名古屋駅の懐かしい記憶をたどり、かつてのシンボルや待ち合わせスポットの今を追跡。消えた大時計や“壁画前”、さらに“回るお菓子”の行方を探りながら、街の変遷と人々の思い出に迫ります。



■思い出の大時計




 名古屋駅周辺は、高度経済成長期に百貨店や商業施設が次々と誕生し、名古屋の玄関口として大きく発展してきました。




それからおよそ半世紀。リニア中央新幹線開業に向け、名駅では大規模な再開発が進んでいます。目まぐるしく姿を変える街。しかし、変わらないのは“あの頃の思い出”です。

街の人に聞いてみると。

女性:
「ユニモールができて、会社を休んで行きました」

地下街のユニモールは1970年11月に開業しました。

別の女性:
「初めて名古屋に来たときに、大名古屋ビルヂングの森永の丸いやつが印象的でした」




1962年、大名古屋ビルヂングの屋上に設置された森永の地球儀ネオンは、建物の解体に伴い2007年に撤去されました。

色褪せない思い出の数々。では、あの象徴的な存在は、いまどうなっているのでしょうか。

女性:
「駅の時計を見て、新幹線の時間を気にしていた」
別の女性:
「今でこそ携帯があるけど、当時はあの時計で時間を確認していた」




多くの人が懐かしむのが、1937年に設置された名古屋駅の大時計です。半世紀にわたり駅のシンボルとして親しまれてきましたが、駅舎の建て替えに伴い1993年にその役目を終えました。



■リニア・鉄道館で“再会”




 大時計は、いまもどこかに残っているのでしょうか。調べてみると、名古屋市港区金城ふ頭の「リニア・鉄道館」にあるとの情報が。実際に訪れてみると、展示スペースにそれらしき時計を発見。担当者に聞くと。




担当者:
「名駅の大時計ではありません。旧名古屋駅の大時計を再現したレプリカで、実物の約60%のサイズです」

針や数字の形はもちろん、デザインもほぼ同じのレプリカでした。

担当者:
「思い入れがある方も多いと思いますし、当時を知らない人にも思いを馳せてもらえればと再現しました。本物は一部を当館で保存しています」




今回特別に見せてもらったのは、本物の大時計の文字盤。黒は大理石、赤は御影石という、とても豪華な造りでした。



■名鉄百貨店の“回るお菓子”




 続いての懐かしい記憶です。

女性:
「新幹線口の“壁画前”でよく待ち合わせをした」
別の女性:
「今は銀時計と金時計だけど、当時の待ち合わせは“壁画前”でした」




1964年に設置された新幹線口の巨大モザイク壁画は、当時“壁画前”と呼ばれる定番の待ち合わせスポットでした。しかし、駅の改修に伴い1984年に撤去されました。

さらに、こんな声も。

女性:
「名鉄百貨店の地下に“回るお菓子”があった」
男性:
「メリーゴーランドみたいに回るやつ」




2026年2月に閉館した名鉄百貨店にあったという“回るお菓子”。そのルーツをたどると、名古屋の老舗菓子メーカー「松風屋」に行き着きました。

創業126年の松風屋を訪ねると、当時の写真が残されていました。

担当者:
「当時の会長がフランスを視察したとき、アイスの販売台の周りを客が囲んでいた。これは“台が回転したら”面白いのではと考え、開発しました」




そして、1959年に約100種類のお菓子を並べた“回るお菓子”が名鉄百貨店に登場。最盛期の1980年代には、全国に約200台が設置されていたといいます。

しかし時代の流れとともに減少し、東海3県では2024年に閉店した名鉄百貨店一宮店が最後となりました。

担当者:
「東海3県にはもうありませんが、静岡県浜松市の遠鉄百貨店に残っています」




実際に遠鉄百貨店を訪れると、「スイートプラザ」と呼ばれる“回るお菓子”が今も現役で稼働していました。遠鉄百貨店が開店した1987年からあるといいます。

担当者:
「お客様に支持していただける限り、続けていきたいです」

変わり続ける名古屋駅の街並みの中で、思い出は今も人々の心に残り続けています。

2026年4月28日放送