【特濃】「山田孝之の東京都北区赤羽」スペシャルナイトで、恵比寿が“赤羽次元”に飲み込まれた…! 1万字レポート

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皆さんはご覧になっていましたか? 話題になったドキュメンタリードラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」。

【写真】赤羽イベント・カオスすぎる模様を写真で見る

若手俳優の中でも圧倒的な存在感を放つ山田孝之さんが、映画監督・山下敦弘さんが中学生時代から温めていたという作品「己斬り」の撮影中に、どうしても演技が止まってしまうという事態に陥り、結局「己斬り」は制作中止の憂き目に遭います。10代から役者としての人生を続けてきた山田さんが、“演じる自分”と“演じられる役柄”の間の境がわからなくなり、自分自身を見失ってしまうんです。

そんなある日、山下監督が山田さんの自室に呼び出されます。そして「この漫画が面白いんです」と見せられたのが、清野とおる先生によるドキュメンタリーエッセイ漫画「東京都北区赤羽」シリーズ。漫画の登場人物である赤羽の住人達に感銘を受けたという山田さんは、突如「赤羽に行こうと思う。赤羽で本当の自分に出会える気がする」と言い出して…。

2014年の夏、山田孝之さんが赤羽の町で過ごした記録は、当初は映画化の予定だったそうです。しかし「2時間ではもったいない」ということになり、30分×12回のTVシリーズとして放送されることに。山下監督と並んで監督を務めた松江哲明監督によれば「山田孝之の崩壊と再生を描く」ドキュメンタリードラマとなりました。

この作品は各地で「どこまでが本当なのか?」「山田孝之さんは大丈夫なのか?」「これはいったい何を見ているんだ??」と大きな反響を呼びました。本放送前から原作シリーズを読んでいた自分としても「あの作品をどうやって映像化するんだ?!」と興味津々。そして毎週見ているうちに、一般的な漫画の映像化とは全く違う、虚実がないまぜになった展開に圧倒されました。いや、本当に不思議な番組だったんです。

今回は、番組のDVD-BOX発売を記念したスペシャルイベントを詳細レポートいたします。DVD-BOX内の応募券を送った方から抽選で招待、しかも平日夜に開催というハードルの高いイベントでありながら、会場の恵比寿リキッドルームは満員御礼! そして赤羽が恵比寿の町を浸食するような抱腹絶倒のイベントで、大いに盛り上がりました。

番組も原作も最高ですから、イベントも最高に楽しくカオス! いきおい、かなりの長編レポートになってしまったことをお許しください…。ではでは、いってみましょう!

「生きる意味をください 死にゆく意味をください」

当日、恵比寿リキッドルーム前には「同行者募集中です!」のカードを持った方がちらほら。惜しくも当選ならなかった方々でしょうか、番組の愛されっぷりが伝わってきます。そして、イベント開始前からリキッドルーム内もすごい熱気。ドラマのイベントと言うよりも、音楽イベントのような雰囲気です。

物販コーナーでは原作漫画シリーズを全巻一気買いすると、清野先生の生原稿がもらえるという企画も! ここで全巻そろえた方もいらっしゃったんでしょうか? 早くも場内は期待でいっぱいになっています。

番組ロゴが浮かび上がり、照明が暗転。ステージには、赤羽のスーザン・ボイルとも赤羽のポール・ボッツとも呼ばれるシンガーソングライター、斉藤竜明さんが登場!

