ドコモの新光回線サービス「ドコモ光ミニ」は安くない!? 2700円で収めることがほぼ不可能なワケ

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NTTドコモは、光回線サービス「ドコモ光ミニ」を発表した。3月1日より提供される。
「ドコモ光ミニ」は、2700円から利用できる安価な料金設定の光回線サービスだ。

しかし、実際には割高となってしまう可能性が高いプランのようだ。

●下限で利用できるのはわずか200MB
「ドコモ光ミニ」は戸建てで利用する光回線サービスだ。
内容は、
・200MBまでは2700円
・200MBを超えると10MBあたり30円の従量制
・1.2GBで上限の5700円となり、その後は使い放題
というものだ。

使わない人は、安い料金で済むというのがセールスポイントで、ライトユーザー向けのプランということになっている。

しかし、下限の2700円の料金で完結できる人は、かなり限られているかもしれない。

その理由が、利用できるデータ量の制限だ。
2700円で利用できるのは、一か月たったの200MBだ。1日に換算すると、約6.6MBとなる。
これは、今の時代だと、写真1枚〜2枚を送受信するだけで1日の利用分を使いきってしまうデータ量である。

また、パソコンでは、自動アップデートもある。
ただパソコンを起動しておくだけでも、月の容量200MBを超過する可能性も高い。

●上限も割高な設定だ
「ドコモ光ミニ」プランを下限の2700円で維持するのは難しそうなことはわかった。
それでは、上限のほうはどうだろうか。

「ドコモ光ミニ」プランの上限は、1.2GBで料金は5700円に達する。
今は、インターネットに繋げて、ブラウザでサイトを表示している間も、動画型の広告が流れる時代だ。また、人気のYouTubeや動画配信サービス、Facebookで表示される動画なども視聴すれば、はっきり言って1.2GB以内に収めることも、かなり難しいだろう。

実は、ドコモでは、もともと使い放題の光回線サービス「ドコモ光」を提供している。
「ドコモ光」では、戸建て単独型(プロバイダ無し)で月5000円となる。
対して「ドコモ光ミニ」は同条件で最大5700円となる。

つまり、パソコンなどで使うのであれば「ドコモ光ミニ」を選択するメリットは薄く、かなり割高になるかもしれないのだ。

●「ドコモ光ミニ」はまったく「使わない」人向けか?
それでは、「ドコモ光ミニ」にメリットが無いのかというと、そうではない。
このプラン、実は、普段はインターネットを「全く使わない」人向けには最適なサービスなのだ。

実は、ひかり電話や、ひかりFAXを利用したいが、インターネットを全く使わないというケースがある。「ドコモ光ミニ」は、本来そうしたケースを想定している人が契約するサービスプランとなっていると思われる。
そのため、「ドコモ光ミニ」にはプロバイダ契約が含まれてないのだろう。

そう、「ドコモ光ミニ」は、もともと自宅ではパソコンなどでインターネットを利用することがゼロな人向けなのだ。

通常、一般の家庭が、インターネットを全く使わないのに、ひかり電話やひかりFAXを利用するためだけに光回線を契約するとは考えにくい。
となると、「ドコモ光ミニ」は、主に事業所向けに最適なプランと思われる。

しかし、今後、家電量販店やケータイショップで
「月額2700円から使えるドコモ光ミニ誕生」

と書かれるような広告が貼りだされる可能性は十分に考えられる。
この場合、2700円で利用するのはまず無理だということを覚えておけばよい。

スマホやパソコンを自宅で、Wi-Fi利用を含むインターネットを使いたいという人の場合は、割高になってしまう可能性があることは忘れてはならないだろう。
「ドコモ光ミニ」は、それほど誰もがオトクになるプランではないことをよく覚えておこう。

プレスリリース|NTTドコモ


布施 繁樹