『呪術廻戦』OP&EDに隠された“伏線”を分析 五条悟と夏油傑の“運命”を示唆した描写も
2024年9月30日発売の『週刊少年ジャンプ』44号で、最終回を迎えることが予告されている『呪術廻戦』。原作ファンの間では完結を惜しむ声が上がる一方、アニメ版の続編を待ち望む声も多く上がっている。
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ところで同作のアニメ版といえば、OP映像とED映像にて、原作の内容とリンクするような小ネタや考察要素がいくつも仕込まれていたことで知られる。今回はそのなかでもとくに興味深いものを取り上げ、紹介していきたい。
まず2020年10月から放送されたTVアニメの第1期OPでは、その後の展開を示唆するような演出になっていたことが印象的だ。
同OPのテーマ曲として使用されているEveの「廻廻奇譚」は、始まりと終わりがつながっていて“ループ”する構造となっていた。それは映像に関しても同様で、電車の座席に座る主人公・虎杖悠仁が眠りから覚める場面から始まり、最後にふたたび眠りに落ちるところで終わっている。
同作はタイトルにも示されている通り、呪いが廻り廻っていく物語なので、この映像はある意味とても“呪術廻戦らしい”OPだった。また電車や駅といったモチーフ自体、原作の終盤で大きな意味を与えられているので、その点でも示唆的だったと言えるだろう。
他方で同OPの冒頭では、虎杖の足元に小さな魚がまとわりつく様子が描かれていた。この魚は海流によって本来の生息域とは別の海域に流れ着き、死んでいく「死滅回遊魚」の一種、タテジマキンチャクダイの幼魚とされている。ここから原作で「渋谷事変」の後に描かれたエピソード「死滅回游」を連想しないことは難しいだろう。
さらに第1期2クール目のOPでも、タテジマキンチャクダイの幼魚が花の周りを泳いでいる描写があるため、やはり偶然ではなく意図的な演出だったように思える。
ちなみに第1期2クール目のOPに関しては、“不発”に終わった考察も存在する。冒頭でカメラの方を振り向く黒猫の片目が青く光っていたこと、中盤で五条悟の顔がアップで映された際に左目だけ白い光が当たっていたこと……。こうした意味深な描写から、五条が片目を失う展開の伏線ではないかと言われていた。
しかし結局本編でそれを回収するような展開は描かれていないため、どうやら考察は不発ということになりそうだ。
TVアニメの第2期「懐玉・玉折」のOPは、キタニタツヤの『青のすみか』がテーマ曲として使われている。手拍子の音が組み込まれているのが特徴的な楽曲だが、OP映像ではそれに合わせて“拍手する人々の腕”が描かれていた。
何も知らない状態だとにぎやかな映像にしか見えないだろうが、「懐玉・玉折」において拍手は決してポジティブな意味をもつ行為ではない。というのも作中では、天元を絶対視する過激な宗教団体・盤星教の人々が、天内理子の死去を祝して拍手する姿が鮮烈なインパクトと共に描かれているからだ。
OP映像で拍手している腕は、その袖のデザインから推測するに、盤星教信者のもので間違いないだろう。呪術高専時代の五条たちの“青い春”を美しく切り取った映像と見せかけて、不穏なイメージがひそかに隠されていることが分かる。
また「懐玉・玉折」のEDでは、物語の主役である五条と夏油傑の運命を暗示するような演出がところどころに見られた。たとえば冒頭における、2匹の白い魚が出てくるカットだ。
片方の魚は“六眼”に近い水色の目、もう片方は黒い目をしており、それぞれ五条と夏油の目の色に対応している。この2匹がすれ違っていく描写は、運命を共にしていたはずの2人が決裂し、別々の道を歩むようになったことを示唆しているのではないだろうか。
さらにED映像の中盤では、夏油が水色の目をした魚から目を背ける一方、五条が黒い目をした魚に視線を向け続ける……というカットも。この対比は、決裂後の2人を描いた『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』を思わせる。同作において、夏油は五条との関係を「親友だった」と過去形で語り、五条は夏油を現在進行形の「親友」として語っていた。すなわち親友のもとを離れて新たな人生に踏み出した夏油と、決裂した後も親友を忘れることができなかった五条という対比だ。
なお同EDでは、後半のカットで一瞬だけ飛行機が上空を飛び去っていくところも描かれている。ネタバレになるため詳細は伏せておくが、原作の終盤では五条に関わる重大なシーンで飛行機というモチーフが登場していた。深読みかもしれないが、今振り返ると「懐玉・玉折」のEDにこの描写が差し込まれていたことには意図的なものを感じざるを得ない。
いつか制作されるであろうTVアニメの第3期では、どんなOPやEDが描かれるのだろうか。今後のメディアミックス展開によって、作品世界はさらに深みを増していくだろう。(文=キットゥン希美)
