鎧塚俊彦シェフ直伝!「プリンアラモード」の作り方【ときめき!くだものレシピ #2】

5種類の果物を贅沢に添えたとろ~りプリンアラモード

2回目に教わるのは、「プリンアラモード」。プリンにフルーツや生クリームを盛り付けて、華やかに仕上げます。

「プリン好きな方って多いですよね。プリンは僕のお店でも人気の高いスイーツですが、基本的に必要なのは、卵と砂糖と牛乳の3つだけ。少ない材料でわりと手間なくできるんです。オーブンさえあれば、ご家庭でも作りやすいと思います。

今回ご紹介するのは、流行りの固めプリンではなく、ブリュレのようなとろける口あたりが特徴のカスタードプリン。焼成温度を低めにすることで、焼く工程での失敗が少なくなります」

調理時間:1時間20分(冷やす時間は除く)

「フルーツを使ったスイーツをご紹介する企画なので、プリンにフルーツを華やかに盛り付けて、プリンアラモードにしましょう。今回はりんご、桃、マンゴー、ブルーベリー、ラズベリーの5種類を使います。

盛り付けにも少し工夫をすると、よそゆき感が出ますよ。ちなみに僕は高さを出した飾り付けが好きなんです。見映えのするフルーツの盛り付け方のコツもお教えします」

フルーツの飾り付けにも、鎧塚シェフのセンスが光りそうなプリンアラモード。さっそく作り方を教えていただきましょう。

材料(直径12cm1個分)

・卵……1個
・グラニュー糖……35g
・牛乳……120g
・生クリーム(乳脂肪分38%)……120g
・バニラビーンズ……1/4本

〈トッピング〉
・生クリーム(乳脂肪分38%)……200g
・グラニュー糖……14g
・りんご……1/8個
・桃……1/8個
・マンゴー……1/8個
・ブルーベリー……3~4個
・ラズベリー……4~5個

下準備

・オーブンを120度に予熱する
・トッピング用のホイップクリームを作る。生クリームにグラニュー糖を入れて泡だて、8分立てにする

作り方

1. バニラビーンズのさやから種を取り出す

バニラビーンズは片手で軽く押さえ、横からスライドさせるように包丁を入れて半分にします。包丁でていねいにバニラビーンズの種を取り除き、さやと種に分けます。

「バニラビーンズはじつは製菓材料のなかでも一番高い食材なんです。バニラの香りや味わいでスイーツのでき映えが大きく変わります。

カスタードプリンもバニラの風味が味の決め手になるので、さやと種をていねいに分けてください」

2. 牛乳、生クリーム、バニラビーンズを火にかける

鍋に牛乳と生クリーム、さやと種に分けたバニラビーンズの両方を入れて、中火で温めます。

「温めはじめて2分くらい経つと、鍋の縁がフツフツとしてきます。そこでいったん火を止めてください。

温度が高すぎると卵と合わせるときに卵が固まって、口あたりが悪くなってしまいます。温度は60度くらいを目安にするとよいでしょう。

また、沸騰させると風味も変わってしまいますから、絶対に沸騰させないように気をつけて」

3. 卵とグラニュー糖を混ぜ合わせる

卵にグラニュー糖を加えて、卵白のコシを切るようにしながら泡だて器ですり混ぜます。

「なるべく泡だてないように注意してください。混ぜすぎると空気が入るので、焼いたときに“す”ができる原因に。プリンの食感が変わってしまいます」

4. 3に2を加える

軽く混ぜてなめらかにした3に、火からおろした2を少しずつ加え、その都度よく混ぜます。

「温めた牛乳と生クリームを一気に加えると、卵に急に熱が加わって分離してしまいます。でも、ゆっくりと加えていけば、卵液の温度が急激に上がることはありません。

もしも牛乳と生クリームの温度が高くなりすぎてしまった場合は、必ず適温に冷ましてから加えるようにしてください」

5. 4を濾し、型に流し込む

漉し器で4を濾し、ボウルに入れます。バニラの香りを最大限に引き出すために、漉し器の中央に集まったバニラビーンズは、スパチュラを使ってしっかりと濾します。濾したプリン液は、空気が入らないようにゆっくりと型に流し込みます。

「プリン液をていねいに濾すことで、なめらかな口あたりのプリンになります。濾し終わったら、焼き上がったプリンに細かい穴があかないように、プリン液の表面にできた気泡やアクをスプーンでできるだけ取り除いてください」

6. オーブンで湯せん焼きする

型に入れたプリン液をバットにのせたら、60度くらいの湯をバットの4分目くらいまで注ぎ入れ、120度のオーブンで約60分焼きます。

「お湯の温度は高すぎても低すぎてもダメ。60度の湯せんで焼成していくことで、“す”が入らず、口どけのよい食感に仕上がりますよ。

カスタードプリンのレシピには、160度くらいの温度でもっと短時間で焼き上げるものもあります。でも、低い温度でじっくりと火入れするほうが口あたりがよくなるので、120度で焼くのをおすすめします」

7.オーブンから取り出し、冷蔵庫で冷やす

オーブンからカスタードプリンを取り出します。粗熱を取り、冷蔵庫で1時間ほど冷やします。

「プリンの固さは、オーブンから取り出して型をゆらしてみたときに“少しやわらかいかな?”と感じるくらいがちょうどよいです。その後も余熱で少しずつ固まっていきますから」

8. ホイップクリームを絞り、フルーツを盛り付ける

事前に用意しておいた8分立てのホイップクリームを絞り袋に入れます。8分立てとは、すくい上げるとポタリと落ちる状態です。

7を冷蔵庫から取り出したら、ホイップクリームをカスタードプリンの表面の片側に絞ります。

とろける食感!果物の甘さが引き立つプリンアラモード

5種のフルーツを贅沢に盛り付けたプリンアラモード。豪華で美しいデコレーションに、取材陣から歓声が上がりました。

バニラの芳醇な香りが口いっぱいに広がるカスタードプリンは、とろけるような口あたり。プリンそのものやトッピングの生クリームが控えめな甘さなので、果実の甘酸っぱさが強く感じられます。まさに、フルーツが主役の洗練されたスイーツです。

「りんごの本格的なシーズンはまだ少し先ですが、あえてさまざまな季節のフルーツを合わせたほうが面白いかなと思い、今が旬の桃と合わせました。もちろん、季節の果物だけを盛り付けてもおいしくできると思います」と鎧塚シェフ。好きなフルーツでいろいろと試してみるのも楽しそうですね。

さて来週は、鎧塚シェフが特に得意とされている「スフレ」をご紹介します。どうぞお楽しみに。

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