胸アツだった宇宙の事件簿2025
予算削減、政治判断、計画変更、組織の揺らぎ……2025年のNASAはニュースが出るたびに「まじか…」と頭を抱えるような展開の連続でした。
でも、その裏側ではバケモノ級のサイエンス成果が次々と生まれていたのです。
ここでは、その中でも特に胸アツだった宇宙の事件簿2025を一気に振り返ります。
火星で“生命の気配っぽい岩”を発見
2024年7月。パーサヴィアランスが火星をウロウロしていたら、表面にケシの実+ヒョウ柄みたいな斑点がついた、妙に自己主張強めの岩が出てきました。
「チャバヤ・フォールズ」と名付けられたこの岩、今年の分析発表によると、有機炭素、硫黄、リン、酸化鉄、微生物活動と関係のある鉱物まで全部入り。
もちろん「生命の痕跡だ!」と断定はできません。地球に持ち帰って分析しないと白黒つきませんし、サンプルリターン計画は迷走中…。
それでも、人類の火星生命探しにガッと火をつけるには十分すぎる発見でした。
恒星間天体「3I/ATLAS」、銀河の彼方からふらっと来訪
太陽系には、ときどきよそ者が迷い込んできます。
今年6月、ATLASが史上3つ目の恒星間天体「3I/ATLAS」を発見。天文学者は大慌て。
だって、恒星間天体は他の惑星系の材料を直接観測できる、ほぼ奇跡レベルのチャンスだからです。
すでに
異様に高いCO₂とんでもない年齢など、クセの強い情報が次々と判明。NASAは探査機をほぼ総動員し、11月には大量の観測データを公開しました。
3I/ATLASが太陽系を出ていった後も、解析はずっと続きます。こういうのが宇宙のロマンですよね。
ベテルギウスの奇妙な明滅、原因はまさかの“相棒星”だった
「そろそろ超新星爆発する?」なんてたびたび話題になる赤い巨星ベテルギウス。
その不気味な明滅の周期をめぐっては、天文学者すら長年「なんなんだコレ…」と困惑してきました。
ところが今年、ジェミニ北望遠鏡&スペックルイメージングの高解像度観測で、ついに真相が判明。なんと、ベテルギウスには小さな相棒星(BetelBuddy)がついていたのです。
その存在のおかげで、
400日周期の明滅約6年周期の明るさ変動という長年の謎が説明できてしまいました。
天王星に小さな月が見つかった
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測で、天王星の新しい衛星「S/2025 U1」が見つかりました。
サイズは直径10km。
ボイジャー2号が40年前に見逃しても無理はないレベルのミニマム感。
NIRCamがその存在をとらえ、追観測で場所まで確認しました。
天王星の衛星は、これで29個です。
太陽の360億倍。史上最大級ブラックホール、マジで見つかる
今年の宇宙ニュース界で一番デカい案件はおそらくこれ。
地球から50億光年先にある巨大銀河コズミック・ホースシューの中心に、太陽の360億倍という超ド級のブラックホールが潜んでいることが判明しました。
コズミック・ホースシューはその重力が強すぎて、背景の光をグニャッと曲げ、“蹄鉄型のアインシュタインリング”を作るほどの怪物銀河。
ハッブルとVLTの観測を組み合わせ、このリングの“光のゆがみ”を数学的に逆算した結果、「あ、これ中心にヤバい重さのもの(ブラックホール)がいるわ」と特定できたわけです。
宇宙の限界がまたひとつ更新されました。
小惑星ベンヌ、生命の材料“ほぼフルセット”持っていた
OSIRIS-RExが持ち帰ったベンヌのサンプル、今年もヤバい発見を連発。
塩水の痕跡の中に
アミノ酸RNA/DNAの塩基が見つかっていたわけですが、12月には糖類まで含まれていたと判明。つまり、生命に必要な材料、ほぼコンプリートしていたことになります。
唯一見つからなかったのは、DNAの材料であるデオキシリボース。
これは、「地球最初の生命はRNA中心で動いていたのでは?」というRNAワールド仮説を後押しする結果にもなりました。
史上最接近の「太陽ガチ撮影」が公開される
パーカー・ソーラー・プローブが太陽にほぼ触れるレベル(380万マイル)の距離まで接近。
その超至近距離で撮った写真と映像が今年公開されました。
WISPRカメラがとらえたのは、
ゴリゴリの太陽風複数のCME(コロナ質量放出)コロナの細かい構造など、衛星・電力網・通信に影響を与える「宇宙天気」を予測する上でめちゃくちゃ重要な要素。これにより、NASAの科学者たちは宇宙天気予測の精度を高められるというわけです。
こうやって振り返ると、2025年も本当に色々ありました。2026年はどうなるんでしょうか?
Source: NASA