斎藤さんが歌うのは、番組内でも歌われた『永遠の、少年』。斎藤さんのルックスはかなり特徴的なんですが、そのインパクトを上回る美しいメロディーと歌声に心が震えます。この歌の「生きる意味をください 死にゆく意味をください」というフレーズは、この番組の大きなテーマと深いところで繋がっているいるように感じました。

オープニング映像の後は、MCとしてダイノジ大谷さんが登場。番組の大ファンであることをツイートしていたことから、大谷さんに今回のオファーが来たとのこと。今回は番組ファンの代表としてステージ上に立つ大谷さん、「楽屋が魑魅魍魎でしたよ…」と発言。この日、大谷さんの進行なくしてはあのカオスなイベントは成立しなかったかもしれませんね。

続いて登場したのが、山下・松江両監督、そして主役の山田孝之さん! ここはもちろんリキッドルームが割れんばかりの大、大歓声! 遠目からでもハリウッドスターのようなオーラが伝わってくる、山田さんのスターっぷり、ハンパないです。そんな山田さん、撮影当時を振り返って「頭がおかしかったけど、今は冷静になってます。」とキッパリ。しかし、そんな決意は赤羽軍団の前では無力だということを後になって思い知るのでした…。

そして両監督からもご挨拶。松江監督は、満員のリキッドルームに「圧倒されてます。今日のイベントが、一つのゴールだと思います。」と感慨深げ。そして山下監督は「斉藤さん、すごいですよね…。」とウットリ、早くも赤羽ワールドに浸食され気味です。

さらに番組の反響を3人にインタビュー。山田さんいわく、この『東京都北区赤羽』は「これまでで一番反響がありましたね」とのこと。俳優さん方も大注目だったようで、小栗旬さんから突然連絡が来て「あれ、なんなの?」と聞かれたり、江口洋介さんに呼び出されて「俳優辞めるらしいじゃん! 何がやりたいんだよ!」と怒られたりしたそう。いやはや、しかしエピソードに登場するのが錚々たる顔ぶれ!

松江監督は、なんとあの岡村靖幸さんからLINEが来て、今度番組について対談をすることになったそう。さらには『地獄甲子園』『漫☆遊記』で知られる漫☆画太郎先生のお宅に、清野先生や山田さんとともに呼ばれて原画をもらったり…なんて展開もあったとのこと。漫☆画太郎先生に「いいよね、本気だね!」と言われて大感動したそうです。

山下監督は「ヒゲ生えたねって言われるんですよ」と。ヒゲがトレードマークの山下監督が、番組の中でいきなりヒゲを剃ってしまうのはなかなか衝撃的でした。山下監督までが赤羽ワールドに飲み込まれていく、という番組の大きな転機だった気がします。

「俺は何をやっていたんだ…。」

さてさて、ここで最初のコーナーに入ります。両監督に「いろんな意味で鳥肌が立ったシーンベスト3」を選んでいただきました。松江監督曰く、「編集中にこんなに笑ったことないですよ。全部で80〜100時間は撮ってますね。」と。そして大谷さんは「サイコロマンと鷹匠のくだりでションベンちびりましたよ…。」とかなりの衝撃を受けていたことを告白。番組前半の山場の展開、自分もたしかにガツンとやられました。

まず松江監督から。3位は、原作でも番組でも大きな役割を果たす居酒屋ちからの元マスターに、山田さんが劇の出演交渉をするシーンです。この劇は、後半の大きなキーポイントとなるもので、ある意味これがなければ話が終わらなかった、というくらい重要なもの。したがって出演交渉していくシーンも大事なんですが…、マスターが完全にろれつが回っていないんです。でも、それもマスターの味!と思わせてしまうサムシングがありました。

松江監督も「第一話だったらただの事故映像だけど、話数が進んでキャラクターが伝わっているから、このシーンがあり得るんです」、と。大谷さん「みんなで見ると、違う面白さがありますね」と感慨深げ。山田さんは一言「俺は何をやっていたんだ…。」

そして2位は、大根仁さんが「ザ・サイコロマン」を見た後の痛烈なダメ出し。ここは名言連発ゾーンでした「完全におかしくなってるじゃん!」「この映像は絶対世に出しちゃダメだよ!」という言葉に、見ていた当時も「言っちゃった!!」とゾクゾクきたものです。「表舞台に戻ってこれなくなるよ!」というさらにきついひと言も入っています。松江監督は「人の本性が出ていますよね」と。山田さんは「オンエアで見る頃には、大根さん、正しいって思ってました」と、あえて赤羽ワールドからの脱却をアピールしていました。

