柿谷が天才に選んだ2人は? 写真:サッカーダイジェスト

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「真の天才は曜一朗です」

 かつて百戦錬磨のテクニシャン・乾貴士に「乾選手のドリブル、テクニックは天才的なレベルですよね?」と訊くと、冒頭の言葉が返ってきた。そして「僕のテクニックは至って普通。(自分が天才だなんて)考えたこともなかった(笑)。曜一朗のほうがかなり独特ですよ」と笑顔で答えてくれた。

 曜一朗とは、柿谷のことである。セレッソ大阪の下部組織で育ち、10代の頃から「ジーニアス」の異名を取り、プロになってから16年3月のJ2リーグ・群馬戦で決めた“伝説のヒールショット”をはじめ創造性豊かなプレーで観衆を魅了してきた彼が、25年1月18日に現役引退を発表した。

 この発表で自分が思い出したのが、「真の天才は曜一朗です」というフレーズだった。年を経るごとにフィジカル重視の傾向が強くなってきたサッカーシーンで、柿谷のようなプレーヤーは稀有な存在だった。だからもっと現役を続けてほしい気持ちはあったが、本人が決めたことなので他人がどうこう言うべきはない。

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 そんなことを考えながら、昔のサッカーダイジェストを手にとる。特集は「天才番付」。そこで柿谷は「天才が天才を語る」という企画で登場してくれた。柿谷が「別格の天才」に選んだ選手は誰なのか。その企画には彼の言葉が次のように記されている。

「僕はどちらかと言えば身体能力に任せている感じです。イニエスタや小野(伸二)さんみたいな“本物”とは発想のレベルが違うというか。そのふたりは『うわっ、今のめっちゃ上手いやん』って唸るプレーの連続じゃないですか。驚くようなプレーを生み出す数が半端じゃない。僕は全然その域ではないです」

 本人に届くか分からないが、断言しておこう。いいえ、あなたも十分そのレベルでした、と。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)