黒木華&南沙良、有村架純の“共犯者”に 3人の運命が交錯『マジカル・シークレット・ツアー』
【画像】記事内で紹介している場面写真
本作は、2017年に中部国際空港で主婦たちが、金の密輸で逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナルストーリー。二児の母、大学の研究者、そして妊婦――それぞれ事情を抱えた3人の女性が偶然出会い、違法な仕事を通じて絆を深めていく姿を描く。
公開された場面写真では、推しグッズを身にまといシンガポールの街を移動する姿や、ラフな部屋着姿でコンビニ弁当を頬張りながらスマホで推しの動画を見つめる姿も切り取られている。一方で、若手研究者として表彰される後輩の椎名(青木柚)を見つめる複雑な表情も印象的で、理知的な外面と“限界オタク”な素顔のギャップを黒木が絶妙に体現している。
清恵のキャラクターは、本作の監督・脚本(共同脚本:熊谷まどか)を手がける天野千尋が、大学の研究室でアルバイトをしていた経験から生まれたという。「研究者は非正規雇用で任期付きのポストが多く、皆さん“成果を出さないと解雇される”という焦燥感を抱えながら研究していて、研究者の世界がとてもシビアだと知りました。社会の中で地位があってエリートに見えても、生きづらさを抱えているキャラクターを描きたいと思い、清恵が生まれました」とコメントしている。
さらに、黒木の起用については、「これまでさまざまな役柄を器用に、かつリアリティをもって演じてこられたので、観客が自然と共感できる形に成立させてくれるはず、と考えました。黒木さんご自身がとても観察力が鋭い方なので、その要素を清恵にも盛り込みたいと相談したら、すぐに採り入れて下さいました」と絶賛。大阪出身の黒木が関西弁のせりふをよりナチュラルにアレンジするなど、細部までこだわった役作りも見どころだ。
シンガポールで和歌子(有村)と、清恵(黒木)と出会うのが、貯金ゼロ、未婚で妊婦のキャバ嬢・麻由(南)。男を家に連れ込むだらしない母(篠原ゆき子)に代わって妹(早瀬憩)の面倒を見ているが、大事に貯めていたへそくりも母親に使い込まれ、貧困の連鎖から抜け出せない。そんな中、自身の妊娠が発覚、妹の修学旅行代も払えない状況から、追い込まれるように闇バイトへと足を踏み入れる。
天野監督は南について、「麻由は思ったことをすぐ口に出すような人物で、彼女に抱いていたイメージとは異なりましたが、ご本人にお会いしたら南さんの思い切りのよさが伝わってきて、“この人が演じる麻由を見てみたい”と思ったんです」と語り、リハーサルでは「『もうちょっとヘラヘラしてみてもらえませんか』とわかりにくいお願いをしたにもかかわらず、一瞬で反映してくださって、さすがだなと思いました」と、南の瞬発力に信頼を寄せた。
公開された場面写真では、シンガポールの橋の上で麻由が大きなお腹を抱え不安げに佇む姿と、ネオンきらめく店内でキャバ嬢として完璧な笑顔を見せる姿という対照的な表情が映し出されており、その内面に抱える葛藤を感じさせる。
借金、貧困、孤独――それぞれの事情を抱えた3人の女性が、違法な選択をきっかけに結びつき、やがて絆を深めていく。魔法のような半年間の先に待つ未来とは――。現代社会のリアルを映し出す注目作だ。