逆転劇の呼び水となった快投 侍打線を翻弄したベネズエラ左腕に海外メディアも脚光「日本を絶妙に調理した。大谷翔平も戸惑った」【WBC】

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堂々と侍打線を相手に投げ抜いたデヘスス(C)Getty Images

 食い下がろうとする侍たちの前に立ちはだかったのは、アジアを知る左腕だった。

 野球日本代表「侍ジャパン」が、ベネズエラ代表に5-8で敗れた3月14日(現地時間)のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝。勝者となったチームに大きな流れを手繰り寄せたのは、3回途中から登板したエマヌエル・デヘススは、火が着くと止まらない敵打線に付け入る隙を与えなかった。

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 チームが3点ビハインドを追っていた4回マウンドでは一死一、二塁のピンチを招いたが、大谷翔平を高低の出し入れを巧みに操って空振り三振に仕留めると、続く佐藤輝明も150キロを超える2シームで追い込んでから最後は外角低めに鋭く曲がり落ちるスライダーで空振り三振に抑えた。

 これ日本の勢いを消した29歳は続投した5回も三者凡退でピシャリ。結局、2回1/3(42球)を投げ、3奪三振、被安打1、無失点と好投。6回にウィルマー・アブレイユが3ランを放っての逆転劇を呼び込んだ。

 異彩放ったデヘススだが、バリバリのメジャーリーガーというわけではない。昨季はKBO(韓国プロ野球)リーグのKTウィズでプレーし、32試合で9勝(9敗)、防御率3.96とまずまずの成績を記録。今季からはMLBのタイガースとマイナー契約を結んでいた。

 そうした異国での助っ人キャリアを送っていたデヘススの快投には、韓国メディアもあ然。とりわけピンチで迎えた大谷翔平を三振に仕留めたシーンは、小さくない衝撃を生んでいる。スポーツサイト『The Gate』は「韓国の野球ファンにはお馴染みの左腕が、“スーパースター”大谷翔平を崩した。マウンドで鉄壁の存在となったエマヌエル・デヘススが、日本のWBC連覇の夢を打ち砕いた」と絶賛した。

 また、韓国日刊紙『スポーツ朝鮮』も「デヘススは日本を絶妙に調理した。立て続けに空振りした大谷は、戸惑った様子で打席を離れた。彼は少し気持ちを落ち着かせようとしているようだった」と指摘。「大谷のバランスが突如として完全に崩れてしまった。こうして日本が逆転負けを喫するシナリオの幕が上がった」と2シームとスライダーで堂々と勝負した左腕に脱帽した。

 勝利の呼び水となったデヘススの奪三振ショー。マイナー契約投手は、たった一夜にしてヒーローとなった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]