「車を降りて運転席の窓をノック」あおり運転してきた男性が直立不動で謝罪するまで。実はもう回っていない?パトカーの赤色灯に隠された“進化”
営業職に就いている吉田孝さん(仮名・40代)は、ほぼ毎日、車で営業先を回っている。ある日、2車線の道路で右側を走行しているときに“あおり運転”に遭遇した。
「左車線から白いワンボックスの社用車が猛スピードで走ってきました。路駐している車を避けようとクラクションを鳴らしながら、急に右車線にはみ出してきたんです。そして白い車は、私の少し前を走ることになりました。すると、相手は徐々に減速して、距離が詰まる状況になりました」
カーブに差しかかり、白い車の前方に目を向けたが、とくに混んでいるわけではなく、減速した理由がわからなかった。
吉田さんも左車線に移動しようかと考えながら走行していると、シルバーの車が左車線から追い抜いてきたという。
◆追い抜いていったシルバーの車の正体は…
「白い車は突如スピードを上げて、追い越したシルバーの車を“あおり始めた”んです」
白い車からようやく離れられたと一安心した吉田さん。しばらく走って信号で止まると、予想外の光景を目の当たりにしたという。
「先ほどの白い車とシルバーの車が路肩に止まっていました。シルバーの車を見ると、じつは“覆面パトカー”だったらしく赤色灯がついていました」
2台の車の前後にもパトカーがおり、大ごとになっていたことは明らかだった。
「白い車の後方のドアは開けられていて、荷台の段ボールを警察官が確認しているようでした。何かを調べていたんでしょう。偶然だったんですが、取り締まってもらえてスカッとしました」
自己中心的な運転が思わぬ事故につながってしまうのだ。私たち一人ひとりが交通ルールを守り、周囲に配慮して運転する必要がある。
◆■ パトランプはもう回っていない? 進化した光の正体
エピソード2ではパトカーが集結する騒ぎとなりましたが、近年、その「赤い光」が変わりつつあることにお気づきの方も多いかもしれません。
最新のパトカーの多くはすでにLED化されており、最近では、従来のくるくる回る光り方とは異なる「ホタル発光」と呼ばれるパターンが導入されています。
※記事公開当初、「赤色灯に物理的な回転パーツは入っていない」旨の記述がありましたが、正しくは、最新のパトカーでは、パトロール時の「ホタル発光」などの際に回転を止めて明滅させる制御が導入されているタイプもあり、緊急時には従来どおり回転させるモードを用いる車両もあります。記述を修正し、関係者ならびに読者の皆様に謹んでお詫びいたします。(2026年5月12日15時 日刊SPA!編集部)
◆緊急時とパトロールでは違うパトランプ
緊急走行時は周囲に危機を知らせるために、おおむね「0.5秒周期」前後の速いピッチで激しく光ります。しかし、通常のパトロール時や停車中には、ホタルの光のように「2秒周期」でぼんやりと緩やかに発光するモードに切り替えているのです。
◆パトカーの「赤色灯」に隠された、意外な優しさ
なぜ、わざわざ光り方を変えるのか。そこには、サイレンの音が聞こえにくい聴覚に障害のある方が、視覚的な違いだけで緊急走行中かどうかを瞬時に判別できるようにと、夜間のパトロールが頻繁に行われる住宅街の住民への配慮(光の刺激の軽減)があります。
住宅街を静かに見守る「ホタル発光」のように、本来、交通社会は互いへの配慮で成り立つものです。自分勝手な怒りで人生を台無しにしないためにも、常に冷静さを保ち、安全な車間距離を心がけたいものです。
<取材・文/chimi86 再構成/日刊SPA!編集部>
(出典:「令和7年版 警察白書・交通統計」ほか警察庁の統計より)
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

