営業からバックオフィスへの転身は逃げ? 未経験での転職を成功させる「中間地点」の法則
「プレッシャーで体調を崩し、もう数字を追う営業には戻りたくない」
「バックオフィスへ転職したいけれど、面接に行くと結局営業職を打診されてしまう」
10年近いキャリアを築き、マネージャーとして責任ある立場を全うしながらも、過度なプレッシャーから心身ともに限界を迎えてしまった相談者。これまでの働き方に戻る不安を抱える、30代女性からの切実な相談です。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
相談内容
社会人になり10年近く営業のキャリアを築いてきて、役職者になるなどプレイヤーからマネージャーの経験もしましたが、先日あるきっかけでプレッシャーに追いやられ、体調を崩してしまい今後のキャリアを変えていくべきかなと考えています。 最近体調が回復してきたため営業からバックオフィスへとキャリアチェンジで転職活動をしているのですが、未経験の求人も少なく、面接で進んでも営業を打診されてしまいキャリアチェンジは叶わないのかと不安になっています。
プレッシャーに追いやられることが続くのが嫌なのであれば、キャリアチェンジが良い手段なのか、坂井さんからのアドバイスがあればいただきたいです。
バックオフィスには、別のプレッシャーがある
まず直視すべきは、「バックオフィスならプレッシャーがない」という誤解です。坂井さんは、職種を変えてもストレスの種類が変わるだけだと指摘します。
経理:決算期の極めてタイトな締め切りプレッシャー
人事:採用目標のプレッシャーや、デリケートな労務トラブルへの対応
法務:事業部からの膨大な契約書処理や、期限ギリギリの法務判断
営業から未経験のバックオフィスへ移ると「慣れない仕事へのストレス」が加算され、期待していた解放感とは別の苦しさが生まれる可能性もあります。
「急転換」ではなく「中間地点」を狙う
戦略10年の営業経験がある人を、企業がバックオフィスの未経験者として採用するのは、戦力面で違和感を持たれやすいのが現実です。
そこで坂井さんが提案するのは、営業とバックオフィスの中間にある職種を狙う戦略です。
例えば、営業部門の人事であるHRBP(Human Resource Business Partner)の場合、営業現場の痛みがわかる人事として、組織作りや仕組み作りに携わることができます。
また、営業企画はプレイヤーではなく、営業の知識を活かしながら営業組織をバックアップします。
「営業がわかる人事」といった掛け算のキャリアなら、これまでの10年が無駄にならず、企業にとっても希少価値の高い人材として映ります。
「何から逃げたいか」より「何をしたいか」
面接で営業を打診されてしまうのは、語り口が「今の辛さからの逃げ」と受け取られているからかもしれません。
「プレッシャーが嫌だから」ではなく、「個人の成果だけでなく、組織が成果を上げるための仕組み作りに挑戦したい」と語ることで、相手の納得感は劇的に変わります。また、自分が苦労した経験を、「だからこそ支援側に回りたい」という強い動機に変えて伝えることが大切です。
まとめ
✅バックオフィスにも独自のプレッシャーがあることを理解する
✅営業からの急転換ではなく、HRBPなどの「中間領域」も視野に入れる
✅「逃げ」ではなく「何をしたいか」という攻めの姿勢で、自分の経験を再定義する
坂井さんは最後に、営業経験を捨ててゼロになるのではなく、その経験を「武器」として使える環境へスライドすることが、自信を持って働き続けるための近道だと締めくくりました。
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太Podcastでもっと詳しく聴く
📻5分で整うキャリア思考(ごふキャリ)
お悩みは随時募集中
🤲お悩み募集フォーム
