、同一カード3連勝に力強く貢献した。

 両拳をグッと握り、立石は少しだけ笑った。右翼席へ突き刺したプロ1号に鼓動が高鳴る。ベンチで浴びたチームメートからの祝福。三塁守備についた際に聞こえる、虎党からの立石コール。その全てをかみ締めた。

 「プロ野球選手になって初めてのホームラン。これからも忘れないと思います」

 1―0の5回2死一塁。巨人・竹丸の147キロ外角高め直球を鮮やかに仕留めた。阪神の新人打者が巨人戦で初本塁打するのは19年の木浪以来。猛虎のドラ1が、宿敵のドラ1左腕を粉砕した。新人離れしたスイングの速さで打球速度は164・5キロ、逆方向への当たりとは思えない軌道で飛距離118メートルの一撃だった。7回にはドラ2右腕・田和からも中前打を放った。

 「(逆方向は)自分の一つの長所としている部分。良いバッティングだった」

 こだわってきた逆方向への打球で決めたプロ1号。バレー一家で育った「右腕の強さ」が原点にある。母・郁代さんは92年バルセロナ五輪に出場した元バレーボール女子日本代表。物心つく前から、家の中での風船バレーが立石家の「暇つぶし」だった。立石は、いつも右手で風船をたたき落として笑っていたという。プロバレーボール選手で次女の優華さんは、「右手でたたく力が本当に強くて、褒めたらずっとやっていた」と回想する。立石自身も「知らない間に、そこで右腕の強さはついたのかもしれない」と言う。

 ただ、中学時代はその右腕の強さに任せた「手打ち」になりがちだった。体幹の力をうまく連動させるために始めたのが、メディシンボール投げ。初めはボトッと自分の数歩先に落ちていたボールも、朝練のメニューに組み込むと、チームで一番高く飛ぶようになっていた。プロ入りした現在も、試合前練習でメディシンボールを飛ばすのがルーティンの一つ。異業種から得た右腕の強さと、それを野球に生かすために培った強靱(きょうじん)な体幹。それが合わさり、外角球を簡単に右翼席へ運ぶ広角打法が実現した。

 プロ初出場からチームは5連勝。デビュー戦からの5戦連続安打は、2リーグ制以降の球団新人選手では最長記録だ。巨人3連戦はすべてでマルチ安打を放ち、計14打数7安打5打点と宿敵をたたきのめした。「毎日、打てるように頑張ります」。過去3年続けて負け越しているセ・パ交流戦は26日から。森下、佐藤輝、大山に次ぐスラッガーの躍動に期待は膨らむ。(松本 航亮)

【2リーグ制以降虎新人初!デビューから5戦連続安打】

 ○…相手投手の竹丸(巨)も同じ25年のドラフト1位指名。阪神のドラ1新人が相手のドラ1新人投手から本塁打は、23年に森下が9月3日のヤクルト戦で吉村から打って以来。巨人相手では今回が初めて。

 ○…デビューから5試合連続安打は2リーグ制以降の阪神新人選手では単独最長。3試合連続マルチ安打は、23年森下の8月23日中日戦から26日巨人戦までの3試合連続以来。

 ○…ドラフト1位新人の立石(神)が5回にプロ初本塁打。阪神新人選手の本塁打は23年の森下以来3年ぶり。プロ初本塁打が巨人戦で出たのは19年の木浪以来7年ぶり、2リーグ制以降13人目で、このうちカード出場3試合以内は【初戦】58年戸梶、【2試合目】63年辻佳、84年池田、87年八木、【3試合目】80年岡田、01年沖原、26年立石の7人。