扇子の老舗「京清堂」の事業を承継した新京清堂(帝国データバンク撮影)

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2006年に解散した扇子老舗・京清堂の営業基盤を引き継ぎ設立

 (株)新京清堂(TDB企業コード:984071784、資本金1000万円、東京都千代田区岩本町2-13-6、代表吉田道生氏)は、12月12日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は、吉成外史弁護士(東京都港区赤坂3-2-12、あかつき総合法律事務所、電話03-5574-7791)。

 当社は、2003年(平成15年)11月に設立された扇子の企画販売業者。1877年(明治10年)創業の(株)京清堂(2006年解散)の営業基盤を引き継ぐかたちで設立され、当初は和装小物も取り扱っていたが近年は扇子を専門に取り扱っていた。同業他社は京都に本店を置くケースが多いなか、東京に本店を構え、若い世代に人気のあるデザインも多く、自社ブランド「クロッカス」のほか「ANNA SUI(アナスイ)」などライセンスブランド品、コラボレーションブランド品まで幅広い価格帯の商品を取り扱い、2012年11月期の年売上高は約6億6800万円を計上していた。

贈答品需要の低迷などで売り上げが減少するなか、中国の提携工場などで人件費が高騰し収益悪化

 その後は、クールビズや贈答品需要の低迷などから売り上げが減少。2017年11月期には年売上高約4億5900万円にダウンしたことに加え、収益性の低い安価な製品を手がけていたことや製造を委託していた中国の提携工場などの人件費が高騰したことで収益が悪化していた。資金繰りが悪化するなか、従前から金融機関の支援を受け経営状況改善に努めていたものの、近時、担保設定されていた商品が差し押さえられて営業継続が困難となり、11月1日をもって事業を停止。今回の措置となった。

 負債は債権者約35名に対し約2億6300万円。