『プラダを着た悪魔2』©2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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 『プラダを着た悪魔2』がサマーシーズンの開幕を告げた。5月1日~3日の北米映画興行収入は7700万ドルで、週末ランキングのNo.1を獲得。海外市場では1億5660万ドルを稼ぎ出し、全世界オープニング興行収入は2億3360万ドルに達した。

参考:『プラダを着た悪魔2』裏主人公はエミリー “ヒット作の続編はつまらない”を覆す快作に

 これは『Michael/マイケル』の世界初動成績を早くも上回り、2026年のハリウッド映画としては『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』に次ぐスタートダッシュ。スーパーヒーロー映画のような男性観客主導の大作でなく、女性観客中心の“お仕事映画”が、サマーシーズンの幕開けにふさわしいスマッシュヒットとなったことは快挙だ。

 もともとディズニーは、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(12月18日公開)をこの週末に公開する予定だったが、製作スケジュールのため延期を決定し、空いた枠に『プラダを着た悪魔2』を移動させていた。これが奏功し、北米興行において稀有な例を打ち立てたことになる。

 本作は『プラダを着た悪魔』(2006年)の20年ぶりとなる続編で、メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチが再び集結。監督のデヴィッド・フランケル、脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナも続投した。製作費は1億ドルだから、すでに興行としての成功は確実だ。

 前作の北米初動成績2753万ドル(3日間)を、本作は公開初日だけで突破。世界興収も、前作累計3億2658万ドルの約7割に早くも到達した。観客層は女性が76%、年代別では25~34歳が最多。Z世代&ミレニアル世代が中心となっているあたり、ソフトや配信を通じてあらゆる世代に観られてきた『プラダを着た悪魔』の強さがうかがえる。

 海外市場は、作中にも登場するイタリアが最大のヒット市場となり、ハリウッド映画として歴代4位の好発進。日本でも好調なスタートを切り、公開初日だけで動員27万494人、興行収入3億5632万円と、『トップガン マーヴェリック』(2022年)を上回る記録を樹立した。ランキングでは『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』に次いで第2位ながら、3日間の興行収入は9億8827万円というスタートとなっている。

 Rotten Tomatoesでは批評家スコア78%・観客スコア87%、映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「A-」といずれも高評価。続編・フランチャイズ作品は2週目の急落もありうるだけに、今後は口コミ効果でどこまで数字を伸ばせるかがカギとなる。

 また、前週トップのマイケル・ジャクソン伝記映画『Michael/マイケル』は、首位を譲って第2位にランクイン。もっとも週末興収は5400万ドル、前週比マイナス44.4%と堅実な興行を続けている。初週に9720万ドルという今年屈指の成績を記録しながら、その勢いをほとんど落とさず、土曜日の興収は『プラダを着た悪魔2』にも迫る数字となった。北米興収は1億8380万ドル、世界興収は4億2392万ドル。

 そのほか今週の注目作は、第5位にランクインしたNEON配給の新作ホラー映画『Hokum(原題)』。製作費500万ドルに対し、北米1885館で週末興収640万ドルと滑り出しは上々だ。

 『セヴェランス』のアダム・スコット主演による本作は、両親の遺灰を撒くためアイルランドの宿を訪れた作家が、不穏な幻影や失踪事件を通じて過去の闇と向き合う物語。監督・脚本は『視える』(2024年)のダミアン・マッカーシーが務めた。

 Rotten Tomatoesでは批評家86%・観客84%、CinemaScoreは「B」と、賛否分かれがちなホラージャンルとしてはかなりの高水準。『ロングレッグス』や『トゥギャザー』など、NEONは優れたホラー作品を相次いで送り出す配給会社となりつつある。

 第6位は、ジョージ・オーウェルのディストピア小説『動物農場』をアンディ・サーキス監督がアニメーション映画化した『Animal Farm(原題)』。話題性の高い企画だったが、北米2600館に対し週末興収は340万ドル。Rotten Tomatoesでは批評家スコア24%、CinemaScoreも「C-」評価と、興行・評価の両方でかなり厳しい結果となった。

 第8位には、『ディープ・ブルー』(1999年)のレニー・ハーリン監督が久々のサメ映画に挑んだ『Deep Water(原題)』がランクイン。北米1675館で週末興収は215万ドルという結果だが、Rotten Tomatoesでは批評家76%・観客79%と評価は高い。出演はアーロン・エッカート&ベン・キングズレー、プロデューサーにKISSのジーン・シモンズも名を連ねた。

 北米市場全体の週末興収は推定1億7400万ドルで、前年比およそ20%増。『プラダを着た悪魔2』の大ヒットだけでなく、『Michael/マイケル』の勢いと、春から続く『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』と『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の人気が観客を映画館に集めている。話題作揃いのサマーシーズン、まずは幸先のいい発進だ。

【北米映画興行ランキング(5月1日~5月3日)】1.『プラダを着た悪魔2』(初登場)7700万ドル/4150館/累計7700万ドル/1週/ディズニー

2.『Michael/マイケル』(↓前週1位)5400万ドル(-44.4%)/3955館/累計1億8380万ドル/2週/ライオンズゲート

3.『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』(↓前週2位)1210万ドル(-41.2%)/3419館(-313館)/累計4億267万ドル/5週/ユニバーサル

4.『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(↓前週3位)855万ドル(-33.4%)/3017館(-493館)/累計3億1834万ドル/7週/Amazon・MGM

5.『Hokum(原題)』(初登場)641万ドル/1885館/累計641万ドル/1週/NEON

6.『Animal Farm(原題)』(初登場)340万ドル/2600館/累計340万ドル/1週/Angel

7.『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』(↓前週4位)223万ドル(-59.5%)/2083館(-1221館)/累計2744万ドル/3週/ワーナー

8.『Deep Water(原題)』(初登場)215万ドル/1675館/累計215万ドル/1週/Magenta Light Studios

9.『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』(初登場)100万ドル/837館/累計100万ドル/1週/ソニー

10.『The Drama(原題)』(↓前週5位)90万ドル(-64.7%)/857館(-1125館)/累計4694万ドル/5週/A24

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2026年5月4日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

【参照】https://www.boxofficemojo.com/weekend/2026W17/https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/box-office-devil-wears-prada-2-opening-1236582365/https://variety.com/2026/film/box-office/devil-wears-prada-2-box-office-opening-weekend-michael-1236732410/https://deadline.com/2026/05/box-office-devil-wears-prada-2-michael-1236877817/https://deadline.com/2026/05/box-office-global-devil-wears-prada-2-michael-1236878987/https://deadline.com/2026/05/indie-film-box-office-hokum-neon-horror-starring-adam-scott-1236879393/

(文=稲垣貴俊)