プロでもやっちゃう! プロ棋士の反則負けってけっこうあるのだ「王手放置」「盤上から落ちた駒を使った」
■プロ棋士でもふっと油断してしまう……
まず先に紹介した「ニ歩」ですが、実はプロ棋士の反則負けで一番多いケースだったりします。過去に40回以上起こっているそうです。一番有名なのが1970年代から活躍している淡路仁茂九段。過去に4度ニ歩で反則負けをしています。他にも山崎隆之八段が2度経験しています。橋本崇載八段の前は、郷田真隆九段や佐藤慎一五段などがニ歩負けを経験しています。
●「二手指し」
相手が駒を指す前に続けて指してしまう反則が「二手指し」です。これもプロ棋士で多い反則。過去には淡路仁茂九段が2度この反則で負けとなっています。他にも、最近ではバラエティー番組への出演で人気の加藤一二三九段が二手指しをしています。このときは一度離席しており、離席している間に相手が指したのだと勘違いしての反則だったそうです。また、「対局開始時に後手なのに先手と勘違いして最初に指す」という反則もありました。
●「王手放置」
王手されている状態なのに、王手を回避しない場合は反則です。また自ら相手が有利になる位置に移動する「自玉を相手駒の利きにさらす手」というのも反則になります。「プロでまさか……」という反則ですが、過去には何度もこの反則がありました。例えば石田和雄九段。相手の加藤一二三九段に王手されているにもかかわらずそれを放置し、相手の玉に王手をかけて反則負けになりました。ちなみに、プロ棋士とコンピューターの対局で、コンピューター側が王手放置をして反則負けをした記録もあります。
●「移動間違い」
駒が動けないはずの場所に動かしてしまう反則。これも何度も起こっており、2000年には勝又清和六段が動けない場所に動かして反則負け、2003年には沼春雄七段が成れない駒を成り、反則負けとなっています。他にも駒を飛び越えてしまったりして反則になった、というケースもあったりします。プロでもこうしたミスをしてしまうのです。
こうした反則負けがプロ棋士でも特に多いそうです。他にも珍しい反則負けもあります。いくつかご紹介しましょう。
●「自分の駒を取る」
2008年の国際将棋トーナメントで起こった反則負け。将棋好きで知られる漫画家、コメンテーターのさかもと未明さんが日本代表で出場しましたが、自分の歩を自分で取ってしまいました。これはもちろん反則です。残念ながら負けとなってしまいました。
●「盤上から落ちた駒を使った」
1974年に行われた女流プロ名人位戦、関根紀代子ニ段と寺下紀子初段の対局(段位は当時のもの)で起こった反則負け。この対局では、関根紀代子ニ段の衣服に盤上の香車が引っ掛かり駒台(取った駒を置く台)に落下。それに気付かず使ってしまい、反則負けとなりました。
●「待った」
将棋では「いったん駒を動かした後にもう一度やり直す」ことは「待った」という反則です。2005年の銀河戦、加藤一二三九段が桂馬を動かして指を離した後にもう一度桂馬を動かしてしまいました。対局時は反則とはなりませんでしたが、後に対局を見た視聴者から反則ではないかとの問い合わせがあり、正式に反則であると認定されました。これも珍しい反則なんだそうです。
プロ棋士の反則負けの事例をピックアップしてご紹介しました。数え切れないほど将棋を指してきたプロでも、こうしたミスをしてしまいます。一瞬の油断やうっかりもありますが、それだけプレッシャーのかかる競技ということなのでしょうね。
(中田ボンベ@dcp)
