「こっちのおじいちゃんはケチだ!」小3孫の無邪気な言葉に絶句…〈年金月24万円〉〈貯蓄1,500万円〉75歳夫婦が突きつけられた“祖父母格差”

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75歳の夫婦は、限られた収入のなかで家計をやりくりしながら、堅実に老後を暮らしてきました。ところが、遊びに来た小学3年生の孫が口にしたひと言に、夫婦は言葉を失います。そこに浮かび上がったのは、“祖父母どうしの経済格差”という、見過ごせない現実でした。

「おじいちゃんのケチ」…孫が放った衝撃のひと言

地方在住の加藤誠一さん・栄子さん夫妻(仮名・ともに75歳)は、連休に遊びに来た小学3年生の孫・健太くんから放たれた言葉に絶句しました。


「えー、1,000円? 向こうのおじいちゃんは、この前おもちゃ屋さんで『好きなの選んでいいよ』ってゲームのソフト買ってくれたよ。こっちのおじいちゃんはケチだ!」

ポチ袋に1,000円を入れて、渡したときのひと言。子どもなので、悪意があったとは思っていません。ですが、加藤さん夫婦に「今のままでは、少なすぎるのか」と考えさせるには、あまりに正直な言葉でした。

加藤さん夫婦にとって、健太くんは6番目の孫。一方、健太くんの母方の実家(あちらの祖父母)にとっては、彼が待望の「初孫」でした。この立場の違いが、孫への支出格差を生んでいたのです。

「あちらは初孫だから、お金のかけ方がすごい。誕生日やクリスマスだけでなく、何でもない日にも高価なプレゼントを渡しているらしくて。うちは6人も孫がいるから、一人ひとりにそんなお金は出せませんよ。年齢に合わせてお年玉や誕生日をあげて、それ以外は、気持ちばかりのお小遣いだけ。できるのは、その程度です」

そう誠一さんは肩を落とします。

加藤家の世帯年金月額は約24万円、貯蓄額は1,500万円。今後の介護費用や住宅の修繕、生活費を考えると、すぐに困窮する家計ではありませんが、余裕があるともいいきれません。向こうと同じ水準で孫資金を使えば、老後破綻は目に見えています。

妻の栄子さんもこう言います。

「相手が子どもでも、比べられると辛いものがありますね。あちらに合わせて無理をすべきなのか……」

本当の貧しさとは「見栄を張って迷惑をかけること」

ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2025」によると、直近1年間に孫のために使った金額の平均は約11万3,000円。1ヵ月あたり約9,400円です。

また、祖父母が子や孫の生活費を負担しているケースも少なくありません。内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査」では、「同居・別居を問わず、子や孫(その配偶者・パートナーを含む)の生活費を負担していますか」との問いに対し、「ほとんど負担している」が6.6%、「一部を負担している」が18.6%。高齢者のおよそ4人に1人が、程度の差こそあれ、子や孫の生活費を支えていることになります。

孫を思う気持ちから、財布のひもが緩む祖父母は少なくありません。ただし、父方の祖父母と母方の祖父母、それぞれに資産や環境の違いがあります。「祖父母間格差」を気にして無理をしてしまうと、最終的に困るのは自分たちです。

だからこそ、相手側に合わせるのではなく、“我が家のルール”で孫にかける予算を決めるのが鉄則です。

孫が多いのであれば、「お年玉は一律〇〇円」「誕生日は〇〇円」とルール化し、例外を作らない。物理的なお金ではなく、思い出や体験にシフトする方法も。「おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊んだ」「いつも美味しい料理を作ってくれた」……成長して孫の記憶に残るのは、お金だけではありません。

また、孫の言葉の背景には、親が祖父母を比較する会話を家でしている可能性もあります。自分の子世代に対して、スタンスを伝えるのも一案です。

「うちは孫が6人いるから、不公平がないように考えている。老後の自立を優先することが、結果的にあなたたちへの負担を減らすでもあるから」――と。

本当の貧しさは、見栄を張って貯蓄を使い果たし、子どもや孫に金銭的な援助を頼らざるを得なくなる状態です。自分たちの生活を守り抜く姿勢こそ、あるべき「お金との付き合い方」といえるでしょう。