真面目な無能・森まさこ議員が手がけた「ブライダル利権」…結婚のコンセプトが崩壊している国民不在トンデモ補助金の中身
国民の実質賃金を下がる中で、岸田文雄政権は国民に負担を更に求める方針を求めている。当然国民からの反発は日に日に大きくなり、税金の使い方に対する視線も一段と厳しくなってきている。そんな中で、自民党の森まさこ議員がX(旧Twitter)に投稿した「ブライダル補助金」が炎上している。一体この補助金とは何なのか。『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋 』(光文社新書)の著者で国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が怒りをぶちまけるーー。
ピントがズレた真面目な仕事ぶりが仇に
一般の日本国民の意識とのギャップが露呈し、エッフェル松川につづき、ブライダルまさこと名付けられてしまった森まさこ参議院議員。一体何故こんなことになってしまったのか。
その原因は森まさこ議員のピントがズレた真面目な仕事ぶりが仇となっている。大炎上のきっかけは、8月12日にX(旧Twitter)に彼女が投稿した内容だ。
「先日、経産省サービス産業課よりレクを受けました。議連の要望が叶い新設されたブライダル補助金の第一次、第二次公募の結果について報告を受け、夏の概算要求に向けた対応も説明を受けました。これを受けて秋に議連を開いて議論して参りたいと思います」
彼女の真面目な仕事ぶりの仕上げの報告でしかない
しかし、これは彼女の真面目な仕事ぶりの仕上げの報告でしかない。2022年10月、彼女は自らのロビイングの結果として、下記のような報告も行っている。
「経産省のブライダル担当からレクを受けました。少子化議員連盟(私が会長)で要請した結果、新設されたブライダル担当。しっかりブライダル業界振興に取り組んでもらいたいです。」
このブライダル業界の補助金設立の流れは、2013年11月に自民党に作られた婚活・ブライダル振興議員連盟の設立まで遡る。
当時、この議連のメンバーであった森少子化担当大臣に対して、内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」の政策推進チームから、森雅子大臣に対して提言が提出された。その結果として、全国都道府県に婚活イベントを支援する基金の創設などが発表された。
利権を満たす「仕事」を真面目に行ったに過ぎない
以来、森議員は度重なる業界からの陳情を受けるとともに、自民党政調会や経済産業省などにブライダル業界の代弁者として働きかけを継続した。
その過程で、自民党少子化対策議連の会長の席をゲットし、2021年にはブライダル業界の重鎮である「テイクアンドギヴ・ニーズ」から自身が代表を務める「自民党福島県参議院選挙区第4支部」に政治献金100万円を得るに至っている。
つまり、淡々とブライダル業界との関係を当初から全面公開し、献金もフルオープンで堂々と受取り、その事実上の見返りとして、経産省に補助金を設立した、というだけのことだ。彼女にしてみたら、業界の要望(利権)を満たす「仕事」を真面目に行ったに過ぎない。
実際に結婚する日本人のニーズを反映していない
さて、森まさこ議員の働きかけで作られたブライダル補助金は、見事なまでに「ブライダル業界」のニーズを反映しており、「実際に結婚する日本人」のニーズを反映していない。
現在、経済産業省には2種類のブライダル関連補助金が存在している。
まず1つ目は「特定生活関連サービスインバウンド需要創出促進・基盤強化事業」に関する補助金だ。冒頭で森まさこ議員が第一次公募・第二次公募が行われた、として喜んでいたのは、この補助金である。
この補助金の驚きポイントは、補助金の対象が「日本人の結婚ではない」ということだ。なぜなら、インバウンド需要の一環として、日本で挙式する外国人を受け入れるための体制整備のための補助金だからだ。
ブライダル産業のトンデモ都合に対する補助金
少子化対策のため、日本人カップルの挙式費用を補助するのか、と思った人は度肝を抜かれたことだろう。もはや少子化対策でもなんでもなく、日本人の結婚式が減少している対策として、外国人の結婚式で儲けたら良い、というブライダル産業のトンデモ都合に対する補助金なのだ。(ちなみに、同補助金を受給するためには、少子化対策との関連性を捻りだす必要性があるそうだが、絵に描いた餅以下のものになることは明らかだ。)
同補助金は「2022年第二次補正予算」に組み込まれている。補正予算とは本予算に入れることができないクソ事業の寄せ集めのことだ。それにしても、この補助金に10億円以上も付けることはあまりに酷すぎるため、ネット上で叩かれるのも当然だろう。
ただし、ネットではあまり注目されなかった2つ目のブライダル補助金の内容には更に驚くべき内容となっていた。
もはや「結婚」というコンセプト自体が崩壊している
2023年度概算要求には「ブライダル産業構造転換等促進事業」という補助金3億5000万円が盛り込まれていた。同補助金の使途の一つにはこのように記載されている。
「結婚式専門式場が平日の遊休資産活用と費用回収の平準化を目的に、シェアオフィス等の新事業を展開するべく、施設改装のための設備投資を実施」
この経済産業省が立案した補助金は、結婚式場という箱物装置産業を別の業態に転換しようとするものであり、もはや「結婚」というコンセプト自体が崩壊している。ここまでくると、ブライダル産業支援どころか、ブライダル産業廃業支援と言っても良いレベルだ。意味不明な補助金ここに極まれり、だ。
政府全体に対する評価として極めて無能
これらはブライダル業界のエゴが前面に押し出された補助金であり、国民生活とは見事なほどに無縁な政策である。森まさこ議員は、この政策を推進していた何の疑問を持たないほどに、票と金をもたらすブライダル業界というクライアントに忠実な政治家なのだと言えよう。
直近、結婚式場と同様の箱物産業として、国立科学博物館がクラウドファンディングで注目を集めた。同施設は光熱費の高騰などで予算不足に陥ったことにより、クラウドファンディングでアッサリと1億円を集め、既に5億円以上の寄付金を集める快挙を達成した。
筆者はクラウドファンディングなどの民間資金調達努力は積極的に行われるべきだと思う。しかし、政府全体でみると、彼らは自己が所有する国立の施設の光熱費すら払えない有様である一方、民間の結婚式場を事実上業態転換させるための補助金に何億円もの予算を要求していたことになる。両予算の所管は文部科学省と経済産業省という違いは存在しているが、政府全体に対する評価として極めて無能であると断じざるを得ない。
クライアントの意向に忠実な政治家の努力で生まれた利権
このような予算の歪みは、森まさこ議員のようなクライアントの意向に忠実な政治家の努力によって生まれている。あらゆる政治家が真面目に「仕事」(利権づくり)に取り組むことで、合成の誤謬が生まれて頓珍漢な結果が生まれる。このような事態に陥るくらいなら、政治家は国会で居眠りするくらいの仕事ぶりのほうが丁度良い。
