今季限りで現役引退すること発表した、りくりゅう(写真/アフロ)

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「最初に滑って手をつないだとき、運命だと思いました」──木原龍一(33才)のその予感は的中し、三浦璃来(24才)との「銀盤の舞」は多くの人を魅了、世界一の栄光を手にした。いま、その物語が終わりを迎える。しかし、それは2人の新たな関係の幕開けでもあった。【前後編の前編】 

【写真】結成直後、まだあどけない表情の“りくりゅう”ペアのツーショット。他、肩を組み、一緒に休日を楽しむ“りくりゅう”ペアなども

引退表明したその日に春の園遊会に出席 

 天に拳を突き上げ、万感のフィニッシュ。会場が割れんばかりの拍手に包まれると、それまでの力強い表情から一転して、2人の頬を大粒の涙が伝う。失意のショートからわずか24時間。大逆転での金メダル獲得だった──。 

 ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケートペアのりくりゅうこと三浦璃来・木原龍一組が優勝してから、ちょうど2か月が経った4月17日の朝。2人は連名でそれぞれのSNSにこう綴った。 

《今シーズンをもちまして現役を引退することを決断しました。(中略)やり切ったという気持ちでいっぱいで、悔いはありません。これまでのすべてが誇りであり、大切な財産です》 

 同日、電撃引退を表明した2人が向かったのは、東京・港区の赤坂御苑だった。 

「2人は園遊会に出席し天皇皇后両陛下と初対面を果たしました。両陛下にいまの気持ちを正直に伝えたいという思いがあり、その前に引退を公表することにしたそうです」(芸能関係者) 

 日本ペア史上初となる五輪金メダルを獲得した2人の心は、ミラノで完全燃焼。その後、3月末開催の世界選手権の出場辞退が明らかになると「りくりゅうの去就」に注目が集まった。 

「シーズン中から、2人やコーチの頭には『引退』の2文字がよぎっていたといいます。決断しきれなかったのは、お互いにとって、相手の存在があまりにもかけがえのないものだったから。ペアやアイスダンスでは『引退=解散』と捉え、リンクを降りた後はそれぞれの道を歩むケースが多い。 

 しかし2人はこの7年間、"公私のない関係"であり続けたわけで、そう簡単には離れられない。慎重に将来について考えた末に下したのは、今後もずっと2人でいるための前向きな決断でした」(スケート関係者) 

「木原選手はずっと変わらず律儀なかたです」祝福メールに1分で返信 

 2人は2月24日にミラノから帰国して以降、連日のようにメディアに出演し、日本列島にりくりゅうフィーバーを巻き起こした。 

「一躍時の人となった2人にはCM出演や講演会のオファーが殺到しました。4月に公開されたGoogleのCMでは、氷上で互いを撮影しながら『こけないでね』『大丈夫』といった夫婦漫才のようなやり取りが話題に。2人がかねて好きだと公言するゲーム『桃太郎電鉄』のイベントにもそろって登壇しています」(前出・芸能関係者) 

 もちろん氷上での存在感も抜群だ。4月上旬にはアイスショー「スターズ・オン・アイス」に出演。坂本花織(26才)を筆頭に五輪メダリストが勢ぞろいするなか、大トリとして登場し、五輪のフリーで演じた映画『グラディエーター』の音楽に合わせてド迫力のリフトやスピンを披露。超満員の会場はその日いちばんの盛り上がりとなった。 

「りくりゅう目当てで初めてフィギュアスケートを見に来た人も多くいました。そのときもあまりに見事な滑りだったので、いまでも『まだまだ現役として続けられるのでは』『試合で見てみたかった』と残念がる声も多く上がっている。2人はそれだけ胸を打つ演技ができるペアなのです」(前出・スケート関係者) 

 時の人となっても、彼らは自然体を崩さない。2019年に木原がアルバイトをしていた地元・愛知県の名古屋市にある総合スポーツ施設「邦和みなとスポーツ&カルチャー」で、当時、木原と一緒に働いていた飯岡裕輔さんが明かす。 

「木原選手はずっと変わらず律儀なかたです。引退を表明した日に『本当にお疲れさまでした。これからも応援しています。たくさん連絡が来るだろうから返信不要です』と連絡したら、『現役中はお世話になりました。これからもプロとして活動しようと思っているので、今後もよろしくお願いします』といった趣旨の返信がすぐに来ました。思い返せば五輪の後に連絡した際も送信から1分と経たず返事が来ました。彼は出会った人全員を大切にできるかたなんだと思います」 

(後編へ続く) 

※女性セブン2026年5月7・14日号