日テレNEWS NNN

写真拡大 (全21枚)

日本銀行は16日、政策金利を1.0%に引き上げることを決めました。「金利引き上げ 生活への影響は?」をテーマに、ここからは日本テレビ経済部・日銀担当の安藤翔キャップとお伝えします。

■日銀が31年ぶりの「1.0%」へ利上げ

まずは16日の動きから見ていきます。

日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を現行の0.75%から1.0%に引き上げることを決めました。1995年以来31年ぶりの高い水準です。

■利上げの背景 日銀、物価上昇を抑えたい狙い

──なぜ今回金利引き上げとなったのでしょうか。

今回の金利引き上げの目的は、物価の上昇を抑えるためです。中東情勢が悪化して以降、特に幅広い品目で値上げの動きが出ています。日銀の関係者からは「物価の上昇ペースが思った以上に速い」「今のうちに水をかけておかないといけない」といった声が聞かれていました。

──物価上昇を抑える効果ってどれくらい期待できるものなのでしょうか。

即効性のあるものではないのですが、世の中に出回るお金が減るので、先を見据えて今のうちから少しずつ金利を引き上げることで、物価の上昇を抑えたい狙いが日銀にはあります。

■預金利子は増えるが「インフレに勝てるほどプラスではない」

──となると金利上昇のメリットは感じにくいということでしょうか。

身近なメリットとしては次のようなものがあります。

銀行各社が預金金利などを引き上げる可能性が高いため、銀行に預けているお金の利子が増えることになります。みずほ総合研究所の試算によりますと、利子の増加分は1世帯あたり平均で年間およそ3万円の「プラス」になるということです。

ただ、みずほ総合研究所はこのプラスは「インフレに勝てるほどのプラスではない」とし、現在の物価上昇のスピードには追いつかないとみています。

■デメリット 住宅ローン負担増、20〜30代は年約4万円のマイナス試算も

──デメリットとしてはどういったことがあげられますか。

デメリットとしては、住宅ローンなどへの影響があげられます。住宅ローンなどの負債を抱えている世帯は、銀行の利子で収入が増加したとしても年間1.2万円の「マイナス」が見込まれます。特に、20代〜30代の若年層となるとその負担額は増加し、1世帯あたり年間およそ4万円の「マイナス」になるということです。

■ 住宅ローンへの影響 利用者の75%が「変動金利」を選択

──住宅ローンを利用している人、全員に影響するのでしょうか。

どういう人に影響があるのかを見ていきます。

住宅ローンには利率がずっと変わらない固定金利と、情勢にあわせて利率が変動する変動金利の2種類があります。

返済が終了するまで利率を固定させる設定をした人は影響はありません。

影響が大きく出るとみられるのは、日銀の政策金利と連動している変動金利です。リスクがある分、固定金利よりも利率が低いというメリットもあり、住宅金融支援機構によりますと、今年1月の時点でおよそ75%がこの変動金利を選んでいます。

■変動と固定の「ミックスローン」を選択した夫婦を取材

中には、金利の上昇を見込んで変動金利と固定金利、両方を選んだ方もいます。

双子のお子さんがいる30代のご夫婦です。3年前、東京都内の土地を購入した際、選んだのが固定金利と変動金利半分ずつのミックスローンです。

固定金利の方は契約当初と変わらず1.4%ですが、変動金利は当初0.3%だったところ、今月からは1.049%になったといいます。さらに16日の日銀の決定を受けて1.3%ほどと、固定金利に近い水準になると見込んでいました。

ミックスローンを選択したことについては。

ミックスローンを選択 中井さん(30代)
「金利上昇局面においてリスクヘッジできたのはいいところ。これから子どもにかかるコストなども見えない中でも、いい教育をさせてあげたい、という思いは親としてある」

■35年・5000万円の借り入れ…「月々5900円 増」の試算

すでにローンを組んでいる方で、具体的な試算を紹介します。

35年で5000万円を借り入れた場合、変動金利で当初1.0%だったのが1.25%になりました。毎月の返済額がいくら変わるかというと、5900円増える計算になります。

■住宅ローンアナリスト“金利上昇への対策は2つ”

──金利が上昇する中でどうしていくのがいいんでしょうか。

住宅ローンアナリストの塩澤崇さんによりますと対策は2つ。1つ目は、銀行同士の変動金利を比較して、より低い金利への借り換えです。

借り換えには手数料なども発生しますが、わずかな金利差でも最終的な返済額に大きな差が出る可能性もあるので、見直すことが大切だといいます。

2つ目は、投資です。焦って繰り上げ返済などをするのではなく、その資金を有効に使いNISAなどで長期・分散・積立投資してインフレを家計に取り込むことも選択肢の1つだということです。

■固定との差は過去最大、今から借りる人こそ“変動にメリット”

──今から借りる人は変動金利と固定金利、どちらがいいのでしょうか。

実は今からの人こそ変動の方がメリットがあるといいます。なぜなら長期金利と連動する固定金利は中東情勢の影響などですでに上昇していまして、変動金利よりも大幅に利率が高い状態です。塩澤さんによりますと、その差は2%以上。これは過去最大の開きなんです。

今後、金利の引き上げが何度か行われることを鑑みても「すぐには、変動金利が固定金利を上回ることはない」ということでした。

──それでもやはり変動ですので、この先上がっていくことを考えると、最初、変動金利でローンを組んでいた人が、固定金利に変更することも、できなくはないですよね?

プランの変更、借り換えというかたちで可能ですが、ローン残高や手数料など、状況をよく見て、検討することが大切かと思います。

少しの金利の動きでも私たちの家計に大きく影響してくるので、しっかりとチェックしていきたいですね。

(6月16日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【#みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)