三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)」が8月26日に運用開始から5周年を迎える。(グラフは、「世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)」のパフォーマンス推移)

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 三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)」が8月26日に運用開始から5周年を迎える。同ファンドは、特に、2020年3月のコロナ・ショックからの立ち直り局面で目覚ましいパフォーマンスを見せ、社会的にも注目度が高まった「SDGs(持続可能な開発目標)」と親和性の高い投資テーマを取り上げる代表的なファンドと意識されるようになってきた。同ファンドの特徴と魅力について三井住友DSアセットマネジメントのオンラインマーケティング室長の今井拓見氏とグローバルパートナー運用部シニアマネージャーの高橋陽平氏に聞いた。

 ――ファンドの特徴は?

今井 このファンドは2016年8月26日の設定で、今年8月でちょうど5周年を迎えます。設定した当初は「SDGs」という言葉も一般的ではなく、「インパクト投資」という考え方も、ほとんど知られていませんでした。

 販売会社もなかなか広がらなかったのですが、2018年くらいからは、「SDGs」という言葉も認知され、金融業界団体である日本証券業協会や銀行協会がSDGsに取り組むことを宣言、販売会社様の役職員の方の間でもSDGsを示すバッジをされている方が増えました。金融業界においてSDGsが浸透してきたことも追い風となり、ファンドのコンセプトとしっかりとした運用プロセスをご評価いただき、現在では金融グループの枠を超えて50社近い販売会社様にお取扱い頂いています。投資リターンの獲得も目指すESG投資の先駆けとして、代表的なインパクト投資ファンドになったと思っています。

高橋 「インパクト投資」という用語は、2007年にロックフェラー財団の主導のもとに開催された国際会議で誕生したもので、金銭的なリターンの獲得と、地球環境や社会経済システムに対するポジティブなインパクトを追求する投資行動として一般的に用いられるようになりました。それまで、ポジティブなインパクトを与えるという点では、一部の篤志家や慈善事業家によって経済的なリターンを求めない限定的な慈善投資活動が主流でしたが、2006年に国連が提唱した責任投資原則が転機となり、その後のリーマンショックの反省を経て、インパクト投資は上場株式市場や社債市場などのパブリック・マーケットに広がっていきました。そうした流れの中、当ファンドの運用戦略はSDGsが国連で採択された2015年に運用を開始し、翌2016年に国内公募投信として当ファンドが設定されました。国内におけるインパクト投資ファンドとしては相対的に長い歴史を持つファンドとなっております。

 よくESG投資とインパクト投資の違いについて質問を受けるのですが、これには明確な違いがあると考えています。インパクト投資は社会的課題の解決に貢献している企業群から投資機会を見出すというアプローチであるため、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して投資するESG投資とは明確に異なります。つまり、インパクト投資では、投資対象企業に必ずしも高いESGスコアを求めてはいません。

 例えば、グローバルに展開する某コーヒーチェーンは、コーヒー豆の採取に児童の労働力を使っていない点や、ストローをいち早く紙製に変えることで環境に配慮している点でESGスコアが高い企業として知られていますが、社会的課題を積極的に解決しているのかというと、そこには疑問符が付きます。水効率の改善によって水不足の解消に寄与したり、新しい技術によって農業や畜産にイノベーションを起こし、栄養不足の解決に貢献するなど、今までの不便や貧困など、社会が抱える様々な課題の解決にポジティブなインパクトを与える企業への投資機会を追求するのがインパクト投資です。