きょう(31日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比822円安の5万1063円と大幅安で4日続落。相変わらずニュースフローに振り回され、上下に揺れまくる地合いに投資家がついて行くのも容易ではない。ほとんど前方のレールが見えない暗闇のジェットコースター相場が続いている。きょうは、朝方取引開始前の日経225先物の動向をみればゲンナリするよりなかったが、実際日経平均は500円安でスタートした後も漸次水準を切り下げ、一時1300円以上も下落する場面があった。しかし、取引開始後30分少々経過したところで、突然先物が噴き上げ、日経平均もそれに追随する動きとなった。きょうの波乱相場に懸けてショートポジションをとっていた向きは慌てたはずである。

 これはトランプ米大統領が「ホルムズ海峡が閉鎖された状態のままでも戦争を終結させる準備がある」と述べたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことがきっかけ。このニュースフローでおそらくAIのヘッドライントレードが縦横無尽に走ったことは想像がつく。原油先物価格の下落と米株価指数先物の急上昇で、東京市場も当然このリスクオンに追随する格好となった。しかし、原油市況はすぐに下げ渋りリスク選好ムードが後退。米国がベネズエラ攻撃の二匹目のドジョウを期待してイランを攻め、その結果ホルムズ海峡の事実上封鎖をもたらしたにもかかわらず、これを放置したままで撤退すれば、「米国の威信失墜を意味する」(ネット証券アナリスト)という見方も出ていた。また、ホルムズ海峡の封鎖を放置ということになれば、困るのは日本や韓国などアジア諸国であり、これが米株先物は上昇を維持しているにもかかわらず、日経平均が再び下値模索の動きに変わった背景であったようにも思われる。

 今が買い場となっている銘柄はあるはずだが、その判断材料が難しい。原油市況高騰によるコスト上昇が企業業績に与える影響も未知数であり、ファンダメンタルズからのアプローチで好実態株の拾い場を探すのは、足もとをすくわれる可能性も否定できない。したがって、個別株物色はおのずと高市トレードの延長でテーマ物色の流れをうまく捉えるよりないところだ。

 ただ、AIや半導体、データセンター、レアアース、防衛といったこれまでの花形テーマの中から銘柄を抽出するのは、今は難しい時間軸にあるともいえる。既に相場に発展した実績のある銘柄、言い換えれば一回花を咲かせた銘柄群は、早い段階では押し目買い対象としても有力視され、それだけ買いを呑み込んだ状態で二度咲きを待っている。だが、足もとの下げ相場は中東有事がトリガーを引いたことは確かであるが、本質としてクローズアップされるべきは株式需給悪による部分である。個別株も大量の買いを呑み込んでズルズルと株価を下げてきている銘柄に関して、ホルダーの気持ちとしては貪欲に利を追求し続けるよりも「早く含み損を解消して、次のアクションを起こしたい」ということになる。つまり、長期スタンスで戻り相場を堪能するという理想が掻き消され、上値が重くなればなるほど戻り売りで逃げたいという思惑に囚われるようになる。したがって、こうした銘柄群に資金を投下するのであれば、投げ売りが出た後というのがセオリーである。

 新規に投資する側としては、今の時間軸でわざわざ過去に人気化してシコリ玉をつくっている銘柄に資金を振り向けるよりは、できるだけ新しいテーマで買い対象を探す方が良い。例えば、新鮮味のあるテーマとして機能しているのが「避難シェルター」関連である。物騒な話ではあるが、世界的な地政学リスクへの備えが社会的に意識され、それが政策的な後押しで実装されるとなれば、株式市場において投資マネーを誘引するに十分なインパクトがある。今月下旬、「政府は2030年までにミサイル攻撃に備える避難シェルターをすべての市区町村において人口カバー率100%を目指す方針」と報じられた。その避難シェルターが必要とされる状況が訪れることに今は現実味が湧かなくても、巨大な消火器というコンセプトで考えれば、その必要性は否定されようがない。