高市早苗首相

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 高市早苗首相(64)の義理の息子、山本建(けん)・福井県議(41)は福井2区から立候補する予定だった。だが、出馬会見の翌日、一転して不出馬を表明。本人は“世襲批判”を受けてやむを得ず、と説明するが、騒動は首相の夫婦仲にも深刻な影響を及ぼしているという。

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 高市首相の夫、山本拓・元衆院議員(73)と前妻との間に生まれた長男の建氏は、首相にとって血縁関係のない義理の息子にあたる。

 その建氏は1月23日、地元・福井で記者会見を開き、

「支援者の期待に応えたい」

 そう出馬に関する意欲を述べたのだった。

「建氏が出馬表明した福井2区はもともと拓氏の地盤。出馬を決めた背景には拓氏の強い勧めがあったと聞いています」

高市早苗首相

 とは、政治部デスク。

「拓氏は小選挙区の区割り改定により、高木毅・元衆院議員(70)に2区を渋々譲っています。ただ、あそこは拓氏の父親、つまり建氏の祖父の時代から山本家の地盤だった。前回の総選挙で拓氏は、高木氏が裏金問題で自民党非公認となったことを受けて、無所属で2区から出馬。結果、高木氏と票を食い合って落選し、引退した。建氏はその父親の雪辱を果たす使命を背負っていました」(同)

 もっとも、建氏の出馬を党本部は歓迎しなかった。

「同じ選挙区に日本維新の会を除名後、自民会派入りした斉木武志前衆院議員(51)がいたからです。なにしろ昨年、斉木氏の自民会派入りを主導したのは、選挙の責任者である古屋圭司選対委員長(73)ですからね。党執行部は県連が申請した建氏の公認を見送り、斉木氏を“支持”する決定を下しました」(同)

 県連側は党本部の姿勢に反発。23日午後、緊急執行部会を開き、独自に建氏を支援する方針を固めている。

 だが、建氏は出馬会見の翌24日、再び会見を開いた。

「私の存在が党の足を引っ張ると少しずつ理解し、決断に至った」

 などと話し、突如、不出馬を表明したのだ。

「実を言うと、出馬会見の前日、古屋氏は周囲に“山本建は不出馬だ”と語っていました。結局、その言葉どおりになったわけです」(前出のデスク)

知らない二つの電話番号から……

 唐突な方針転換に慌てふためいたのが、自民党福井県連である。

 福井県連関係者が言う。

「県連は23日付で、各支部には“党公認の意気込みで建氏の支援をお願いしたい”と書面を送っていた。そのため、25日付の速達で“期待をかけていただけに極めて残念”などと、不出馬に関する通知をあらためて出すことになりました」

 それにしてもなぜ、建氏は出馬を断念したのか。

「両親には出馬について相談していません。相談したのは支援者や後援会の方々です」

 と、当の建氏自身が語る。

「多くの方から“公認がなくても支援を続ける”と言っていただきました。また、県連も支えてくださるとのことでしたので、無所属で戦う決意を固め、出馬会見を開いたのです。ところが、会見後に知らない二つの電話番号から電話がかかってきました。一つは鈴木俊一幹事長(72)、もう一つは古屋選対委員長からでした」(同)

「世襲批判で迷惑をかけるわけにはいかない」

 両者と話すのは、この時が初めてだったという。

「二人から“出るな”とは言われませんでした。ただ、“影響を考えてくれないか”とは言われて。私は今回、党の公認を得られず、(対抗馬に斉木氏が立つことになるのだから)世襲には当たらないと考えていたのです。でも、“世間の見方はそうではない”と……。世襲批判によって、全国の自民候補に迷惑をかけるわけにはいかないという考えに至りました」(建氏)

 苦慮した末、古屋氏に直接、不出馬の意向を伝えたというのだ。

 2区を譲られた形の斉木氏は、

「高市首相や古屋選対委員長はどうやって2区を取り戻すかを真剣に考えたのでしょう。一本化は必須でした」

 こう相手の“決断”の意義を強調する。

激しく言い争い

 一方、自民党関係者は騒動の裏で起きていたというある一件を明かす。

「拓氏は建氏の出馬にこだわりましたが、高市首相は建氏についてはなから“何もしなくていい”と公認を出さない姿勢でした。二人は激しく言い争いをしたと聞きました。地元政界にも、夫婦の“離婚危機”が伝えられています」

 この点、拓氏ご本人に聞くと、

「俺自身が彼女に相談せずに、今までも好きなことをしてきたからね」

 と言いながら、

「(離婚危機など)ないって。夫婦げんかする暇なんてあるか」

 夫婦の絆に亀裂は入っていないと強調するのだが、

「県連の幹部たちは“今さら斉木なんか応援できない”と、臍を曲げています」(前出の関係者)

 少なくとも今回、地元に大きな禍根を残したのは確かである。選挙の結果次第では、夫婦仲にも本格的なひびが入りかねないのだ。

「週刊新潮」2026年2月5日号 掲載