そして松江監督が選ぶ1位はワニダさんと山田さんがスーパーで買い物するシーン。これ、自分も大好きなシーンなんですよ。エキセントリックな言動が目立つワニダさんが、日常的なひとりの女性として普通に買い物をしていて、その横に、大スター山田さんがひとりの人間としてスイカを持ったり自転車を押したり、非現実と現実の間が本当にふっと消えてなくなるシーン。

演技と本来の自分、作品と虚実の境が分からなくなるんです。松江監督もおっしゃっていた通り、この番組を代表するシーンだったかもしれないですね。さすがの一位でした! 山田さんは「何やってたんだろう…。どう見てもこれ、夫婦ですよね…。」とボソリ。MCの大谷さんが一言、「全部夏のせいですよね」とおっしゃっていたのは的を射ていたと思います。

「もう、どっと疲れましたね…」

さて、山下監督のランキングも行ってみましょう。まず3位に来たのが、これも名場面! 山田さんが赤羽の路上でナンパするシーン。赤羽の鷹匠、大和田さんに「鷹になりたいんです」と頼み込んだところ、鷹として出されたミッションが“女性を連れてくること”。

普通の商店街にサングラスをかけたオーラバリバリの山田さんが立っているだけでもすごい絵なのに、さらに道行く人に声をかけている! さらに無視されている! あまりにも警戒されるので、サングラスを外すんですが、今度は老若男女に握手を求められてナンパにならなくなってしまう、という。この時の山田さんの泣きそうな表情、最高なんですよ。

山下監督は「ずっと山田さんに対してビビってたんだけど、あの顔を見た時、唯一上に立てたと思った。天下の山田孝之が、ナンパしてるんですよ!」と告白、その山田さんは「すごい老けてましたね…。」と言葉少な。や、あのシチュエーション、かなり消耗すると思います。そしてそれを映像として残して放送したという事実、本当にすごい!

さて第2位は、番組中で制作された「ザ・サイコロマン」の映像を綾野剛さんに見てもらったあとのひと言。綾野さんが山田さんに「俺はお前をもっと好きになったよ」と戸惑いの表情を浮かべながらも伝えます。

山下監督は「これこそドキュメンタリーですよね。こんな言葉、普通出てこないですもん。」と。確かに、作られたセリフではないリアルさがそこに転がっています。山田さんは「彼も舞台の本番中だったから、おかしかったんだと思います。」と語っていましたが、ちょっと照れ隠し感もあるのでは? 山田さんと綾野さん、本当に親友なんだなぁという関係性が伝わる良いシーンでした。

そして第1位、これも「ザ・サイコロマン」関係です。撮影中にマスターが噛みまくり、それでも山田さんと山下監督が一生懸命に撮影。マスターと奥さんの悦子さん、そして清野先生も熱演で応える、という前半の核となるシーンです。映像を見ての感想でも「四次元・五次元的」と称されていましたが、マスターの噛み方が尋常じゃないんですよね。作られたものでは表現できない不思議な味があります。

そして松江監督はこのシーンを「カメラマンが山下監督まで切り取っているんですよね。」と指摘。そう、この番組を通して、山下監督のキャラクターがどんどん浮き彫りになっていく姿も見所です。イベントはまだまだ序盤なのですが、この時点で盛りだくさん感は十二分! 山田さんも「もう、どっと疲れましたね…」とおっしゃってました。たしかにたしかに!

