福島県の磐越自動車道で車2台が絡む事故があり、新潟市の高校生・稲垣尋斗(ひろと)さん(17)が死亡し、26人がけがを負った。警察はマイクロバスの運転手がハンドル操作を誤った可能性もあるとみて調べている。

【映像】事故直後のマイクロバス(実際の様子)

 ニュース番組『わたしとニュース』では、この事故をめぐる学校側の安全管理や部活動のコスト問題について、弁護士の三輪記子氏とともに深掘りした。

◾️経費を抑えるための「白バス的行為」と不明確な責任の所在

 捜査関係者によると、現場には目立ったブレーキ痕はなかった。警察は、運転していた68歳の無職の男性がハンドル操作を誤った可能性もあるとみて、けがの回復を待って事情を聴く方針だという。

 一方、亡くなった稲垣さんが通っていた高校では7日朝に全校集会が開かれ、同日夕方には保護者向けの説明会も予定されている。

 事故当時、バスには北越高校の男子ソフトテニス部員が20人乗車していた。強豪チームだったというが、学校側は経費を抑えるためにレンタカーの手配や運転手の紹介をバス会社に依頼していた。バス会社は手配に対する金銭は受け取っていなかったという。

 蒲原鉄道の茂野一弘社長によると、「マイクロバスは普通の自動車免許では運転できないので、ドライバーを紹介いただけないかということだった。営業から運転できる人間を紹介した」ということだ。同社としては持病やドライバー歴は全く把握しておらず、金銭的なメリットのないボランティア的な紹介だったと説明している。

 生徒が亡くなった裏に潜んでいたずさんな管理体制について、三輪氏は次のように語った。

「第一報を聞いた時には、学校の安全管理について、どういう仕組みになっていたのかが一番気になった」

「会見を聞いて思ったのは、いわゆる『白バス』的な行為で、本来的にはちゃんと有償でやるべきこと。また無償か有償かには関わらず、そういう資格のない人がやったことが問題になるのではないかと感じた」(三輪氏、以下同)

 全体像から見て、事故の責任の所在についてはどう考えられるのか。

「バス会社は紹介しただけで何もやってないわけじゃないですか。安全配慮義務違反は学校が問われるのかなと思う。また今回、バスの運行についてバス会社が責任を持ってやっているケースではなく、責任の所在が不明確になっていること自体が良くない。そういう環境に置くこと自体が不適切だと指摘できる」

◾️部活動の移動中に起きた事故…コスト負担のあり方は?

 部活動における、学校のあり方やコストの負担についてはどういった問題が考えられるだろうか。

「部活動をすること自体はいいと思う。それにかかるコストを誰がどのように負担するのが子どものスポーツにとっていいのかということ。もちろんお金をかければいろいろなことができる。でも、お金を保護者が負担するとなると、お金持ちしかスポーツができない環境になってしまう。それは不適切ですよね。じゃあ学校が負担するのかというと、学校にも負担の限界はある。あるいはいろいろな競技との兼ね合いもある。強い競技だけ支援するのかなど、実はいろいろな問題をはらんでいると思う」

「この問題は修学旅行でも同じだと思うが、目的と手段を分けて考えること。目的はどうなのか。手段がどうなのか。目的がよければ手段は何でもいいわけでもないし、逆もまたしかりだ」

 今回のケースでは、部活動のために移動するという目的があったが、今後どのようにしていくべきなのか。

「例えば、『公平性』を厳密に考えると本当に行き詰まってしまうと思う。だけど、子どもがスポーツをやりたいと言った時にできない方向に向かうのではなく、どうすればできるのかを考えていかないといけないし、これは本当に難しい問題だと思う」

(『わたしとニュース』より)