佐藤果玲奈さん

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元生徒会長にして境界知能――そんな異色の取り合わせが目を引く女性がいる。佐藤果玲奈さん(@ja12_jimny)、26歳だ。現在は会社員をしながら、同じく境界知能と呼ばれる知能指数の当事者の声を集めているという。当事者の体験を集約した先に、彼女が思い描く世界とは――。
◆児童相談所で自身のIQを知った

――佐藤さんがご自身の知能指数を知ったのは、14歳の頃だったそうですね。いきさつを教えてもらえますか。

佐藤果玲奈:はい、母が私の育児における悩みをスクールカウンセラーに相談したことがきっかけでした。当時、母もいろいろな問題を抱えていて、すがるような思いで相談をしたのだと思います。カウンセラーさんが「もしかするとお子さんが何かしらの特性を持っているのかもしれないですね」とアドバイスをくださって、児童相談所に行きました。そこで知能検査を行うと、IQ70弱という数字がわかったんです。

――お母様と佐藤さんはあまりうまくいっていなかったのですか。

佐藤果玲奈:いえ、どちらかといえば非常に仲の良い親子だと思います。おそらく私が保育園に通っている頃に、母は父と別れたのだと思います。そして、母方の祖父母と一緒に私たち家族は暮らし始めました。何でもやりたいことを尊重してくれる、いい母親です。

◆勉強は苦手。母が宿題を代行したことも

――いわゆる勉強は昔からあまり得意ではなかった。

佐藤果玲奈:そうですね。小学生の頃から、夏休みの宿題などは泣きながらやっていたと思います。どうしても終わらないときには、母が利き手ではない左手で、わざとヘタな字で宿題を代行してくれました。ただ、学生時代、母もあまり勉強が得意なほうではなかったらしく、私に対して「勉強しなさい」みたいな強要もなかったと思います。

――学生時代の、佐藤さんのキャラクターを教えてください。

佐藤果玲奈:身体を動かすのが大好きで、体育だけは得意で、でも勉強ができないおバカキャラでしょうか……たぶん、どこの学校にもひとりくらいはいるような子です。

――境界知能で学習に躓きがある場合、学校でいじめられる子も多いようですが。

佐藤果玲奈:いとこがいわゆるヤンキーで、そのおかげでスクールカーストの上位ランクに位置する女子グループに所属させてもらっていたんです。ただ、会話の内容などに関心が持てず……。

――具体的にどういうことですか。

佐藤果玲奈:たとえばみんなが盛り上がっているドラマとか芸能人の話もまったくわからないし、みても関心を持てないんです。特に中学校に入学すると、女子は会話のレベルがぐんと上がるんです。行動範囲も広がるし、交友も活発になるので、いろんな話が飛び交います。私はそんなみんなの話を「へぇ」って聞いているだけで、ついていけなかったですね。

◆高校受験で焦りを感じ、大人と真剣に向き合う

――中学時代、勉強はあまりしなかった。

佐藤果玲奈:中3まではまったくしませんでしたね。そもそも学習の習慣がなくて。下校して家に帰るとご飯たべて寝ちゃって、そのあと22時に起きて深夜までスマホいじって……気づいたら朝を迎えていることもありました。成績は散々でした。

――変わったのは、受験ですか。

佐藤果玲奈:そうですね。本当にこのままだと進路がないとわかって、焦ったんです。でも勉強には関心が持てないし、そもそも難しくて。そこで放課後デイサービスを利用して、マンツーマンで教えてもらったんです。勉強が楽しくなったとか、そういうドラマみたいな展開はないんですが、スタッフの皆さんの熱意が本当に嬉しくて。初めて大人から真剣に向き合ってもらったなと思って。

――学習姿勢が変わった。