ここで斎藤さんに続いて2組目のライブ。オープニングテーマの『中庸平凡パンチ』を担当したスチャダラパーの登場! そうそう、この日は療養中だったSHINCO氏も復帰していました。BOSEさんは「いや、なんだか出方もおかしいよね。帰ったら今日は塩風呂でも浴びないと。清野くんに誘われて赤羽に行くと、帰ってきたから何か乗っている気がするの。重たいんですよ!」と赤羽トーク。

ANI氏は「この曲、地方でやっても反応がね。「赤羽?ハテ?」ってなるもん。」とぶっちゃけ。BOSE氏は「今日は完全ホームですよ! ここにいる人、みんなこの曲好きなんでしょ?」と問いかけると会場は大歓声。ANI氏がすかさず「エンディング聴きにきたんでしょ?」とツッコミ。この辺りのトークテンポ、さすがです。BOSE氏が「やったことない人もプチャヘンザ! イエーもやるところあるし!」と煽って煽ってサウンドをドロップ! この曲、ライブで聴いてもかっこいいし、低音もしっかり出るリキッドルームに合っていましたね。

「山田さん! 昔に戻ってますよ!」

大盛り上がりのスチャダラパーによるライブ後、大谷さんが「いよいよ登場!」と呼び込んだのは、赤羽軍団の面々! 「東京都北区赤羽」の清野とおる先生、そして作品中でも重要人物である居酒屋ちからの元マスター、その奥さんの悦子さん。

さらに清野さんの赤羽飲み友達の赤澤氏、ナイトレストランマカロニのマスター、占い師「赤羽の母」、作品中で山田さんを説教しまくり、愛嬌と怖さを同時に兼ね備えた稀有なキャラクターを見せつけるジョージさん、山田さんにナンパさせた赤羽の鷹匠こと大和田さんに、この日急遽かけつけたタイ料理屋の有名おかみワニダさん、そして先ほどのライブも素晴らしかった斎藤さんと、まぁもう原作好き、番組好きにはたまらないオールスターと言っていい顔ぶれ。特にワニダさんは会場でも大人気で、「絶好調!」シャウトで会場を沸かせておりました。

清野先生による紹介の後は、赤羽軍団のひとりずつからコメントが。赤澤氏はもう原作そのままの軽いノリで「今日はあざーますー!」とご挨拶。ちからの元マスターは「はじめまして…。ちからマスターです。ろれつが回ってなくてすいません…。」と。

一方マカロニのマスターは「よろしくお願いします! いやぁ、その節はお世話になりました。番組に出てからは、お店にお客さんが本当にいろいろなところから来てくださって。」とご挨拶。日本中からお客さんが? と思いきや「神奈川の小田原に、厚木。埼玉の大宮、鳩ヶ谷からも…。」って結構近場ばっかり(笑)。

さらに赤羽濃度を高くしてくれたのがジョージさん。「ジョージくんです!」と自己紹介を始め、最終的には「人生って〜不思議なものですね〜♪」と歌ってしまうというトゥーマッチ感。や、これはなんだかすごいことになりそうですよ!

このメンバーが揃ったら、フリートークコーナーへと雪崩れ込むのは必至。まずは「作品に出て変わったこと」。赤澤氏は「チヤホヤされますよ〜!うれしっすね〜!ウホッ!」とあくまで軽〜いノリ。マカロニのマスターに至っては「店にお客さんがやたら来てくれて!もう迷惑なぐらいですよ! そこにいる方、そこにいる方もこの前来てくださって。帰りは一緒に帰りましょうね。」とほがらかトーク。ステージで演者さんからお客さんに「今日は一緒に帰りましょう」って言うのは、はじめて聞きました(笑)。

番組中では山田さんにお説教することも多く、何かと目立っていたジョージさん、ここでも「一緒に写真撮らせてくださいって言われるよ! でも変なの写ってないかい?って聞くんだよな。変なの写ってたら呪いのビデオ制作委員会に送ったらいいって…」とロングトークを始めだすんです。もう、赤羽軍団の皆さんが本当に原作&番組そのまんまなんですよ!

