年金は夫婦2人で「月20万円以上」になる? 4月から年金の“増額改定”と聞いて期待しています。夫婦2人の受給額と年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」の受給要件についても確認

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年金生活の世帯にとって、年金額の改定は日々の暮らしに直結する大きな関心事です。   令和8年度の年金額改定において、増額改定が公表されています。どの程度の増額になるのか気になるところではないでしょうか。本記事では、年金改定の仕組みや今回の増額の内容を解説します。

年金の「額改定」は例年4月、適用は6月支給分から

厚生労働省の「令和8年度の年金額改定について」によると、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)の支給額は毎年度見直され、4月分から適用されますが、実際の支給に反映されるのは6月支給分(4月・5月分)からとなるようです。改定率は物価や賃金の変動だけでなく「マクロ経済スライド」などの仕組みに基づき決定されています。

「モデル年金」も増額に! 「平均月収40万円」ではいくらもらえる?

日本年金機構が示す「モデル年金」は、平均的な収入で40年間就労した会社員と専業主婦・主夫の夫婦世帯を想定しています。
令和8年度のモデル年金額は、平均標準報酬45.5万円の場合、夫婦2人で月額約23万7000円程度とされています。老齢厚生年金の主な部分となる報酬比例部分の計算方法は次のとおりです。
 

報酬比例部分=A+B
A:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×平成15年3月までの加入期間の月数
B:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×(5.481÷1000)×平成15年4月以降の加入期間の月数

モデル年金額をやや下回る、平均月収40万円の会社員が1986年4月に就職し、2026年3月に退職(40年間勤務)した場合の報酬比例部分の試算は、平成15年が2003年のため次のようになります。なお、賞与は考慮しません。
A期間:2003年3月までの17年間(204月)
40万円×0.007125×204月=58万1400円
B期間:2003年4月から2026年3月までの23年間(276月)
40万円×0.005481×276月=60万5102.4円
年間約118万6502円(A+B)で、ひと月あたり約9万8875円になります。ここに国民年金の満額7万608円(2026年度月額)を加えると、月額約16万9000円となります。モデル年金をやや下回る程度の平均標準報酬の場合、1人あたりでは20万円に満たないケースもありそうです。
一方、配偶者が40年間専業主婦・主夫で第3号被保険者だった場合、老齢基礎年金は満額の7万608円を受給できる可能性があります。
つまり、「夫婦2人」の年金を合わせれば、月20万円以上となる可能性も考えられます。

「老齢年金生活者支援給付金」で“月5620円”の上乗せができるケースもある

「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」は、所得が一定以下などの要件を満たした年金受給者に対して支給される上乗せ給付です。
給付には保険料納付済期間や保険料免除期間に応じて算出され、基準額は月額5620円となります。実際の支給額は、保険料納付済期間や前年収入金額などに応じて調整されます。
日本年金機構の「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」によると、受給には、65歳以上で老齢基礎年金を受けていることや、世帯全員が住民税非課税であること、一定の所得基準を満たすことなどの要件があります。

まとめ

年金の増額改定により、平均的な収入があった世帯では、夫婦2人で合わせて月額20万円程度を受給できる可能性があります。ただし、現役時代の収入や加入期間などによって受給額は変動するため、自身の状況に合わせた試算が不可欠となります。
また、所得が低い世帯には、一定の要件を満たすことで老齢年金生活者支援給付金による上乗せも用意されていますが、原則として申請(認定請求)が必要となる点に注意しましょう。物価高騰が続く中、年金額の改定は家計の一助となりますが、将来を見据えた慎重な家計運用を心がけることが大切です。
 

出典

厚生労働省 令和8年度の年金額改定について
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 Q いつの支払いから改定後の年金額が適用されますか。
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー