「食べ残しの握り寿司を出された」「雪国なのに暖房器具がない」義実家への帰省は誰が得するのか?
年末年始を迎え、地元の友人らとの久しぶりの再会を喜ぶ声がある一方で、義実家との確執や、価値観の不一致に苦しむ声も後を絶ちません。
弁護士ドットコムニュースが「義実家への帰省」をテーマに体験談を募集したところ、もはや「家族行事」の枠を超えた、壮絶な人間ドラマが集まりました。
「行く意味がわからない」と切り捨てるエピソードから、離婚に至った衝撃的な体験談まで──。帰省にまつわる「本音」を紹介します。
●「カチカチの寿司」と「床に正座」…嫁いびりの果てに
最も深刻なのは、義実家からの露骨な嫌がらせによって、家族関係そのものが崩壊してしまったケースです。
大阪府の女性は、次男の嫁として、夫の実家がある兵庫に帰省した際、親族からの陰湿な扱いに苦しんだといいます。
女性によると、義兄夫婦の家を訪れると「いつもフローリングの上に薄いカーペットを敷いた部屋で床に正座」をさせられたとのこと。他の家族には座椅子や座布団があるにもかかわらず、自分には用意されず、ふくらはぎがつってしまうほどだったそうです。
さらに、食事の内容に衝撃を受けました。
「食事として出てくるのは、食べ残しを冷蔵庫に入れたカチカチの硬い酢飯の握り寿司。子ども用のサビ抜きもなし。巻き寿司もなし」
たまに義母がスーパーで寿司を買ってくることもありましたが、それも「ネタがペラペラ」だったといいます。
背景には、特定の宗教を信仰する兄嫁と、それを快く思っていなかった女性夫婦との対立があったようです。最終的に、夫の実家からの金銭要求や夫の浮気も重なり、女性は離婚を決断しました。
●寒冷地にあった夫の実家「ろくな暖房器具がなかった」
寒冷地への帰省で、過酷な思いをしたという声もありました。
ある60代の女性は、元夫の実家がある東北地方に、生後間もない子どもを連れて帰省した際のことを今でも忘れられないといいます。
「古い家で、雪国なのにろくに暖房器具もそろっていなかった」
義母からは「(嫁の実家より)先にこちらへ帰ってくるのが筋でしょう」と詰め寄られ、夫の仕事の都合で「私と子どもだけでの一週間帰省はざらでした」。その辛さは、年月を経ても消えないようです。
●「行く意味がわからない」帰省スルー派
こうした「義務としての帰省」に、真っ向から疑問を投げかける声も増えています。
関東に実家がある50代の女性は「なんで年末年始に実家に帰るのか、まったく意味がわからない」と断言します。
夫が多忙で、休みは三が日だけ。家族水入らずで過ごす時間を最優先し、「結婚してから(夫の実家へ)行ったことがない」といいます。
かつては旅行のついでに挨拶だけ立ち寄ったこともありましたが、「意味がないからもうやめた」ときっぱり。義実家への帰省トラブルについて、こう一刀両断します。
「私の実家にも帰る意味がわからないので行かない。用がない。用があるなら具体的に言ってこい」
●「新年会だけ日帰り参加」適度な距離感保つ家庭も
一方で、適度な距離感を保つことで、うまく回っている家庭もあります。
東海地方に住む40代の男性は、妻と子どもだけが妻の実家に1〜2泊し、自身は「新年会だけ日帰りで参加」というスタイルを確立しました。
「このパターンが、非常に楽でありがたいです」
義父母が高齢になり宿泊の負担を考慮しつつも、顔は見せるという折衷案が功を奏しているようです。
●親亡き後の「墓」と「価値観」の衝突
親が他界した後も、夫婦間の溝が埋まらないケースがあります。
神奈川県の60代男性は、双方の両親がすでに亡くなっているものの、妻との関係は冷え切っていると打ち明けます。
両親の存命中は妻に気を遣わせまいと、妻の実家を優先し、自身の高齢の親への料理などの負担も避けてきました。
しかし、「そのことを女房は結局理解せず、未だ自分の両親の墓に手を合わすこともしていない」と嘆きます。
「墓参りの意味もわからない、良識のない女房。多分、自分とも同じ墓に入る認識はないと思います」
●「隣に一人の者がおりますよ」孤独な年越しも
家族連れでにぎわう一方で、社会を支えるために働く人たちの孤独もあります。
東京都在住の60代男性は、年末年始に「7日連続勤務が2回」あるといいます。
「帰省する人もいれば、残る人もいる。みんなが休みを取るけれど、現場は休みにはなりません」
家族連れであふれる街中で、「隣に一人者がおりますよ!この時期は惨めですなあ」と孤独な心情を吐き出しました。
帰省の数だけ、ドラマがあります。寄せられた体験談から浮かび上がるのは、「家族だから」という理由だけで、理不尽や苦痛を我慢する時代が、終わりを迎えつつあるという現実なのかもしれません。