続いてのフリートークテーマは、「番組にダメ出ししたいこと」。ここでもジョージさんが飛ばしておりました。「もっと可愛く撮って欲しかったよな! だって俺、結構可愛いだろう?(場内ざわざわ)なんだよ! そんなに俺が嫌いかよ? はい、ジョージくんのこと可愛いと思う人〜?(場内の半分ほど、「はーい!」)。今なぁ、手を挙げなかったやつ、ブッ殺す!!」もうね、ネタとして出来上がりすぎなんですよ。

続いての鷹匠の大和田さん「あの、出演シーンのね、髪の色が、あまりにも黄色すぎて…。」とナナメ上のダメ出し。それにはすかさず山下監督「や、僕らは何もしてないです。そちらの染まり具合です。」とレスポンス。さらに続いてジョージさんが絡みます。

「そもそも、なんで大和田だけ合コンセッティングしてもらってるんだよ! 気にくわないよ!」と言い出すと、山田さんが「…あの、僕が鷹になりたかったんです。だから、鷹になるために、合コンをセッティングして…。」と番組そのままの返答を。なんだか山田さんの目つきも赤羽時代に戻っているような…? これには思わずMCの大谷さんが「山田さん! 昔に戻ってますよ!」とツッコミ。この流れも最高でしたね。完全に恵比寿が赤羽に侵食されてきましたよ。

まだまだ続く、スーパー赤羽タイム。今度はちから元マスターと悦子さんが「ザ・サイコロマン」の主題歌を弾き語りしてくれます。生でこの曲が聴けるなんて…これも感無量! この歌、マスターのヨレっとした声もいいんですが、悦子さんが入れてくれる「もんじゃやき〜♪」「だぜ、だぜだぜー♪」っていう合いの手もとっても素敵。聴いていてじわっと胸が熱くなるような感覚でした。

聴き終わった山田さんがマスターと悦子さんをやさしく見ながら「いや…素晴らしい…。悦ちゃんは、必ず入りが遅れるんだよね(笑)。」と悦子さんを愛称で呼んでいたのもいいシーンでした。山田さんが、もう本当に完全に赤羽ワールドの住人に戻っている瞬間でした。

「赤羽ではよくあること。」

さらに、特濃すぎる赤羽コーナーが続きます。清野先生秘蔵の赤羽動画! 赤羽の非日常な日常を携帯で撮った動画なのですが、これがまた強烈で…。

1本目が、赤羽の駅前で酔ったおじさんに清野先生&赤澤さんが絡まれているような、気合を入れてもらっているような、謎のシチュエーションが延々と。大和田さん曰く「赤羽ではよくあること。」だそうです(笑)。他にもブリーフおじさんなど、かなりハイブロウな動画の数々。ちから元マスターによれば「赤羽のワンカップおじさんっていうね、集団がいるんです。風習ですね。代々、これ、受け継がれているんです。」とご説明がありました。ううむ、さすが赤羽!

そして最後は、原作ではおなじみ、孤高の超絶ホームレス芸術家、ペイティさんの動画! ペイティさんがあの名曲『セットされた未来人』を歌う動画がリキッドルームで大公開されてしまいました。原作を知っていたら狂喜乱舞な展開なんですが、原作を知らない方には、かなり衝撃的な映像だったかも…。動画を見ている間の会場のザワザワ感はたまらないものがありました。

実は、清野先生が山田さんにペイティさんの動画を見せるシーンも「東京都北区赤羽」用に撮影されていたそうなんです。しかしそのシーン、残念ながらお蔵入りになったそう。うーむ、見たかった…。

続いてステージに登場したのは、山田さんの美しいふたりのお姉さん。女優の椿かおりさんと、歌手のSAYUKIさんです。このおふたり、番組内で鷹となった山田さんが、鷹匠の大和田さんの合コン相手として連れてくる、という展開で登場。実の姉を合コンに連れてくるという驚愕の展開に、TV視聴時に思わずのけぞってしまいました。

実は山田さんとふたりのお姉さんは、同じステージに立つのは初めてだそうです。山田さんは「いつか3人で仕事できたら面白いね、って言ってたんですけど、それが赤羽の合コンになるとは…申し訳ない。」と語ってらっしゃいました。いやいや、そういう奇跡が起きるのが赤羽ワールドですよ! 真ん中のお姉さんであるSAYUKIさん、『I LOVE YOU』を熱唱。ステージ上の赤羽軍団が体育座りで聴いている絵も最高です。ここで一旦赤羽軍団が退場。いよいよイベントも大詰めです!

