ついに西武が2位浮上! とにかく勝負強い“23歳のキーマン”は「ビッグチェーン打線」の起爆剤となるか
流れを変える一打
GWが終わってみれば、ゲーム差なしの3位。そして12日からの福岡ソフトバンク戦にも連勝して2位浮上――埼玉西武ライオンズが絶好調で、5月に入って10勝2敗(15日現在)である。もともと投手力は安定していたが、左わき腹の不調で出遅れたネビン(28)が1日のロッテ戦で1軍に復帰すると打線が繋がるようになり、ファン命名による「ビッグチェーン打線」が爆発している(ビッグチェーンは、人気の球団グッズ)。
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「今年のライオンズには“大河”が3人います。昨年のドラフト1位捕手・小島大河(22)はスタメンマスクをかぶる試合もあり、既に本塁打を2本打つ活躍ぶり。投手では今季の活躍が期待される上田大河(24)。そして、なんといっても、今の好調なチームをけん引しているのが、昨年の現役ドラフトでロッテから移籍した内野手・平沢大河(28)でしょう」(スポーツ紙記者)
西口文也監督(53)も「勝負強いバッティングをずっとしてくれているので、本当に頼りになるバッター」と全幅の信頼を置く平沢は、チャンスを作る、あるいは広げる場面で活躍。打率3割5分2厘、11打点、2本塁打(同)。プロ入り11年目にして、チームの勝利に貢献する快打を連発している。

「試合中はファインプレーをしても、あまり笑顔を見せず、感情を表に出さないクールな印象ですが、本人はとにかく練習の鬼。ロッテ時代、ビジター球場での試合の際に、近くのサブグラウンドを借りて、球団スタッフからノックを受けていた姿を思い出します。打撃も上向きになって、地道な独力の積み重ねが、やっと花開いたと思います」(同)
西武といえば、昨年に続き、今シーズンも「打てない」「チャンスで打線がつながらない」ことが指摘されてきたが、内野では日本ハムからFA移籍の石井一成(32)、外野では西川愛也(26)など、調子が上向いてきた選手が出てきており、今後の展開が楽しみになってきた。
そんな中、ファンの間で注目を集めている選手が、外野手の長谷川信哉(23)である。15日の日本ハム戦では途中出場の7回、左中間に2点タイムリーを放って試合を決定づけると共に、チームにとって3年ぶりとなる7連勝を呼び込んだ。長谷川はこれまでも何度か、試合やチームの流れを変える打撃を見せている。
「今季の西武はソフトバンクに強く、12日の勝利で7勝3敗と勝ち越しています。特に12日は先発・渡辺勇太朗(25)が力投し、5回に2点を先制しました。6回3分の2で降板したものの、渡辺は対ソフトバンク5連敗中なので、何としてもこの試合で勝って欲しいと思っていた8回、長谷川のダメ押しともいえるタイムリーが出たのです」(50代のライオンズファン)
チームはもちろん、先発の渡辺にも勝利を呼び込む長谷川の一打に、SNSも大いに盛り上がった。
「チャンスでの好打を称賛するのはもちろんですが、“嬉しい”“良かった”という感想を寄せるファンも多かった。長谷川は京都出身で、お母さんが元舞妓さん。幼いころから礼儀について厳しく育てられたそうで、今年2月の高地・南郷キャンプに後藤高志オーナー(77)が訪れた際、オーナーを待つ間、誰よりも早く帽子をとって待っていた姿が報じられたこともあります。昨年はオンラインカジノ問題など、“やんちゃ”もあった選手ですが、彼の活躍に期待するファンは多いのです」(同)
ヒーローインタビューで…
今季の西武は西川、岸潤一郎(29)、FA加入(ケガで離脱中)の桑原将志(32)に新加入のカナリオ(26)、林安可(28)など、外野手の定位置争いは苛烈だ。昨季は自己最多の132試合に出場。身体能力を生かしたフェンス際での再三のファインプレーでファンを沸かせた長谷川は2020年に育成ドラフト2位で入団、2年後に支配下登録された。
今季は開幕から1軍にいるが、本塁打を打った際、ファンにおなじみの“マーベラス”ポーズで大いに盛り上がったのが5月8日の楽天戦。途中出場の8回に試合を決める3号本塁打を放ち、チームは今季、36試合目にして貯金1となった。この日から西武は負けなしと勢いづくことになる。試合後のヒーローインタビューで長谷川は「自分の置かれた状況も厳しいものがあり、1打席が勝負になってくるので、大切にしている」と語っている。
ところで、長谷川の活躍に声援を送るファンは、ここぞという大事な場面で結果を出すバッティングに魅了されているだけではないようだ。
2025年7月17日、本拠地ベルーナドームでの日本ハム戦。2回1死二塁で打席に立った長谷川がタイムリー2ベースヒットを放ち、チームはこの流れに乗って逆転勝ち。さらに勝率5割復帰につながった。この試合でもチャンスで打ち、チームを勢いづかせた長谷川は試合後、ヒーローインタビューを受けたのだが、
「最初から涙ぐんでいるみたいで、目が赤いんです。感激してもう泣いちゃっているのかな、と思ったのですが……。晴れのお立ち台なのに、神妙な顔をしていて……」(観戦したファン)
それもそのはず。インタビュー終了間際、長谷川は突然、こう語り出した。
〈すいません、えーと、私事なんですけど……先日、愛犬が亡くなってしまって……突然の事故だったんで、僕的にも今日の試合は気合いを入れて戦いました(涙ぐむ。会場から拍手)。10カ月にも満たないうちにこの世から去ってしまって〉
突然の告白に、勝利に歓喜していたスタンドも静かになる。長谷川は犬の名前は「エルモ」であることを明かし、
〈今日1日、ちょっと不安でしたけど、何とか、勝ちを、この世にいないエルモに届けられたのはすごくよかったと思います。改めて、今生きていることにすごく感謝して、これからも生きていきたいなと思います〉
人柄がにじみ出て…
エルモはスポーツ紙の企画記事で昨年2月に紹介されている。チワワとトイプードルのミックスで、24年暮れに入ったペットショップで一目ぼれしてしまい購入。買ったときは600グラムだった体重が1.8キロになったという。記事の中で長谷川は「家族のような存在」とも明かしている。
「ヒーローインタビューでこうしたエピソードを明かした選手は、おそらく長谷川ぐらいではないでしょうか。厳しい勝負の世界に身を置くプロ野球選手ですが、心の癒やしでもあった愛犬の死を悼みながら、前を向いて生きていくという姿に彼の人柄がにじみ出て、好感を抱いたファンが多いのではないでしょうか」(前出・記者)
前出のファンによると、このインタビューをきっかけに長谷川に関心を持ち、応援するようになったファンは多いそうで、今年の活躍に大いに期待しているという。
昨年の契約更改の際、「来年は150安打(昨季は90安打)、20盗塁以上(同9)を目指している」と目標を語った長谷川。ペナントだけでなく、定位置争いでも厳しい戦いが続く今シーズン。とにかく結果を出して、吠えろ! 長谷川。
デイリー新潮編集部
