富士フイルム・スタジオアリス女子オープンに参戦したウー・チャイェン【写真:スポーツ報知/アフロ】

写真拡大

富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日

 国内女子ゴルフツアーの富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日が12日、埼玉・石坂GC(6580ヤード、パー72)で開催された。首位で出たウー・チャイェン(台湾)が、5バーディー、3ボギーの70で回って通算10アンダーとし、昨年11月の大王製紙エリエールレディスに続いてツアー2勝目を飾った。2022年11月、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)プロテストに合格し、日本でプレーを続ける22歳。会見では「将来は日本で女王になりたい」と語った。

 強い勝ち方だった。最終組が前半を終えて1打差に9人がひしめく状況下、チャイェンは11番パー4、12番パー5の連続バーディーで抜け出した。その後、岩井明愛、佐久間朱莉に追い上げられたが、14番パー4では5メートルのパットを沈めてパーセーブ。終盤の16番パー3で「決め手」となる4メートルのバーディーパットを決め、17番パー5では10メートルのバーディーパットで「ダメ押し」。最終18番パー4はボギーにしたが、本人は「ダブルボギーでも勝てるので」と無理をしないプレーに徹していた。

 涙した初優勝の時とは違い、満面の笑み。会見で感想を問われると「うれしいというよりも、ホッとしたという感じですね」とはにかみながら答えた。

 今季は序盤から苦しんでいた。「ショットが良い時もパットが入らない」。開幕戦のダイキンオーキッドレディスから、パットのリズムが崩れていた。さらに第2戦、母国の台湾で開催された台湾ホンハイレディースは予選落ちを喫した。

「コースも難しく、自分の調子も良くなくて……。とっても悔しかったです」

 そんな苦境を救ったのが、コーチの勧めで1か月前に手にした長尺パターだった。「試してみたらいい感じでした」。少し大きめのヘッドとともに、第3戦のVポイント×SMBC レディスから実戦投入し、前週のヤマハレディースオープン葛城で今季初トップ10の9位に入り、手応えをつかんでいた。

「まだロングパットの距離感はつかめていないですけど、短いパットは自信を持って打てています。リズムが良くなりました」

日本食は「特にお寿司が好きです」

 チャイェンは、4歳からゴルフを始めた。アマチュア時代の主な戦績は2017年全米女子アマチュア選手権3位などで、22年JLPGAプロテストに一発合格。23年にステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げて賞金ランク1位になり、24年からレギュラーツアーを主戦場にした。そして、25年にツアー初優勝。日本語は日に日に上達し、この日も優勝会見を通訳なしでやり切った。

「本やYouTubeで勉強しています。日本の生活が好きですし、食べ物もおいしくて、特にお寿司が好きです。日本のツアーはコースコンディションが本当に良くて、ギャラリーの皆さんもすごく応援してくれる。すごく楽しいです」

 日本へのリスペクトと愛を口にした後、今季の目標を問われて「年間ランキング10位以内です」と即答。「将来はアメリカツアーを目指しますか」の問いには、「まずは日本です。人生の目標が日本で年間女王になることなので」と返した。

 目標とするプロゴルファーは、自身の師匠で日本ツアー通算58勝を挙げた台湾出身の涂阿玉。可能性に満ちた155センチのチャイェンは、日本を愛しながらその偉大な背中を追っていく。

(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)