「アカバネーッ!」

ステージ上はセッティングで大忙し。これからはじまるのがスペシャルステージ。番組のエンディング『TOKYO NORTH SIDE』の作曲を手掛けた吉井和哉さんの登場です。

ロックスターの登場に、会場は大歓声、吉井さんは「みなさん、おめでとうございます!(イベント参加に)当たったんですよね?」と盛り上げます。もちろん披露するのは『TOKYO NORTH SIDE』。吉井さんの特徴的な声もまた格別。楽曲自体も良いんですが、ライブで聴くとベースがめちゃめちゃカッコいいんですね。これもリキッドルームで聴けて良かった!

そしてさらに、山田孝之さんがPVに出演した『ビルマニア』まで! これもかなりの盛り上がりでしたね。会場に向けて「アカバネーッ!」とシャウトするのはかなりレアでしょう。ファンの方にはたまらなかったんじゃないでしょうか?

パフォーマンス後に山田さんと両監督、そして清野先生がステージ上で感想をおっしゃっていたんですが、清野先生が「僕もずっとTHE YELLOW MONKEY大好きだったんですけど、あの、僕が漫画を描いたらいつのまにか吉井さんと同じステージに立っているっていう、風が吹いたら桶屋が儲かるというか、バタフライエフェクトというか…。」ともう完全に舞い上がっていたのが最高でした。

吉井さんご自身から、何度か「山田くんと一緒に歌いたいよ!」とおっしゃっていたので、いつか吉井&山田ヴァージョンで『TOKYO NORTH SIDE』が披露される事もあるのでは…期待大!

「また、山田くんがおかしくなったら赤羽に行きましょう。」

いよいよイベントはラスト。最後は番組ゆかりのグッズを大放出、という太っ腹なコーナーです。まずは山下監督の監督作DVD(山田さんが買ったけど未開封)にサインを入れて。そしてレッドウィングマークが入ったブーツも、レッドウィングマークの入ったTシャツも大放出。番組内では「もうこれでGUCCIじゃないです。」って言って山田さんがタグを切っちゃったやつですね(笑)。

そしてそして、山田さん着用のザ・サイコロマンTシャツまで!さらにマスターによる掛け軸「世の中捨てたもんじゃねーぜ」と、さらに綾野剛さんの掛け軸「人生×人」、そして赤羽の母による無料占い権。あまりにもレアな1点ものばかり。当たった方、本当にうらやましいです。

さて、グッズ放出コーナーのラストを飾るのは、鷹匠大和田さんの連絡先! もちろん大和田さんは女性に渡ることを期待していたのですが…。1回目の抽選で出てこず、2回目の抽選でも出てこず。何度抽選しても、当選者が全然名乗り出てこないんですよ。果たしてその番号の人は帰ってしまったのか、それとも番号受け取り拒否なのか…。

大谷さんが「これは、ええ…。帰られてますね…。」とフォローを入れて3回目の抽選、やっぱり出てこない! 山田さんも思わず「おい!いるだろう!」と呼びかけるもやーっぱり出てこない(笑)。4回目、大和田さんが番号を読み上げると「ワァ!」という声にならない声が。やっと当選者の方がいたんです。でもその方「私…主人がいます」と衝撃の告白。ここで山田さんが驚愕の決断を下します。「独身女性が出るまで引きましょう!」と。いや、そういうイベントなんですかこれ?!(笑)。

そして運命の5回目、大和田さんの読み上げた番号は…会場にいた! みんなで固唾を飲んで見守ります。「結婚はしてらっしゃいますか?」「独身…です!」「鳥は好きですか?」「好き…です…」おめでとうございます! カップル成立です! って、そういうイベントじゃないですけども(笑)。スペシャルイベントにして、ついに山田さんが本当の意味で大和田さんの鷹になった瞬間でした。いや、この時点でイベント開始から3時間近く経ってましたからね。最後でまた怒涛の展開をしてしまうのが赤羽パワーということでしょうか。

