2024年、ハイチ首都ポルトープランスに派遣された多国籍治安支援(MSS)のケニア人部隊/Roberto Schmidt/AFP/Getty Images/File via CNN Newsource

(CNN)ギャングの暴力が蔓延(まんえん)するハイチの状況に対処するためケニアが主導し、米国が支援する軍事ミッション、多国籍治安支援(MSS)部隊について、隊員が関与したとされる4件の性的虐待事件に対する調査が行われた。国連が先ごろ発表した報告書で調査結果を詳述している。そのうち1件は12歳の子どもが被害に遭っているという。

報告書によれば国連は昨年、ハイチにおけるMSSの隊員による性的搾取および虐待の申し立てを4件受理。これらの申し立てはすべて、国連人権高等弁務官事務所が行った調査によって裏付けられたとしている。

これらの被害者のうち3人は子どもで、レイプされたとみられている。4人目の被害者は18歳で、性的暴力を受けたとされる。

国連の報告書はこれらの事案について、「適切な調査と是正措置」のため、MSSとその後継組織であるギャング制圧部隊(GSF)に付託されたとした。CNNはMSSの報道官にコメントを求めている。

MSSは昨年、国内の武装集団との戦いというより広範な任務を担うGSFへと組織変更された。1日にはGSFに所属するチャド人兵士がハイチに到着している。

これらの疑惑はハイチの地元紙「アイボ・ポスト」が最初に報じた。

国連のデュジャリック報道官はCNNに対し、報告書は「GSFに共有された」と述べ、同部隊は国連の監督下にないことを強調した。

米国務省報道官はCNNに対し、部隊や警察を派遣する国は自国の要員による性的虐待を防止するために「あらゆる手段を講じなければならない」と指摘。ケニアに対し「これらの疑惑を徹底的かつ迅速に調査し、調査を行った国連チームに全面的に協力し、疑惑が立証された場合は加害者の責任を追及するよう強く求める」と述べた。

ハイチは2021年、傭兵によるジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件で危機に陥った。その後はギャングが首都ポルトープランスの大部分を掌握し、当時のアリエル・アンリ首相は22年に国際軍事支援を要請した。

MSSの作戦は資金不足と人員不足に悩まされ、広く失敗とみなされた。ギャングによるハイチ市民の誘拐、殺害は続き、住民は避難を余儀なくされている。国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルク氏によると、24年の最初の5カ月間で、少なくとも2680人が殺害され、130万人以上が住居を追われた。

ハイチでの国際平和維持活動要員による不正行為が報じられたのは今回が初めてではない。CNNは以前、10年の壊滅的な地震の後にハイチへ派遣された国連平和維持軍が、ハイチ人女性との間に数十人の子どもをもうけ、その後養育を放棄していたと報じている。