梅雨が明けると開放感のあるオープンカーが楽しみな時期がやってきます。しかし、梅雨が明けても夕立ちなど突然の雨に襲われることもしばしば。そんなとき、オープンカーのルーフ(屋根)が閉まらないトラブルに見舞われたら、傘を差して運転してもいいのでしょうか。

傘差し運転は安全運転義務違反になるのでNG

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そもそもオープンカーは、車のルーフがボタンやレバー操作で簡単かつ自動で開閉できる車種がほとんどです。しかし、電気系統のトラブルなどで、開閉できなくなる可能性もあります。

走行途中に雨が降ってきてしまい、ルーフを閉められなくなることを想定しておくことも必要でしょう。その際、傘を指して運転してもいいのか、警視庁交通相談コーナーの担当者に話を聞きました。

「結論から言えば、運転中に傘を差すのは違反になります。運転中のドライバーには、ハンドルやブレーキを確実に操作しなければならないという安全運転の義務があります。傘を差すことで片手ハンドルで運転することになり、正確なハンドル操作ができなくなります。

また、ブレーキ操作にも支障を来すことになるでしょう。さらに、走行中は風にあおられて傘が車外に投げ出されてしまう可能性も高いと言えます。

運転者や同乗者には積載物の転落を防止する義務もあります。傘を投げ出してしまったら、積載物の転落を防止できなかったとして違反に問われるでしょう。そして何より、周囲を走行している車や自転車、歩行者に対して危険を及ぼします。

過去には「雨合羽を着て運転してもいいか」という問い合わせを受けたことがあります。しかし、通常の上着と異なり、風で煽られて視界が十分に確保できなくなる可能性もありますので、雨合羽を着用しての運転もおすすめできません。」

傘差し運転が違反であるのはもちろん、雨合羽を着て両手でハンドルを握っていても、危険を伴う可能性があるということです。

何らかのトラブルでルーフの開閉ができなくなったら、屋根のある場所に停めて雨宿りをし、雨をしのぐことができたら、車の修理業者に来てもらい故障したルーフを直してもらいましょう。

費用がかかることもありますが、無償で修理依頼ができるロードサービスなどに加入していれば無料で修理してくれることもあります。

ビニールシートが役に立つ?!

筆者自身、ボルボのオープンカー「C70カブリオレ」を知人から借りて乗っていた時期があります。はじめてオープンカーを運転した思い出の車で、運転のしやすさと開放感に感動した記憶があります。

しかし、鎌倉へ出かけた際、突然の雨に見舞われ、ルーフを閉めようとしたところ、もう少しで完全に閉まる、という直前で閉まらなくなってしまった経験があります。

頭上の大部分はルーフで覆われていたものの、走り出すと、わずかに空いたルーフの隙間から水が入り込み、車内が濡れてしまいました。

ディーラーまで自力で持ち込むことができ、無事に修理ができましたが、オープンカーの弱点を実感した出来事でした。

そのときのディーラー担当者は、 こんなアドバイスをしてくれました。

「オープンカーオーナーのかたは、ルーフを全開にした状態から閉まらなくなってしまうことを想定して、ブルーシートなど、車内全体を覆えるようなビニールシートを一枚積んでおくといいかもしれません。

車を止めて修理業者などの救助が来るまでの間、シートで車内を覆っておけば濡らさずにすみます。

車内は電気系統の部品が多く使われているため、雨に濡れると、ルーフ以外も故障してしまう可能性があります。もちろん、使わないで済むことに越したことはありませんが、そうしたシートがあると重宝します」

オープンカーは、他の車では得られない開放感が魅力です。しかし、突然の雨には注意が必要です。傘を差すことで、運転に支障を来たすだけでなく、周囲に迷惑をかける可能性もあり危険です。

ルーフが閉まらなくなってしまうという万が一を想定して、事前にロードサービスに加入しておいたり、シートを準備しておいたりすることが必要なのかもしれません。