イベントの締めくくりは全員集合での大団円。山下監督は「アカイヌ、いや、アカバネ…。もう、よくわかんないことになって…さっき、みんな『I LOVE YOU』聴きましたよね? 体感時間がおかしくなってますよ」と。そうそう、もう盛りだくさんすぎて訳がわからないイベントでした。

そして松江監督は「本当に少人数で制作した作品が、ここまで広がるとは…。また、山田くんがおかしくなったら赤羽に行きましょう。」と締めてくださいました。いつか、山田さんが赤羽に戻る日は来るんでしょうか?そんな日がまた来てほしいような、あの夏だけの思い出になるのも美しいような…。

ラストは「山田孝之の」「東京都」「北区」「赤羽〜!」というコールアンドレスポンスで会場が一体に。照れながらも会場に呼びかける山田さん、そこには赤羽ワールドに染まった山田さんも、日本を代表する俳優の山田さんも、いろいろな山田さんがまとめてそこにいるような感がありました。虚々実々の赤羽ワールドが、しっかりと山田さんの一部に吸収された、ということなのかもしれません。

現実も虚構もない!「人生が芝居なんだよな!」

振り返ってみると、このイベントを通して、赤羽を一度出た山田さんが、どこかにまだ赤羽的な何かを残しつつ、それでいてひとりの役者、山田孝之としてここにいる、という姿が明確になった感がありました。山田孝之さんの赤羽を通じた自分探しは、ここで一件落着、というところでしょうか。

この「自分自身を探す」というテーマは、番組のひとつの柱でした。イベントの最初に歌われた斎藤さんの『永遠の、少年』では「生きる意味をください。死にゆく意味をください。」と歌われます。番組のオープニングでもエンディングでもなかった『永遠の、少年』からこのイベントが幕を開けた、という構成は、非常に心憎いものだったなぁと思います。

さらにオープニングの『中庸平凡パンチ』でも「Searchin’ Searchin’」と繰り返されますし、エンディングの『TOKYO NORTH SIDE』のサビでも「見つけてみせる RED WING」と歌われているんです。番組全体を通して見ても、自分自身を探して赤羽にたどり着いた山田さんが、最終的には自分自身が役者として生きている/生きていくという当たり前の事実にたどり着いて赤羽を出ていく、という展開でした。なんというか、まるで童話「青い鳥」のような(赤羽なのに!)、禅絵の「十牛図」のような流れです。振り返ってみると自己探索の王道だと言えるでしょう。

そんな山田さんを迎え入れ、そして送り出した赤羽軍団の強烈なキャラクターも印象的でした。普通、1000人規模のステージに立ったら、緊張していつもの通りに出来なくて当たり前だと思うんです。でも、赤羽軍団の誰ひとりとしてキャラクターのブレを感じさせなかった。あまりにも原作や番組そのままで驚きました。

満員のリキッドルームで、自分の個性を無自覚でも丸のまま出せる…それが赤羽の皆さんの強度なのかもしれません。現実も虚構もない! ただそこにいるだけなんです。番組中のジョージさんの名言を借りれば「人生が芝居なんだよな!」を地で行っている人たち、ということになるでしょうか。

このドキュメンタリードラマが、どこまで脚本があり、どこまで意図されずに展開していったものなのか、それはわからないですし、むしろわからないところがとても良いのだと思います。MCの大谷さんも序盤で「裏話とか聞きたくないですもん。この番組が好きすぎて」とおっしゃっていましたが、まさにそれです。目の前にある、それこそが虚虚実実ひっくるめた赤羽ワールド、ということだと思います。

いかがだったでしょうか、「山田孝之の東京都北区赤羽」レポート。異例なほどの長文になってしまうぐらい凄いイベントだったこと、凄い番組だったことを少しでも感じていただければ幸いです。自分もいつか、非日常の日常を探して、赤羽の町を歩いてみようかな…。今回のレポートは以上です。