父親が元プロスカウトの九州国際大付・楠城監督(C)日刊ゲンダイ

写真拡大

 浜の真砂は尽きるとも、高校野球の不祥事は絶えまじ--。

【もっと読む】楠城監督が日刊ゲンダイに明かした「不祥事」への言い分

 週刊文春が報じた、今春センバツ16強の九州国際大付(福岡)の部内暴力。同級生の3年生選手に顔をスパイクで蹴られた被害者は、学校法人九州国際大学と野球部の楠城祐介監督を提訴。被害者は学校側と監督が適切な対応を取らず、転校を余儀なくされたとし、2200万円の損害賠償を求めている。すでに訴状は受理されたという。

 さらに今年2月、女子生徒のわいせつ動画を部内で拡散した日大三(東京)は、日本学生野球協会の審査室会議で、5月9日までの対外試合禁止処分が決定。こちらは男子部員2人が書類送検されている。

 昨年は広陵(広島)でも寮内で暴力を伴ういじめが発覚したように、高校野球界の不祥事は日常茶飯事だ。

 そんな高校野球をプロ側はどう見ているのか。九州国際大付の加害者はプロ注目選手と言われているが、ドラフトで指名はあるのか。

 あるセ球団のスカウトは「そもそもプロ志望届を提出するとも思えないが」と、こう話す。

「出したところで指名はゼロでしょう。今はどの球団も、選手には社会人としての常識を強く求めている。社会貢献活動を行い、負けた試合でも腐らずにファンサービスをしてお客さんを喜ばせることが大事。プロはあくまでビジネスですからね。その意味では、『野球が上手ければそれでいい』が通用するのは、実はアマチュアだけ。『ヤンチャな性格だからプロ向き』なんて言われていたのは、もはや過去の話です。それを理解していない高校野球の指導者がまだまだ多い」

 令和の今でさえ、昭和の時代さながらに朝から晩まで部員を野球漬けにし、野球バカを量産している指導者が多いのも事実。プロ側はそんな彼らに辟易しているのだ。

 パ球団のスカウトも言う。

「いまだに高校野球の監督から、『この選手は勉強が嫌いだからプロに行かせてくれ』と言われることがある。近年はコンプライアンスが厳しくなり、2023年に発覚した元楽天・安楽のいじめ問題で、より厳格になった。あの一件以降、12球団はそれまで以上にドラフト候補の素行を調査し、獲得後の新人教育にも、より力を入れるようになった。それでも素行が怪しい選手がいれば、即クビです。10年20年に1人というドラフト候補でも、素行が悪ければフロントがゴーサインを出さないし、現場のスカウトにも、『この選手は能力が高いけど、素行面で問題あり』など、性格面も含めた報告が求められる時代です」

 日大三にも今秋のドラフト候補と言われる選手がいるが、「彼が動画拡散に関わっているかどうか次第。無関係なら指名はあるでしょう。プロ志望届を出せば、の話ですが」とは前出のセ・スカウトだ。

 一度でもやらかした選手のプロ入りは、永久に無理なのか。

「高卒プロの道が絶たれても大学や社会人を経由し、本当に更生したことがわかれば、可能性はゼロではない。もっとも、そうした選手を指名すると、『なんでアイツを獲得したんだ』と球団に苦情が殺到する。球団のイメージを損なうリスクと天秤にかけると、よほど突出したものがなければ指名は難しい。これが昭和の時代ならば、『行き場のないワルを救ってやろう』と指名に踏み切る球団もありましたが……」(前出のパ・スカウト)

 品行方正に……とまではいかないが、ヤンチャというだけで敬遠される時代なのだ。

  ◇  ◇  ◇

 センバツの大会期間中、日刊ゲンダイは楠城監督に問題選手の素行についても直撃していた。その際、楠城監督からはどんな言葉が飛び出したのか。──「教師に注意されたことに逆ギレし、暴力を振るった」とのことですが、本当ですか? という質問に対する返答とは。●関連記事 【もっと読む】楠城監督が日刊ゲンダイに明かした「不祥事」への言い分 では、それらについて詳しく報じている。