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 近年、駅や街中で女性にわざと体当たりする男性「ぶつかりおじさん」「ぶつかり男」がSNSで話題を集めている。
 2018年頃に新宿駅構内での動画が拡散され、テレビのワイドショーにも取り上げられたことから報告が相次ぎ、世の中には一定数のぶつかりおじさんが存在していることが認知されたといわれている。JR東日本は注意喚起を行なっているが、ぶつかりおじさんの被害はいまだに絶えない。

◆被害女性「急すぎて声も出なかった……」

 つい先日、ぶつかりおじさんに遭遇したというのは塩川マミさん(27歳・仮名)。

「仕事帰りの夜22時過ぎ、自宅の最寄り駅でのことでした。残業帰りで疲れてトボトボ歩いていたら、後ろから本当にどーん!とぶつかられました。半身で勢いよくタックルしてくる感じです」

 とても痛かったというが「急すぎて声も出なかった……」と振り返る。マミさんの最寄り駅は中央線の特快が止まる駅なので、遅い時間帯でもそこそこの人がいるそうだが「周りを気にしている様子はなかった」そうだ。

「頭にくるし怖いけど、怪我をしたわけでもないので。地元駅にこんな変なやつがいるっていうことは心に留めておこうと思いました」

◆日頃のストレスが原因?

 それから1ヶ月後、以前ぶつかってきたおじさんが、若い女性に対して体当たりする瞬間を目撃したという。

「私にした時と手口は全く同じ。いきなり後ろから半身で力を入れてぶつかっていました」

 一方、ぶつかられた女性はすぐさま「何するのよ!」と声をあげていたそうだが、おじさんは「失敬、失敬……」と会釈すると、改札に向かって行ったそうだ。

 ところで、なぜ同じおじさんだとわかったんだろうか。

「顔は見ていないんですけど、髪型が特徴的で(笑)。てっぺんはツルツルなのに、サイドの髪がパーマかかってる感じ。もしかすると常習犯なのかなあ〜」

 家に帰ってインターネットで「ぶつかりおじさん」と検索したところ「ストレスが溜まっている」「日頃の鬱憤を他人にぶつかることではらしている」などと出てきたそうで「闇深いなぁ」と思ったそうだ。

 だが、最終的にはもっと深い闇を見てしまうこととなる。

◆ぶつかりおじさんの意外な正体が判明

「じつは、ぶつかりおじさんは幼馴染のお父さんだったんです。久々に幼馴染に再会してインスタを相互フォローしたんです。それでストーリーを見ていたら家族で外食している様子が出てきたんですが、あのぶつかりおじさんなんです。あんな独特な髪型の人はなかなかいませんもん」

 もちろん友人に伝えることはできず「一生胸にしまっておく」と話すマミさんだが、「あながちネットの情報も間違ってないかもしれない」という。

「幼馴染の家って、すごく裕福なんですよ。インスタも今っぽい言い方をすると、“実家が太い”自慢のアカウントなんです(笑)。確か、大手企業の役員だったはずなので、相当ストレスも溜まっているのかな。おじさんも立場ある人だから、通報される前に止められるといいですけどね」

◆妊婦に対しても容赦なく危険タックル

 じつは筆者(吉沢さりぃ)もぶつかりおじさんの被害に遭ったことがあるのだ。あれは去年の6月。出産予定日の1ヶ月ぐらい前で完全に身重だったが、保育園の見学に行った帰りに、早く歩きたくても歩けず、のそのそと歩いていた。

 すると、前方からいかにも機嫌の悪そうなおじさんが向かってくる。「あぁ、なんだか嫌だな、あのオヤジとすれ違うのは」と直感で思った。

 とはいえ、どこからどう見ても「THE・妊婦」である私に、さすがにぶつかってこないはず。そして、念のため、道の端っこに寄っていたのに……。次の瞬間である。