既存の価値観を問うジュエリーブランド「ドゥ ノット ドゥ」デビュー、"40万円の1円玉"ネックレスが登場

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 ジュエリーブランド「ドゥ ノット ドゥ(DO NOT DO)」がファーストコレクションの展示会を開催した。

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 ドゥ ノット ドゥでは「純粋にアイテムを見て、触れて、考えて欲しい」という思いから、デザイナーやブランド情報の公開を制限しているほか、展示会も限られた人のみに案内し、完全アポイント制となっている。見る人たちがブランドやプロダクトを自由に解釈することを期待して、ブランド名の由来についても公にしていない。

 ファーストコレクションでは、一枚の紙や金属に価値がある「お金」に着目し、1円玉から500円玉までの6種類の硬貨と1万円紙幣のモチーフを参考にしたアイテムを製作した。シルバーやK18などのペンダントトップ(シルバー 3万5,000円、K18 40万円〜)は、職人の手作業で実際の硬貨の絵柄を模しているが、本物との重量の差や、年号部分を架空の「平成三十二年」と表記するといったことで実物とのズレを生じさせ、既存の感覚に違和感を持たせるようにデザインしたという。1万円の束をイメージしたシルバーのバングル(40万円)には、紙幣の端の劣化具合や、1万円札表面の微妙な凹凸による「10000」の文字がさりげなく再現されている。このほか、リング(2万5,000円)やマネークリップ(4万8,000円)などをラインナップする。

ペンダントトップ(上段)18Kなど使用、(下段)シルバー925

 展示会会場は、質屋として使われていた日本家屋の一画を活用し、本物の1円玉と、1円玉の印字を反転させたオブジェを設置したユニークな空間をデザイン。また、印刷した千円札を使った作品が通貨及証券模造取締法に違反するとして有罪判決を受けたこと(通称:1,000円札裁判)でも知られる前衛美術家の赤瀬川原平が制作した千円札の模型のオフセットや著書なども展示し、コレクションの世界観を演出したという。

 商品はオンライン販売や卸売は予定しておらず、基本的に展示会での受注販売のみ。関係者以外は紹介制などで入場可能で、ブランド関係者は「指先だけで商品が購入できる時代だからこそ、あらゆる手段を使ってでも買いたいと思ってくれた人にだけ来て欲しい」と話す。新作は不定期に発表する予定で、「一過性のブランドではなく、ブランドを面白いと思ってくれる人たちと一緒に成長していけたら」とコメントした。

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