【篠塚和典氏が語る長嶋茂雄監督との日々】高卒ドラフト1位で巨人入り「指名してくれた長嶋さんに恥をかかせちゃいけない」「タイトルを取ることが恩返しだと思った」
華麗な守備で5回のベストナイン、4回のゴールデングラブ賞受賞歴があり、二度の首位打者も獲得している篠塚和典氏は、長嶋茂雄監督率いる読売巨人軍にドラフト1位指名され銚子商業高校から1976年にプロ入りした。長嶋監督の思い出について、篠塚氏に聞いた。
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長嶋さんは勝負師なので、「あきらめるな」という言葉を常に口にしていた。「安心するな」ともよく言われた。今日がよくても明日はどうなるかわからないのがプレーヤーの宿命。「常に上を目指すという気持ちで戦え」と言われ続けました。
高卒の私をドラフト1位で指名してくれた長嶋さんに対しては「1位指名してくれた長嶋さんを裏切れない。恥をかかせちゃいけない」という思いだけで現役を続けてきました。タイトルを取ることが長嶋さんへの恩返しだと思ってずっと必死にやってきた。
監督と選手の立場になっても、テレビで観ていたのと同じように憧れの気持ちは変わらなかったですよ。常に長嶋さんの姿を探していた。打撃練習をしていても、長嶋さんに見てもらいたい、声を掛けてもらいたい。その一心で頑張った。
そんな長嶋さんはすべての面で私のお手本でした。人から見られることを意識すると、グラウンドの内外でいい加減なことはできなかった。
でも、どんな時でも冗談を言ってファンを笑顔にさせるサービスは忘れない──そこだけは、真似しようと思っても真似ができなかったですね。
打撃不振になってもアドバイスはなし。自分で解決しなさいというやり方だった。でもレギュラー争いをしている時は「腐るな。絶対にチャンスが来る。その時にものにするためには常に試合を意識しながら練習をしろ」と励まし続けてくれた。今も長嶋さんは私の中で生き続けています。
取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2026年6月19日号
