好き好んでうるさいワケじゃないのをわかって! 冷凍車ドライバーが直面する苦情の嵐!!

この記事をまとめると
■大型冷凍車の冷凍機の騒音には周囲の人だけではなくドライバーも悩まされている
■大型冷凍車を運転するドライバーのリアルな声をお届け
■冷凍機のエンジンを止められないドライバーに苦情を入れてもどうにもならない
冷凍車のドライバーが直面する意外な苦労
夏には欠かせないアイスクリームや冷凍食品などを工場からわたしたちの街まで運んでくれる、とてもありがたい存在が大型トラックベースの冷凍車。大型になればエンジン式の冷凍冷蔵装置を備え付けるのが一般的なのだが、この冷凍機がとにかくうるさい。そのため、大型冷凍車のドライバーは肩身の狭い思いをしながら仕事に励んでいる。

そんな大型冷凍車のメカニズムや用途などについてはこれまでにも触れてきたので割愛するが、今回はそんな大型冷凍車を運転するドライバーのリアルな声をお届けしたいと思う。
ドライバーAさん
「うるさくて迷惑をかけているのは自覚しているから、パーキングエリアで休むときは一番空いている場所か、できるだけ敷地内の端っこに駐車するように心がけています。トイレやレストランからは遠くなるけれど、周囲のことを考えたら仕方がないですよね。わたしも、自分が寝ている隣に大型の冷凍車がきたら嫌ですから。でも、後から自分の近くに駐車したドライバーに文句をいわれるのは、納得できない部分がありますね」

ドライバーBさん
「市街地の道路上で荷物ができるまでの間待機させられることが多いのですが、場所をしっかり考えないとすぐに苦情が入って、おまわりさんがやってきます。それが、一番の悩みですね。ですので防音壁が設置されているような場所を選ぶことが多くなるのですが、そういう道って交通量が多いから、それはそれで気が引けます。どのみち路上駐車ですから偉そうなことはいえませんが、仕事上仕方がないですね。そんななかでも、一応は配慮しているつもりです」
ドライバーCさん
「休憩中や待機中に文句をいわれるのは理解できるのですが、高速道路での渋滞中に、前の乗用車の後部座席から降りてきた母親に文句をいわれたこともありますよ。赤ちゃんが寝ているから静かにしてくれって。気もちはわかるのですが、荷物を運んでいる以上、静かにしようとしてもできませんからね。相手の女性はこちらのいい分も聞かずに自分のクルマへと戻って行ってしまったのですが、ずっと睨まれ続けて参りましたよ。でも高速道路の本線上を平気で歩くような人ですからね。かかわりたくないなと思いました」
誰だって迷惑をかけたくてやっているわけではない
ドライバーDさん
「まぁ、実際に冷凍機のエンジンはうるさいですからね。文句をいわれるのは十分理解しています。こればっかりはどうしようもないので、いくら文句をいわれても謝るしかできないですね。すみません、いま本マグロを積んでいるので腐らせるわけにはいかないんですっていうと、それだったら仕方ないなって納得してくれたこともありますよ。さすがに、それは大変だと思ってくれたのでしょうね。もちろん、本マグロなんて運んだことはないですが(笑)」

ドライバーEさん
「苦情が入って駆けつけてきた警察に、冷凍機のエンジンを切れっていわれたことがありますね。そうしたいのは山々なのですが、冷凍車って荷物を積み込む前に箱のなかを予冷しておかないといけないという現場が多いんですよ。箱のなかの温度はデータとしてきちんと残るから、ごまかしも利かないですし。そんな説明をしたら警察も理解と同情してくれて、荷主に改善するように連絡してくれました。それ以降は路上待機させられることがなくなりましたので、ありがたいですね。荷主の冷凍庫にいけば敷地内にスタンバイという装置があるので、エンジンを稼働しなくても箱のなかを冷やすことができるんですよ。いまは燃料も高いですし、誰も好き好んで冷凍機をまわさないですよ。そのへんは、少しでも理解してほしいですね」

運送会社社長Fさん
「冷凍車って車両価格は高いのに運賃が安いんですよね。そのうえ騒音問題があるでしょ。会社にクレームが入ることも多々ありますし、割に合わないなぁと感じることが多いですね。ただ、一般貨物と違って冷凍食品やチルド品は365日荷物があるんですよね。年中無休のコンビニやスーパーなどが増えたので、食品関係はよく動くのです。トラックを無駄に休ませることがないので、それがありがたいですね。それだけの理由で続けているような感じです。騒音問題については、運送会社やドライバーサイドができるような改善点は、正直ないと思いますね。そこは、メーカーさんの企業努力に委ねるしかないと思います」

日本には、多種多様の車両が走りまわっている。そして、トラックドライバーたちは日夜、日本の物流や食を守るために活躍している。そんな彼らが肩身の狭い思いをしながら働いているという現状は、いかがなものだろうか。迷惑をかけることを理解したうえで無駄にアクセルを踏んで空ぶかしをするような輩はともかく、冷凍機のエンジンを止めることはできないドライバーたちに苦情を入れたとしても、どうにもならないのだ。
この記事を読んでくださった人たちだけでも、冷凍車に対して大きな心で接していただけたらと願う。繰り返しになるが、誰も好き好んで冷凍機のエンジンをまわしているわけではない。そして、迷惑をかけたがっているわけでもない。その部分だけでもご理解いただけたら、幸いに思う。
