「日常でやりがちな行為」が大事故に…スマホ充電の“知らなきゃマズい”注意点とは?《モバイルバッテリー火災》
〈“発火事故”相次ぐモバイルバッテリー…使用中に決して“見落としてはいけない”4つのこと〉から続く
スマートフォンユーザーなら、誰もが一つは持っているモバイルバッテリー。しかし、連日のように発火事故が報じられると、「本当に安全なのだろうか」と不安になるものです。
【画像】「絶対に選んではいけない」製品は…この記事の写真を全て見る
#1では安全性の高いモバイルバッテリーの見極め方、#2では火災事故を防ぐための使い方を紹介。最後に、事故が起きやすい危険な“場所”や、適切な処分方法について解説します。(全3回の3回目/初めから読む)

写真はイメージ ©AFLO
◆◆◆
飛行機への持ち込み制限が厳格化
2025年からは新幹線の車内放送でも、「モバイルバッテリーを座席上の収納棚に置かないでください」という注意喚起が流れています。棚の荷物の中で充電したまま放置すると、異常に気づくのが遅れ、大事故につながる恐れがあるためです。
さらに2026年4月中旬からは国際民間航空機関(ICAO)の指針に基づき、飛行機内への持ち込み規制が厳しくなります。従来の「預け荷物不可」に加え、以下のようなルールが適用される見込みです(変更の可能性あり)。
〈・機内持ち込みは合計2個まで(合計容量160Wh/3.7V換算で約43,243mAh以下)
・機内でのモバイルバッテリーへの充電禁止
・航空機内においてモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないこと〉
国際線で仕事をしたい方は、バッテリー駆動のみで作業する必要がありそうです。LCCなどで個人のスマホを使ってエンタメを楽しむ場合も、モバイルバッテリーによる給電はできません。国内線でも同様の制限がかかるため、搭乗前にしっかり充電しておく必要があります。
なお、座席備え付けのコンセントやUSBポートからの充電については、各航空会社の判断に委ねられる見込みです。利用条件は事前に各社ホームページで確認しましょう。
また、自動車での車内放置も厳禁です。直射日光下では高温になり、電池内部の溶剤が揮発して爆発を招きます。
日常でやりがちな“危険行為”
日常でやりがちな「枕元での充電」も危険です。就寝中にモバイルバッテリーに布団がかぶってしまうと、放熱ができずに異常加熱や発火の原因になり、発見の遅れで大事故になりかねません。就寝時のスマートフォンの充電には、できるだけUSB ACアダプタを使い、布団の中ではなくサイドテーブルなどで充電するようにしてください。
適切な処分方法は?
自治体のゴミ回収車や処理場での火災事故が多発しています。リチウムイオン電池を「普通ゴミ」として捨てることは、絶対にしてはいけません。モバイルバッテリーのほか、小型家電に組み込まれた電池は分別が忘れられがちで、ハンディファンや電動シェーバーなどがそのまま捨てられてしまうケースが後を絶ちません。
NITE(ナイト:製品評価技術基盤機構)は、インターネット等から収集した情報から、ごみに混入したリチウムイオン電池の発火などによる被害額は、2018年度から2021年度で約111億円にも達すると発表しました。2019年には福井県の清掃センターで大規模火災が起き、再稼働までに10か月、被害額は約5億円に。ちなみに、こうした自治体が運営する施設の復旧費用は、主に住民の税金(地方税)から賄われます。
自分たちの負担を増やさないためにも、そして現場で働く方々の安全のためにも、電池内蔵製品は必ず適切な方法で廃棄してください。
安全かつ確実に廃棄するためには…
スマホを充電できなくなったモバイルバッテリーや、稼働時間が短くなったコードレス掃除機、使わないハンディファンなど、捨てるに捨てられないリチウムイオン電池を内蔵した製品が、家にいくつもあるのではないでしょうか?
自治体によっては回収日を設けているところもありますが、場合によっては役所や処理センターまで持参しなければならないなど、廃棄に関しては自治体によってかなり違いがあるようです。
筆者が最もオススメするのは、家電量販店などに設置されている「小型充電式電池リサイクルBOX」の利用です。ビックカメラ、ケーズデンキ、ノジマ、ヤマダデンキ、エディオンなどの大手量販店やホームセンターの入口、レジ横に設置されている「黄色のボックス」です。
このボックスは、JBRCという団体が運営しており、会員企業(国内の主要メーカーや代理店)の製品であれば回収可能です。量販店で購入したものであれば、ほぼ対象となります。設置場所はJBRCのホームページから検索できます。
廃棄の際は、以下の4点を行ってください。
〈・残量を使い切る(異常がある場合は除く)
・金属端子部をガムテープなどで絶縁する
・種類ごとに分別する(Li-ion、Ni-Cdなどのマークを確認)
・破損・膨張がないか確認する(損傷があるものは投入せず、店員や自治体へ個別に相談する)〉
リチウムイオン電池は、軽量かつ大容量、パワーもあるので非常に便利です。しかし使い方を誤ると、発火や爆発を招く危険物になります。ここ数年で少し安全性が高い「半固体リチウムイオン電池」を使った製品が発売されはじめましたが、乾電池ほど安全ではありません。しかしあと数年もすると「全固体電池」が登場し、乾電池並みに安全な製品に切り替わるでしょう。
それまでは、本記事でご紹介した発火や爆発の予兆を見極めて、安全に利用して、正しい方法で廃棄してください。
(藤山 哲人)
