金融政策決定会合を終え、記者会見に臨む日銀の植田総裁(28日、東京都中央区で)=杉本昌大撮影

写真拡大

 日本銀行の植田和男総裁は28日、金融政策決定会合後の記者会見を開いた。

 中東情勢の悪化による原油価格上昇の影響に関して、「物価上昇率が大きく上振れしていくリスクが顕在化し、それが、その後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう十分に留意する必要がある」と指摘した。

 今後の利上げなどの政策調整については、「タイミングやペースについては中東情勢の展開が我が国の経済・物価に及ぼす影響を注視した上で、経済物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していく」と述べた。その上で、「(物価上昇に対して金融政策が後手に回る)『ビハインド・ザ・カーブ』に陥ることがないよう、様々なデータや情報を点検しながら、次回以降の決定会合で、政策判断をしていきたい」とも語った。

 日銀が政策判断で重視する、一時的な変動要因を除いた「基調的な物価上昇率」については、「(目標とする2%に)完全にはアンカーされていない。ここから上下に振れやすい可能性は頭に置いている」と説明した。

 日銀は27、28日に開いた決定会合で、利上げを見送り、政策金利である短期金利の誘導目標の0・75%程度で据え置くことを賛成多数で決めた。据え置きは1月、3月に続いて3会合連続となった。

 日銀が公表した四半期に1度まとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2026年度の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率の見通し(前年度比、政策委員9人の中央値)が2・8%となり、前回1月時点の1・9%から拡大した。実質国内総生産(GDP)成長率の見通しは0・5%で、前回(1・0%)から下方修正した。