画像提供/平岩理緒さん

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 先日「ナタ・デ・ココ」を食べました。ナタ・デ・ココといえば、グミのような不思議な食感が一大ブームを巻き起こしたフィリピン発のスイーツ。『プランタン銀座』で販売されていたものをタレントがTVで紹介したことがきっかけで注目が集まり、マガジンハウスの雑誌『Hanako』の特集からブームに火がついたと言われています。

 と、ここまで読んで「あ〜、アレか!」と思い出した方も多いのでは? 実は私も忘れていたのですが、他にもいろいろなスイーツのブームがあったな〜なんて、ちょっと振り返ってみたくなりました。『Hanako』をはじめとする雑誌や『プランタン銀座』に代表されるデパ地下がスイーツブームの仕掛け人と言われた90年代。一体どんなスイーツが流行していたんでしょう? スイーツの伝道師・平岩理緒さんにお話を伺ってみました!

 まず、スイーツブームの先駆けとして90年代初期に爆発的人気となったのが「ティラミス」。そして、次に注目を浴びたのがフランスの伝統菓子「クレーム・ブリュレ」。その後、ナタ・デ・ココなどの東南アジア系のスイーツが流行し、90年代半ばになると再びイタリア発の「パンナコッタ」がブームに。ティラミスのように定番化したスイーツもあるものの、時代を象徴するスイーツは、その後もフランス・ボルドー地方の伝統的焼き菓子「カヌレ」、「ベルギーワッフル」と次々に移行。

 「ナタ・デ・ココは、ローカロリー寒天系、食物繊維系、ぷるぷる食感スイーツ人気の道を開拓したと思います。また、ベルギーワッフルが流行った頃は、“あなたが今まで食べていたのは実は本物じゃなかった”系の再評価、見直し提案型ブームが起こっており、本場のモノを提唱するお店や“○○専門店”などのメジャー化が始まった時期でもあります」(スイーツの伝道師・平岩理緒さん)

 ベルギーワッフルの後、雑誌発でブームが加速したのがフランス・ブルターニュ地方の伝統菓子「クイニーアマン」。その後、ポルトガルからマカオ〜香港経由で日本に上陸した「エッグタルト」に人気が移り、現在の「ショコラ」、「マカロン」人気に至るんだそう。ん〜、つらつらと書いてみたけれど、思い返せばいろいろありましたよね。でも、ブームになるスイーツって、何か共通点があるんでしょうか?

 「どこかの国の伝統菓子であることがほとんどです。ただ美味しいだけでなく、それにまつわる文化的背景などの付加情報が、価値の1つとなっているんでしょう。また、老若男女問わずに楽しめる、素朴で飽きがこないお菓子だという点も、ヒットの秘訣だと思います」(同)

 ちなみに、ここ数年スイーツを味わう際の意識は、味覚・視覚・嗅覚といった順で働く食感覚に、聴覚・触角(食感)が研ぎ澄まされて加わってきているのだとか。サクサク、カリカリ、パリパリ、とろ〜り、ふわふわ、もっちり、ジュワッといった食感のイメージや、美味しそうな音を表現するキーワードがブームのきっかけになるそう。ん〜、次はどんなスイーツが流行るんでしょうね!?(清川睦子/verb)

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