映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で訪れた未来である2015年10月21日にはすでに到達しましたが、空を飛ぶ自動車は依然として実現する様子はないようです。しかし、アメリカでは空を飛ぶ飛行機への垣根が低くなっているようで、多くの小型飛行機が大空を飛び交っています。新たに発表された「Icon A5」と呼ばれる機体は、軽量で高い運動性をほこる「空飛ぶスポーツカー」として開発されたモデルで、2016年にも実際にアメリカの空を飛び始めることになるようです。

Explore the A5 - ICON Aircraft

http://iconaircraft.com

Flying the seaplane of the future, the Icon A5 | The Verge

http://www.theverge.com/2015/11/11/9706138/icon-a5-seaplane-aircraft-video

Icon A5は、カリフォルニア州に拠点を構えるIcon Aircraft社が開発した二人乗りの飛行機。小型のコックピットの頭上に主翼とエンジンが乗る構造となっています。



コックピットの定員は2名。まるでクルーザーヨットかスポーツカーのようなデザイン。



Icon A5は水陸両用の小型飛行機で、アメリカではLight-Sport Aircraft(LSA)という、日本には存在しないジャンルに分類される機体です。LSAは飛行機の普及を狙って2004年にアメリカ連邦航空局が制定したもので、20時間程度の訓練で免許を取得して操縦が可能になるという手軽さを誇るジャンルとなっています。



Icon A5の翼は後方向きに折りたたむことが可能で、以下のようにトレーラーに乗せて自動車で運搬も可能なサイズ。



軽量な機体で操縦性も良く仕上げられているようですが、万が一の際には以下のようにパラシュートが展開して機体の落下速度を安全なレベルにまで下げることができるようになっています。



そんなIcon A5の実機にThe Vergeの記者が乗ってみたムービーも公開されています。

Flying the seaplane of the future, the Icon A5 - YouTube

ニューヨーク・ハドソン川にかかる橋のほうから飛んでくる2機のIcon A5の姿。



まるでボートのように水上に浮くことができるので、Icon A5は水陸両用機としてさまざまな場所で操縦を楽しむことが可能です。



コックピットに座るとこんな感じで、この下部には両足の間で保持する操縦桿が備わっています。まるでバイクかスポーツカーのような計器パネルを持っており、独特なインターフェースを持つ航空機とは一線を画したデザインと言えそうです。



キャビン後方の上部に搭載されるエンジンは、小型飛行機の世界ではすでに定評のあるRotax製「Rotax 912」というモデルを採用。自然吸気型の水平対向4気筒1211ccのエンジンは100馬力の出力を備え、最高速度は時速約180kmで、約200〜250kgの乗員・貨物を乗せて離陸することが可能です。飛行可能距離は427ノーティカルマイル(約790km)と発表されています。



このような桟橋から離陸(離水)することが可能。



こんな風に2名の乗員が乗り込んで……



離水。



一般に想像されるよりも低い高度を飛ぶ2機のIcon A5の姿。LSAに分類されるIcon A5は、最高高度が1万フィート(約3050メートル)に制限されており、キャビンは旅客機のような与圧システムは搭載されていません。



成人男性2名が乗ると機内の様子はこんな感じ。向かって右側に座るThe Vergeの記者は終始興奮を隠せない様子です。



窓の上の方を見ながら笑顔を浮かべている、そのわけは……



ハドソン川上空で大きく機体をバンクさせて旋回していたからでした。小型・軽量のためにIcon A5は高い運動性能を備えているほか、耐ストール(失速)性能も高いものを備えているとしています。



ニューヨークの街並みを眼下に飛ぶIcon A5の様子。さぞかし素晴らしい光景が広がっていることでしょう……。



こんな風景を見ながらのフライトは、きっと楽しいはず。



2機のIcon A5が帰ってきて……



着水……と思いきや、このまま艇底を水面で滑らせたまま滑空するという操縦性の高さを見せつけていました。



Icon A5は2016年中にも納機が開始される予定で、すでに1500機以上の仮予約を受付済みとのこと。仮に1500機の予約が全て本契約に至った場合の価格は、1機あたり19万7000ドル(約2400万円)程度になるとみられています。なお、仮予約に必要なデポジットは1機あたり5000ドル(約610万円)ですが、購入を中止した場合は全額が返金されるとのこと。

メーカーが発表している主な仕様は以下の通りとなっています。

【仕様】

・座席数:2

・最大離陸重量:1510ポンド(686.4kg)

・有効積載量:430〜550ポンド(195〜249kg)

・貨物容量(最大):60ポンド(27.2kg)

・燃料:自動車用ガソリン(オクタン値 91)または航空機用ガソリン(100LL)

・最高速度:時速109マイル(約176km)

・航続可能距離:427ノーティカルマイル(約790km・45分の予備飛行時間を残して)

・離陸滑走距離(地上・海面高度):710フィート(約216メートル)

・着陸滑走距離(地上・海面高度):530フィート(約161メートル)

・離水滑走距離(水上・海面高度):920フィート(約280メートル)

・着水滑走距離(水上・海面高度):840フィート(約256メートル)

・エンジン:Rotax 912 (100馬力)

【機体寸法】

・コックピット内部幅:46インチ(116.8cm)

・翼端幅:34.8フィート(10.61メートル)

・機体長:23フィート(7.01メートル)

・機体高:8.1フィート(2.47メートル)

メーカーサイト内に設けられたギャラリーページでは、さらに多くの写真やムービーを見ることが可能です。

Photos - ICON Aircraft