中国の商業宇宙企業CAS Space(中科宇航)は日本時間2026年3月30日20時、酒泉衛星発射センターから新型ロケット「Kinetica 2(力箭2号)」を打ち上げ、初飛行を成功裏に終えたと発表しました。搭載されていた試験宇宙船や技術実証衛星など3機のペイロードは、いずれも所定の軌道へ投入されたと報じられています。


打ち上げに関する情報は以下の通りです。


打ち上げ情報:Kinetica 2(初飛行)

・ロケット:Kinetica 2(力箭2号)
・打ち上げ日時:日本時間 2026年3月30日 20時00分
・発射場:酒泉衛星発射センター 東風商業航天創新試験区(中国)
・ペイロード:新征程02(軽舟貨物船初期試験機)、新征程01、天視01(TS-01)


Kinetica 2は、CAS Spaceが新たに開発した中型の液体燃料ロケットです。同社はこれまで固体ロケット「Kinetica 1(力箭1号)」で打ち上げ実績を重ねてきましたが、Kinetica 2は液体燃料としてケロシンと液体酸素を採用した初の機体となります。


ロケットは全長53m、コア機体の直径は3.35mで、CAS Spaceによると中国の商業ロケットとして初の「CBC(Common Booster Core)」方式を採用しています。これは、コア機体と同型のブースターを束ねる構成で、今回の初飛行ではコア機体に2本のブースターを組み合わせた状態で飛行しました。打ち上げ時の総重量は625トン、推力は約753トンフォースで、高度500kmの太陽同期軌道に8トン、高度200kmの低軌道に12トンの打ち上げ能力を持つとされています。


将来的には、ブースターなしの構成から4本のブースターを追加した構成まで柔軟に展開でき、低軌道への打ち上げ能力は2トンから20トンの範囲をカバーする計画です。CAS Spaceは、ブースターを束ねた状態で一体的に回収する構想も示しており、年内には高度100km級の回収試験を実施する予定だとしています。


今回のペイロードのひとつである「新征程02」は、中国科学院微小衛星創新研究院が開発した試験宇宙船「白象号」で、質量は約4.2トン。将来の低コスト補給機「軽舟(Qingzhou)」につながる初期段階の試験宇宙船とされ、3年間の軌道上運用を想定しているといいます。中国の商業打ち上げ企業が、宇宙ステーション向け補給技術に関わる実証を担う事例としても注目されます。


もう1機の「新征程01」は、中科衛星科技集団が開発した技術実証衛星です。窓を備えた小型の宇宙実験室として、複数の軌道上実験を行うとされています。3機目として「天視01(TS-01)」も搭載されました。


SpaceNewsによると、CAS Spaceは2026年中にさらに3回のKinetica 2の打ち上げを計画しており、衛星インターネット向けメガコンステレーションの打ち上げなども予定しているとのことです。


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【▲ 初飛行に成功した「Kinetica 2」ロケット(Credit: CAS Space)】

 


文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部


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