どっちが苦しい?石川遼と池田勇太。
そんな中、練習日の石川と池田の表情や様子を比較してみると、結構、対照的なものが感じられた。
一方、石川は「僕が優勝しないい限り、賞金王にはなれない」というフレーズを会見で2度も繰り返した。2度繰り返すところに彼の胸の中にあるであろう切羽詰まったものが伝わってきた。昨年は最終戦で優勝せずとも賞金王になれた。しかし今年は優勝が絶対条件。それだけでも石川にとっては苦しい状況だが、昨年と今年で一番違うのは、賞金王の「2年連続」がかかっているところだ。1度できたことは2度できると思われがちだし、今年も石川に賞金王になってほしいと願うのはファンの当然の心理。そのあたりに敏感な石川だからこそ、優勝して2年連続賞金王になりたいという気持ちが、「漠然」ではなく「絶対」になっていくのだと思う。
とはいえ、それが簡単ではないことも石川は十分に承知している。「優勝しようと思ってもできるもんじゃないし、僕より上位にいい選手がいれば優勝できない。最終日に最終組に加わっていること、その場所にいることが大切」と自らに言い聞かせるように意気込みを語った。
そんな2人を比べてみると、賞金王になれる可能性がより高く、賞金王をすでに経験した実績のある石川のほうが、精神状態はやや苦しいように思う。賞金王を競い合う金と石川の2人が自分より上に位置している分、可能性が低い池田のほうが開き直りやすい。だから「ただ勝ちゃいい」というシンプルな言葉になる。
メンタル面に差はあれど、あとは72ホールをプレーするのみ。3人のうち誰が賞金王になるとしても、日本ツアーを最終戦まで盛り上げている3人は今季最大の貢献者だ。誰もが悔いの残らないゴルフをしてくれたらいい。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)