メ~テレ(名古屋テレビ)

27年前、名古屋市西区で主婦が殺害された事件。殺人の罪で起訴された女に対し、被害者の遺族が、損害賠償を求める訴えを起こしました。

名古屋市に住む高羽悟さん。家族3人で過ごしてきた日々は突然奪われました。

1999年、名古屋市西区のアパートで妻の奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件。

高羽さんと息子の航平さんは毎年、情報提供を呼びかけるチラシ配りなどを行ってきました。ただ、事件は未解決のまま時が流れていきます。

ところが去年10月、急展開を迎えます。警察は現場に残された血痕のDNA型と一致したことなどから、安福久美子容疑者(69)を逮捕。名古屋地検は3月5日、殺人の罪で起訴しました。

「無事起訴できたので良かった。第1のハードルがクリアできただけで、まだまだゴールまでは長い」(高羽さん)

ゴールまでは長いと話す高羽さん。事件の真相解明を願い、安福被告に対して損害賠償を求める準備も進めてきました。ただ、提訴するためには「法の壁」があると言います。

民法では損害賠償の請求権は、不法行為から20年で消滅すると定められています。事件発生から27年が経っている高羽さんの場合、「請求できない」と判断される可能性があるのです。

「奈美子の死が無駄にならない形になれば」

それでも高羽さんが訴えを起こそうとするのには特別な思いがあります。

「20年かかった(権利が消滅した)遺族にも損害賠償の請求できる権利があるということを作っておかないと。私が諦めてしまったら、後に続く人も大変だと思うので」(高羽さん)

自分と同じ立場となってしまう人たちに道しるべを示したいと話す高羽さん。

「奈美子は自分と結婚しなければ死ぬことはなかったなと思うと、やっぱり自分を責めますので、奈美子のためにも、奈美子の死が無駄にならない形になればいいな。いい判決が出ればいいなと思っています」(高羽さん)

そして30日、高羽さんは安福被告を相手取り提訴したことを明らかにしました。訴状は名古屋地裁に受理されたということです。

「(受理されるか)一抹の不安はありましたが、大丈夫だったようで、受理されたのでとりあえずは土俵に上がれるのかなと」(高羽さん)

損害賠償請求の原告は高羽悟さんと息子の航平さんです。奈美子さんと悟さん、航平さんの3人に対する慰謝料のほか、容疑者を特定するための決め手となった現場のアパートの26年分の賃料などを合わせた額を求めます。一方で、請求額は非公表としています。

「私と息子の気持ちの中では金額では無くて、20年の除斥期間がおかしいというのが裁判を起こした趣旨です。後に続く方にも、私自身のためにも、損害賠償の道が開けるように、なんとか頑張って戦っていきたい」(高羽さん)