「ヴィッツからヤリス」へ、トヨタはどこまで既成概念を捨てた?
パワートレーンにはTNGAで設計した直列3気筒ガソリンエンジンを搭載。ロングストロークなど高速燃焼技術を採用し、低燃費と高出力を両立した。排気量1500ccと1000ccモデルを用意し、自社開発では初の3気筒エンジンとなる。
ハイブリッド車(HV)システムも新開発し、世界最高レベルの燃費性能を達成。トヨタの小型車として初めて、HVに電気式4輪駆動(4WD)システムを搭載した。
安全装備にもトヨタ車では初採用となるシステムを多数搭載した。交差点右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者を検知対象とした予防安全パッケージを標準装備したほか、オプションでステアリング、アクセル、ブレーキを自動で制御する高度駐車支援システム「アドバンスト・パーク」も用意した。
「良いクルマづくりの原点は小型車にある」―。豊田章男社長はかねて話してきた。排気量は小さくとも快適な走行性能を持たせ、これらを安価に実現する必要がある。ヤリスではTNGAによる開発の効率化によりコストを大幅に削減。高級車に迫る安全装備などを搭載しつつ、販売価格は従来型と同等程度に抑える方針だ。12月に価格や燃費など詳細を発表する。
小型車の特徴である低燃費や取り回しと乗り心地の良さを両立し、「ファーストカーとして乗ってもらえるクルマに仕上がった」と末沢泰謙チーフエンジニアは胸を張る。ヤリスは「革新と挑戦」のブランドとして、トヨタの小型車戦略の中軸を担う。
(取材=名古屋・長塚崇寛)
